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日本企業はリーダー不在(堀江社長)

日経3/31朝刊11面より。堀江社長が韓国の中央日報のインタビューに答えてたという記事。

堀江社長は日本企業のリーダー不在の象徴として、三菱グループの三菱自動車救済劇を挙げ、「リーダーさえいれば三菱自動車はつぶすか、どこかに売るかしているだろう」と語った。ニッポン放送についても「従業員が250人の会社に取締役が19人もいる。5人で十分だ」と語り、取締役の定足数削減を示唆した。

かなり似たようなことを、産業再生機構の冨山氏も言っていました。

日本人は勘違いして、戦時に民主主義をやろうとする。戦時になればなるほど民主主義に走る。戦時は独裁でいくべき。共同責任はダメです。(中略)権力を集中させた人間が間違うリスクもあるが、それよりも合議制のリスクの方がはるかに大きい。「マッキンゼー企業再生」(ダイヤモンド社)

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放送の外資出資、間接含め20%以上禁止

放送の外資出資、間接含め20%以上禁止・総務省方針より。

今までは放送への出資は直接出資のみ外資規制がありましたが、外資が出資する日本企業が放送会社に出資する場合も、規制をするようです。

例えば、外資が日本企業に50%の出資をしていいて、その日本企業が放送会社に30%の出資をすると、「間接的に外資が15%出資した」と見なすわけです。これが20%を超えるとアウトにしようとしているようです。

リーマンブラザーズが一時的にライブドアの筆頭株主になって、そのライブドアがニッポン放送を買収したことがきっかけで、「これは電波法違反じゃないのか?」ということが盛り上がりました。

ただ、今回のリーマンブラザーズで言えば、単に資金提供しただけで、ニッポン放送の「放送ビジネス」が欲しいわけでもなんでもない。さらにライブドアもニッポン放送のラジオ放送そのものが魅力的だったわけでもない。さらにさらに、ニッポン放送の資産は放送設備が締める割合は殆どないし、営業利益も子会社が大半を稼いでいる。
クラウンジュエル=ポニーキャニオンの価値

ラジオ放送自体が魅力的ではなく、ニッポン放送自体が数字の上では放送会社ではなかったわけですから、電波法で守ろうとするのは、単なる非関税障壁にしかなってないような気がします。誰が損をするかというと、「売りたくても売れない株を抱える日本の投資家」なのではないでしょうか。

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厚生年金基金連合会西武を提訴

日経3/30朝刊1面より。厚生年金基金連合会が西武を賠償提訴したという記事。

  • 日本で機関投資家が投資先企業を訴えるのははじめて
  • 請求額は最大40億円
  • 同様に損失を被った地方公務員共済組合連合会と国民年金基金連合会も原告に加わるよう呼びかけらえている
  • 年金資金運用基金も西武を提訴する方針

物言う株主がここでモノを言ってもらわないと、僕達の年金がダメな経営者に価値を破壊されるだけなのであります。

ちなみに、連合会が西武株を購入していたのは、インデックス運用のためだったようです。アクティブ運用でも西武株を購入していた可能性はあるのですが、インデックス運用は利回りに貢献しない企業を資本市場から退出することを妨げるという副作用もあります。

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マイケル・デルM&Aを語る

日経3/29朝刊11面より、マイケル・デルインタビュー。

PC業界でM&Aが相次いでいる事に関して。

「金融業会では合併企業同士でサービス内容やコストが重複するために有効だ。しかし、コンピュータ業界では企業ごとに基盤技術や顧客へのサポート体制が異なるため、1プラス1が2にならず、M&Aで成長を実現した事例はない。」

「業績不振の企業同士が合併しても問題が大きくなるだけだ。(中略)M&Aは一方の企業の撤退か、一緒にコスト削減を進めて生き残りを目指す最後の手段だ」

その「最後の手段」が割と行なわれているのも事実です。HPとコンパックは合併時に掲げた利益目標に達することが出来ず、カーリー・フィオリーナ氏が辞任しました。「問題が大きくなった」かどうかはわかりませんが、合併だけでは問題は解消しなかったということでしょう。

オラクルによるピープルの買収も、シナジー効果というよりも、単に「競合を一つ減らせる」というメリットだと思います。

日本の銀行の大合併も、素直に「オーバーバンキングの解消」というお題目の元に行なわれていました。「地方はオーバーバンキング」 速水優・元日銀総裁
デル氏が言う「最後の手段」は意外にも頻繁に行なわれているんじゃないでしょうか。

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M&Aの成功率は低いのか?

日経3/29朝刊1面「会社とは何か」より、M&Aの失敗例について。

  • AOLによるタイム・ワーナーの買収は総額1800億ドルの買収
  • その後株価は急落してAOL株は実質的に紙くずになった
  • 最終的には個別の通信会社に分割して身売りをした
  • 分割時には既存株主は地域通信会社7社の株を無償で割当てられた
  • 他にも割当てられた分も含めれば、分割時と比べ時価総額は4倍超になる

資本が移動して、もっとも価値を上げるところに落ち着くのであれば、途中で紆余曲折はあるだろうという話です。「企業がなくならないこと」を主たる目的としてしまうと、経済的に非合理的な状況を打破できませんが、「最適な資本配分」を主たる目的とすると、企業の新陳代謝は必要不可欠です。

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株式持合いの意味するところ

フジテレビ、自社株の購入・安定保有を50社に要請
ライブドアに買われるのは、市場で既存株主が売るからだと。だったら満足度が低くても、経営者の許可なく株式を売らない人に買ってもらうのがいいだろうと。これってめちゃくちゃムシのいい話です。とはいえ、株式会社が別の株式会社の株を保有するということは、過去にもいっぱい行われてきました。それが「持ち合い」です。

A社とB社がお互いに株主になる。そうすることで、業績が悪くて株価が低迷したとしても、そこは「お互い様」ということで、株を手放すこともないし、株主総会で経営に責任追及することもない。ただこれで困るのは、本当の投資家です。自分がA社の株式を購入して投資した金で、A社はB社の株を買っちゃってる。持ち合いが目的で買っているので、「B社の株価が下がってもいい」という前提で買っている。投資家から預かった金がA社の経営者の保身のために使われている。

過去には、企業が保有する株はその価値が目減りしてもそれを公開する必要はなかったのですが、「時価会計」の導入により、保有する株式の価値が目減りすると、その企業の業績が悪いのと同様に損失を計上しなくてはならなくなりました。下手にダメ企業の株式を保有すると、利益そのものが飛んでしまう。そういう理由で持ち合いは徐々に解消されてきました。
http://www.tradition-net.co.jp/kouza/jika_kouza/jika17.htm

持ち合いを解消する理由が、「投資家に正面から向き合う」のではなく「企業の利益をぶっ飛ばしてしまうリスクがあるから」という消極的な理由であったため、いざ投資家に正面から向き合う段になると、「既存株主に売られるリスク」に怯えているというわけです。

対応策はシンプルで既存株主の満足度を高めれば、株価も上昇し、買収されにくくなりますし、「もっと高くなるかもしれない」のなら既存株主は安い価格で手放したりしません。

フジテレビ株の安定株主探しは、ひょっとすると成功してしまうかも知れません(教育上よくないケースになります)。しかしフジテレビの今の株価が、「買収」を織り込まれたものであるなら、安定株主の登場で下落する可能性もあります。投資家から預かったお金で株を買うということに対して、経営者はもっと臆病になったほうがいいでしょう。

そもそも投資家は、「買おうと思えばフジテレビ株を買えたにも関わらず」、別の企業の銘柄を買っているわけです。その投資資金を流用してフジテレビ株を買うということは、投資家の銘柄選定行為そのものを全否定していることになります。

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社員≠従業員

このblogでは極力「社員」という言葉は使用せず、「従業員」という呼称にしています。「社員」という言葉は商法上は株主のことを指すからです。それに関するネタ3/25日経朝刊1面「会社とは何か」にありました。

社員というのは不思議な言葉だ。商法では株主を指し、使用人である従業員とは厳然と区別している。貸借対照表にも社員の価値は載っていない。損益計算書のコストとして自分の痕跡を認識できるだけだ。自らを社員と名乗り、会社の一部といして信じていたのは幻想だった……。今回の買収劇で多くのサラリーマンが単純な事実に気づいた。

「貸借対照表にも社員の価値は載っていない」というのがポイントです。貸借対照表の資産の部には、設備や材料など「買ってきた値段がはっきりするもの」かつ「複数年の利益に結びつくもの」が載っています。従業員も「5年契約前払い」というような給与体系なら、貸借対照表に載るということはあるかも知れませんが、今の雇用制度では、人件費は費用であり、資産ではありません。

とはいえ、人が持つノウハウは年をまたいだ利益に貢献します。例えば売れっ子営業マンがもつ人脈なども大事な資産です。これらの資産は貸借対照表には現れませんが、株価には反映されます。貸借対照表上の純資産と株式時価総額との比率は、PBRという数字で現れます。PBRが1ということは、ブランドの価値や従業員のノウハウなどの上乗せ部分がないということを意味します。

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SBIはホワイトナイトか?

ニッポン放送が保有するフジテレビ株をソフトバンク・インベストメント(SBI)に貸し出したそうです。
ソフトバンク系会社がフジテレビの筆頭株主に

ニッポン放送にとっての「クラウンジュエル」であるフジテレビ株をSBIに貸し出すことで、ライブドアがジュエルを手に入れることを阻止しようというわけですね。

もちろん、ニッポン放送はこれを「防衛策」とは言わないでしょうが(おろかにも言っちゃうかもしれませんが)、筆頭株主=ライブドアをいじめるための戦術です。

ホワイトナイト(M&A戦術一覧参照)にSBIを見立てる向きもありますが、やっているのは、買収ではなく、「株券消費貸借」という方法。要は株の貸し借りです。その手があったかです。

貸しただけとは言うものの、借りた方は借りている間は、議決権も行使できますし、配当も受け取れることも多いです。ただ二社間の契約次第なので、今回のニッポン放送とSBIの間では配当金はニッポン放送側に帰属するようです(日経3/25朝刊3面より)。

株の貸し借り自体は良くできた制度です。売買の手順に柔軟性が出ます。こんな手順です。

株を借りる→その株を売る(空売り)→株が安くなったら買い戻す→株を貸してに返す

今回のケースでのニッポン放送とSBIの契約では、5年という長期の契約となっています。筆頭株主の意向を無視して行なうには大きすぎる資本政策です。ライブドアは法的措置含め対応検討としていますが、実質的な売買ということを証明するには、手順が面倒なようです。

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もっと叱られたニッポン放送

フジと提携 具体提案 ライブドア 高裁も勝利

ということで高裁でライブドアが勝ちました。ポイントは、地裁よりももっと厳しい言われようだということ。

これまでニッポン放送側は「フジサンケイグループを離脱すると、グループ各社が取引を打ち切り、業績は低下する」との主張を繰り返してきた。高裁は「不確実な前提を基に算出した企業価値毀損の数値の信用性には疑義がある」と指摘。取引中止をほのめかすこと自体が「独禁法の不公正取引に該当する恐れもある」と批判した。(日経3/24朝刊3面)

ホリエモンは悪いやつだから、「取引中止でいじめちゃうよ」とのトーンで堂々と取引停止を公言していましたが、考えてみると、チョーアンフェアな事業姿勢だというわけです。既得権を悪用して、「脅迫」していたともとれちゃいます。

高裁はこうした主張が株式公開買付(TOB)期間中にでたことに言及。「ライブドアのマイナス情報を流し、TOBに有利な状況を作ったのは証券取引法違反とは言わないまでも、TOB実行者として公正を疑われる」と断じた。

ライブドア傘下の企業の締め出しを「するぞするぞ」と資本市場に対してメッセージを出していたのもよくないと。

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上場企業は金融会社と思え

フジテレビ労組:ライブドアに再反発「提携に意味ない」

ライブドアが嫌いなのは分かったと。ライブドアが中堅どころで、ずば抜けたエクセレントITカンパニーでもないというのも周知の事実。それでも、フジ労組が言う「提携する意味がない理由」はロジカルじゃない。

▽ライブドアはIT企業ではなく実態は金融会社で、M&A(企業の合併・買収)が生業
だからこそ、不良資産買取に汗を流しているのが、ライブドアなんだと思います。逆にフジテレビはあれだけの資本調達をしながら、自分達が「金融商品である」という認識が薄すぎます。
ポータルサイトに独創性が感じられない
これも提携を否定する理由じゃないなぁ。
ライブドアの成長率が高いのはM&Aの結果で、自身の事業成長ではない
証券会社の買収なんかは、なんてことのない証券会社をいきなり普通のネット証券にしたところなんかは、1+1が2以上になった例かと思います。ひょっとすると、M&Aそのものが悪という前提を元に否定しているんでしょうかね。

「自身の事業」を持ち出すと、フジテレビの資産の大半は有価証券と土地建物であって、事業そのものの価値ではないというのもイタイところです。

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配当総額3兆円

日経3/23朝刊1面より、上場企業の配当総額が3兆円にのぼるという話。過去最高だそうです。

面白いのは次の一文。

配当総額3兆円は昨年12月に実施した米マイクロソフト社1社の「特別配当」総額と変わらない。

まいりました。

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クラウン・ジュエル王子

松尾氏に書いてもらった、クラウン・ジュエル王子のイメージ画。
CrownJewel


口癖:「みんな僕のことじゃなくてジュエルの話ばっかりするんだよぉ」

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放送免許:プライスレス

日経3/21朝刊9面より。

ネット配信をにらみ番組制作や報道機関としての役割の方の価値を置くのなら、フジ社員の離散を招きかねない敵対関係は極力避ける必要がある。いきなり株を買って提携を持ちかける手法はそうした配慮にやや欠け、放送局を単純に免許とブランドのついた「箱」としてとらえている印象もある。

記事では、放送局は免許とブランドのついた箱じゃないよってことを諭しているのかも知れませんが、ライブドアがやってきた従来の買収からは「その通り」かも知れません。金融事業を始める際にも、「免許を買う」手段として既存の証券会社を買収しました。かなり安かったと記憶しています。割安な時価で買収ができたために、「逆のれん代」が発生していました。

「のれん代」という言葉が出てきました。帳簿上の資産と買収する際の時価の差額だと思っていいです。持ってる資産(土地や現金や設備)に対して買収する値段は大きいのが普通です。その差額の内訳は何かというと、ブランドイメージや従業員のノウハウや特許や免許だったりします。

ところが、フジテレビやニッポン放送は時価ベースではその「のれん」に相当する部分が殆どなかった。価値の多くがビジネスに関係のない土地や建物や有価証券です。それを差し引くと、「ブランドも」「ノウハウも」「免許も」価値がなくなっちゃう。フジテレビを一種の「不動産」として買収すると、なんと「タダで放送免許が付いてくる」という売り方(=上場)をしていたのです。(もちろん、現時点ではフジテレビ株も株価を上げて対抗していますし、ライブドアがフジを買収するとなるとさらに株価が上がる可能性はあるので、最終的にのれん代が幾らになるかは分かりません。)

ライブドアが、競馬ビジネス参入をする際にも、既存の競馬関連企業を買収するという方法をとろうとしましたが、あれえも殆どタダに近い値段で免許が手に入るからです。非上場だったので買収は成功しませんでしたが、ライブドアのお買い物はお買い得物件が多いのも事実です。

重要なのは、ライブドアがそういう「買い方をしている」というところではなく、そういう「売り方をしている」という点です。

「経営権を握れば審査も何もなしに自動的に放送免許も付いて来るのか。総務省も考えていると推測する」(日枝久氏フジテレビジョン会長)

と、「ライブドアが買収しても放送免許を与えるかどうかは総務省が許さないかも知れないよ」とけん制してます。しかし、問題は買うときに起こっているのではなく、売る際に起こっているのです。仮に総務省が動かなくちゃいけないとしたら、放送免許をタダ同然で売りに出していた時に、フジテレビやニッポン放送をなんとかしなくちゃいけなかったんじゃないかと思います。

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フジテレビからのお願い

「どうかライブドアのTOBがあっても応じないでください」
日経3/20朝刊7面に、以上のような説得がフジテレビ幹部から大株主や親しい企業経営者に行われているという話。

いままで散々、株主価値を破壊しておいて、いまさら売るなというのもおかしな話です。ライブドアのTOBに応じない理由があるとすれば、別の誰かがもっと高い価格での買取を提示したときです。もしくはフジテレビ自体の業績が恒常的に上昇していって、「20年後に売ったほうが得」と思わせるか。

とは言うものの、こういうお願いが通じてしまうケースもあるから恐ろしい。ニッポン放送のTOB価格(フジテレビが買い取る価格)が市場価格を下回っていたのにも関わらず、ニッポン放送株を市場ではなくフジテレビに売却しちゃったケースは多かったです。電通や東京電力は、市場で売らずにフジテレビに売りました。

電通がフジテレビとの付き合いを重視してフジテレビに安値で売るのはまだ分かるけど(広告媒体を作ってくれるから)、東京電力がフジテレビ相手に気を使う理由が良く分からない。東京電力株とかになると、本当に金融商品としての運用対象として持っている個人投資家もいます。東京電力の投資家が怒ったというニュースがこちら
東電株主:フジTOBに応じたのは不当と、株主代表訴訟へ

6000万円の損害だそうです。6000万の売上じゃないですよ。6000万円のキャッシュです。これくらいのキャッシュを「余分に」生もうと思ったら、企業はいくら売上伸ばさなくちゃいけないかって話ですよ。投資家から見れば、「6000万円の利子」を生み出そうと思ったらどんな運用しなくちゃいけないかってことです。確かに時価でそこに「あった」6000万が「株主資本」から消えてなくなったわけですから、そりゃ怒られます。

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「TOBすればいい」(堀江社長)

今さっき、WBSで堀江社長のインタビューがありました(聴いた記憶頼り)。

ライブドアは企業防衛をするのかと聞かれて
「なんで防衛するの?」
(例えばフジテレビの逆買収などから)
「TOBすればいいじゃない」
(悲しむ人はいないですか)
「誰が悲しむの?」
(例えば堀江さんとか)
「堀江さん株主でもあるんですよ。TOBされて高い値段がつくのなら売りますよ」
「TOBに敵対的も友好的もないんです。株主は高い値段で売れればいいんです」

正論言うなぁ。企業買収というものを、旧株主(売り手)と新株主(買い手)の二体問題として解こうとする発想は私も賛成。参考記事誰のための企業防衛か 物言う株主がライブドアを応援


売り手と買い手の二体問題に、経営者が入ってくるのがややこしい。3体問題ならまだしも、経営者と新株主の二体問題という間違った認識をして、旧株主が売り払ってしまっている事実さえ目に入ってないようなひどい例も多いです。

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シュローダー、サンケイビル増資に抗議

日経3/19朝刊11面より、英系運用会社シュローダーがサンケイビルの増資に抗議しているという話。以下抗議のポイント。


  • 第三者割当増資が発行済み株式の23%もあり既存株主にとって希薄化が多すぎる

  • 調達資金は公募増資でも可能

  • フジテレビが買う価格が718円と市場価格の765円を大きく下回る


単に、フジテレビ以外の株主を希薄化して追い出してしまおうとしているんじゃねーのって怒っています。シュローダーは10年以上まえからサンケイビル株に投資をしてきたので、安定した「恩師」のような存在。サンケイビルはそれをコケにしています。

「日本企業が株主重視の資本政策に変わることを期待していたが、逆戻りしかねない」(アンドリュー・ローズ常務)

日本企業全体が、資本市場からの不信感を買っています。不信はリスクです。リスクは価値を割り引きます。こんなことで日本株式会社の企業価値を下げるのはあまりにもったいない話です。

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FNS系列27社 フジを全面支持と声明

http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kigyou/news/20050319k0000m020070000c.htmlより。

フジ系列の地方局は心配でしょうね。超脆弱な資本構造のキー局とその親会社が大安売りで売られていたわけです。買われてから文句を言うのではなく、企業価値を破壊しながらたたき売りをしていた時点でニッポン放送とフジに文句を言うべきでしたね。2002年から2003年の間にもちょうど村上ファンドがやってきて、フジサンケイグループは今と同じように株を増資して企業価値を毀損しながらの防御をしていました。

「フジテレビに影響力を及ぼそうという意図のもと、ニッポン放送を支配しようというライブドアの行為は容認できない」
ニッポン放送の株価は保有するフジテレビ株の時価を下回っていたこともあったくらいですから、ニッポン放送単体の価値はゼロだったわけです。「容認できない」と言われても、おまけの価値しかないというのが、資本市場の判断でしょう。

また、「声明」というのもおかしい。誰に対して言っているんでしょうね。資本市場なんでしょうか。「ニッポン放送はもっと価値があるはずだ、堀江社長に売るのではなく持ち続けてください!」って資本市場に言ってるんでしょうか。ライブドアが大量に買ったという事実は、誰かが大量に売ったという事実でもあるのです。

この戦いはともすれば、フジサンケイグループv.s.ライブドアという風にも報じられていますが、本当は「フジサンケイグループv.s.資本市場」の戦いだと思っています。資本市場の中には僕達の年金も入っています。

資本市場から蔑まれている(しかも日本全体が)という記事を次に紹介します。

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ライブドア、フジ買収をLBOで

ライブドア、フジ買収検討=LBO2千億円調達―発行済み株30%取得へ

まずLBOの説明。

LBOとは

買収しようとしている企業のキャッシュフローや資産を担保に、必要な資金を金融機関などから調達し、株式を買い付ける手法のこと。


「レバレッジ=てこを効かせる」ということで、少ない資金でも大きな企業を買収することができるというわけです。レバレッジという言葉はなじみが薄いですが、「レバー」のことです。ファイナンスにおいてはレバレッジは借金を指すことが多く、少ない自己資金で大きなビジネスをすることができるというわけです。

「これから買おうとするものを担保に入れて金を借りるなんてしどい!」とテレビのコメンテーターは言うとりますが、普通のサラリーマンでも、住宅ローンを借りる際には「これから買う家を担保に借金をしてその借金で家を買う」ということをしています。これもレバーを効かせている例です。

LBOをした後は、買収先の企業の負債比率がドーンと増えます。あまりに負債比率が高いと、今度は倒産するリスクが増えます。なので、LBOの対象になりやすい企業には「元々負債が少ない」「担保になりやすくビジネスに関係のない資産が多い」という特徴があります。この二つの特徴は共に株主の満足度を元々下げていた要素ですから、LBOの対象になるということは、株主から見れば大した同情は得られないと思います。

逆にフジテレビの既存株主から見れば、今までの株主資本がビジネスに直結していなかったわけですから、LBOで「高く換金化できる」ということは大歓迎なのです。

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ニッポン放送従業員の胸の内

日経3/17朝刊43面にニッポン放送従業員のインタビューがありました。

堀江社長の言動はフジサンケイグループに対するものばかり。ニッポン放送本体への興味が伝わってこない。(40代男性)

確かにそのとおりでしょうね。資産を見てもニッポン放送本体の価値ではなくフジテレビ株が殆ど。営業利益を見ても、ポニーキャニオンが大幅に上回っています。ニッポン放送の時価総額から、フジテレビ株の価値とポニーキャニオンの価値を引くと、ニッポン放送の価値は殆どないということになります。これは堀江社長の評価ではなく、市場の評価であり、ニッポン放送の既存株主(だいぶ減ったけど)の評価でもあります。要はジュエルに対して王冠や王位の価値が少なすぎるということです。→参照クラウンジュエル=ポニーキャニオンの価値

新聞やテレビで「ライブドア優勢」の報が流れるたび、地方に暮らす両親からは「お前の会社大丈夫なの?」と電話がかかる。「会社は黒字。問題企業ではない。売上ではラジオ局でトップなのに悔しい」。(30代男性プロデューサー)

やっぱり「問題企業ではない」と本気で思っていたんですね。会社は黒字はいいです。放送単体の売上が300億、営業利益が5億です。そんな会社の資産めちゃくちゃ大きいのです(単独で800億、連結で2,000億)。調達に見合った成果を上げてないというの点においては大きな問題です。

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ライブドアが描くメディアとネットの融合効果

日経3/17朝刊3面に、ライブドアが描く融合効果がありました。

  • 放送できなかった映像や番組で登場したブランド商品をネットで販売する
  • メディアの視聴者を自社のポータルに誘導するのが目的
  • 誘導によるネット広告収入の増加で279億円
  • 番組の有料配信で229億円
  • 物販販売で110億円

そんなにでかい話ではないです。3年後に本当にそうなるかどうかは分かりません。ただ、「コンテンツ販売」「物販販売」といったことは既存の放送曲はあまりに手薄です。

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正確な報道とは

ちょっと古いですが、ニッポン放送社員が3/3に声明文をだしたというニュース。

「(ライブドア)はリスナーに対する愛情がまったく感じられない」「責任ある放送や正確な報道についても、堀江貴文社長が理解しているとは到底思えない」

との声明文。「思えない」だけで声明文まで出しちゃう。

堀江社長と会って話せばいいのにねぇ。報道する立場としてはこれほどのいいニュース材料はないです。しかしニッポン放送社長は現時点では「筆頭株主に会うつもりはない」ようです。経営者としても報道人としても会うべきでしょう。

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誰のための企業防衛か

日経3/16朝刊7面より、外資系証券会社に買収防衛策の相談が増えているという記事。そのなかで面白いエピソードがありました。

もっとも、どのような戦術を駆使しても被買収企業の株主利益は無視できない。企業防衛とは企業の言い分を鵜呑みにすることではなく、株主に不利な買収を退けることだと説明すると「それなら助言は要らない、と撤回する日本企業も多い」(ゴールドマン・サックス証券)という。

ふてぶてしぃー。ごっつはらたつ。

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フジテレビが大幅増配

(3/15)フジテレビが大幅増配・今期、前期比5倍の5000円に

フジテレビが、大幅増配です。これまでやってきた「買う魅力をそぐ」タイプの買収防止策ではなく、既存株主の「売るのがもったいない」というタイプの買収防衛策なので、割とマシです。

ユシロ化学が買収されそうになったときにも、年間配当を14倍強に引き上げました。ソトーも買収されそうになったときに、配当を13円から200円に引き上げました。こういう買収防止策はいいねぇと思っていました。

しかしながら、ライブドアからは冷ややかな反応です。

ライブドアの幹部は15日、フジの増配決定について「転換社債型新株予約件付き社債で資金調達したばかりで、すぐに増配するのは市場を軽視した資本政策だ」との考えを示した。(日経3/16朝刊3面)

なるほど確かに。資金調達してそれをビジネスに投資せずに配当にまわすのは意味がない。

ちなみに、フジの配当性向はこれで50%になるというからかなりの増配です。でも従来は10%くらい。TOPIX構成銘柄の平均が20%くらい(2003年)ですから、従来が少なすぎとも言えます。

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クラウンジュエル=ポニーキャニオンの価値

ニッポン放送の焦土作戦でクラウン・ジュエルの用語解説をしていますので、まずはそちらからご覧ください。

ニッポン放送には二つのジュエルがあります。一つはフジテレビ株。1月時点で22.5%の出資比率でフジテレビの株主になっていました。この保有株の時価よりもニッポン放送の時価総額が見劣りしていたというのが、一つのゆがみです。

もう一つのジュエルがポニーキャニオンです。ニッポン放送は56.0%、フジテレビが27.0%の出資比率です。ポニーキャニオンは非上場ですから、株式を即売却はできませんが、ポニーキャニオン自体の保有価値はあります。ニッポン放送の連結営業利益の部門別内訳(日経3/15朝刊3面より)を見てみると、放送で5億円、ポニーキャニオンなど映像・音楽・出版で19億円の営業利益です。放送を軽く超えています。非上場の完全子会社のビジネス規模においても親子逆転が起きています。


  • 上場企業としての株式時価総額でもニッポン放送とフジテレビとで親子逆転

  • ビジネスの規模としてもニッポン放送とポニーキャニオンとで親子逆転


というねじれの現象が起きています。クラウン・ジュエルというのは、買収を防ぐための一つの戦術として語られていますが、そもそも「なぜ王位ではなく王冠の宝石にしか興味を持たれていないのか?」という点に立ち戻って考えてみましょう。それは、宝石に比べて相対的に王位の価値がないからです。

自社ビジネスではなく、ジュエルに対してしか興味をもたれていないとしたら、まずは自社ビジネスの価値を上げることから考えた方がいいでしょう。ジュエルを破壊するのではなく。

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ニッポン放送の焦土作戦

ニッポン放送が焦土作戦に出ました。

焦土作戦とは
侵入してきた敵に武器や食料を残さないように焼き尽くす軍事作戦から転用して、企業の合併・買収(M&A)の際に買収される企業の重要な資産などを売却して魅力を減らし、買収するための手法。M&A用語では「クラウン・ジュエル」と呼ばれる。王冠を買収対象企業になぞらえ、王冠の宝石を外すことで王冠の価値を減じることを狙う(3/15日経朝刊3面用語解説より)

そして、ニッポン放送がライブドアからみた買収の魅力をそぐために、保有しているポニーキャニオン株の魅力をそいでしまおうということをしています。ポニーキャニオン株を売ってもいいのですが、そうすると今度は大量の現金を抱えてしまうので、別の「ジュエル」を保有してしまうことになる。とにかくニッポン放送の株主価値をなくすことが目的ですから、できるだけ経済的に非合理的なことをやってしまうというわけです。なので、フジテレビを引き受け先としてポニーキャニオン株の増資をしようというわけです。

「グループ一丸となって」上場企業同士が持合を続けようとするとこういうことになります。こういう流れです。


  1. 株式を持ち合っている企業(A社とB社)が両方上場

  2. 一方の株価が下がる(例えばB社)

  3. するとB社が買収可能になる

  4. B社を買うとA社の株式もセットでついてくる

  5. 部外者を排除するために、A社とB社同士で増資しまくり

じゃぁなんで上場しているの?ってことです。問題の根本は、グループ企業同士が株式を持ち合ったまま、親子上場しているということ。グループをグループのまま維持したい場合には、子会社の全株を取得して子会社を上場廃止にするケースも多いのに、フジサンケイグループはそうしていない。どれが親会社ということもないときには、持ち株会社を作るのが普通です。フジサンケイグループは一度株主から「持ち株会社に移行しなさい」という提案を確か受けたはずなのですが、それも実行されていません。この提案は既に一年前に行われていました(が、今手元に資料がないので、また明日)。

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こんな株式市場に誰がした(前田昌孝)

日経呼んでいると、編集委員として前田昌孝氏の名前を見ることが多かったので、著書を探してみるとありました。「こんな株式市場に誰がした」(日本経済新聞社)。

日経の編集委員だけあって素データの量はかなり大量。米国市場ルール礼賛一辺倒ではなく、歴史や数字に裏打ちされています。

(以下読んだ知識をあたかも自分で考えたかのようにしゃべってみるコーナー)

日本政府の「株価対策」は株式市場の本来の目的である「最適資本分配」が機能していないです。最適資本分配というのは、「より価値を創造する企業に多くの資本を分配し、価値を破壊する企業は資本市場から退場してもらう」ということです。

その「退場してもらう」ということを機能させずに、むしろ退場を回避する方向で政府の産業再生ナントカががんばっちゃう。これが良くない。

そして、政府が行なう需給対策というのは、どうしても流動性を下げる方向に動きます。相場の下げを防止するために安直に空売り規制をやっちゃう。でも空売りって、「相場の下げを狙って」やるだけじゃなくて、単に証券会社が大量の現物売りを一旦受けて、それを機動的に市場で売る際にも空売りは行なわれている。空売り規制が現物の流動性まで下げちゃうというわけです。

そして一番酷いのが、政府がダメ株式を買うという行為。価値破壊企業に資源を分配するのではなく、価値創造企業に資本を分配しなくちゃ経済は成長しないです。

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ニッポン放送の増資差し止め、「妥当」が経営者の7割

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20050314AT1D1201612032005.html
より。

市場関係者が100%で差し止め支持なのは当然として、経営者で7割は予想外に多いですね。

実はアンケートをとらなくても、上場企業のうち3割くらいは「なんで上場しているの?」というようなPBRだったりするので、株価と今回のアンケート結果は合致します。その3割に、フジテレビとニッポン放送が含まれていたというわけです。

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海外メディアホリエモンを称える

東京新聞のコラムで、海外メディアがフジテレビとライブドアの一件を紹介していました。
フジテレビVSライブドア海外メディアの見方

ここでは、ほぼ100%でライブドア支持です。堀江社長がキャラクター的に煙たがられている点についても触れられています。

英フィナンシャル・タイムズが堀江社長を紹介する表現がイイ。

「若く、自信過剰で、けんかっ早く、むき出しの野望を見せつける姿は、日本の伝統的なビジネスエリートが嫌うすべて」

しかしながら、あの濃いキャラクターって、アメリカのシリコンバレーでは普通なんですよね。ビルゲイツ、ラリーエリソン、スコットマクネリ、みんな感じ悪い。アメリカ人だからあれが普通というわけではなく、IBMのガースナーがCEOも、シリコンバレーの連中のキャラクタには圧倒されたそうです(「巨象も踊る」に書いてた)。でも感じが悪いからと言って、ビジネス界から排除はされない。

堀江社長が外国人記者相手に記者会見をしているシーンでもこんなのがありました。
livedoor 社長日記
お前はマードックになりたいのか?と聞かれて「No、メディアとITとファイナンスのコングロマリットを作りたいんだ」といったシーンで外国人記者はその大風呂敷にウケていたのですが、毎日新聞はめちゃくちゃ感じ悪く報道している。

オールドメディアが足を引っ張りたくなるのは「若く、自信過剰で、けんかっ早く、むき出しの野望を見せつけてる」からなんでしょうね。

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物言う株主がライブドアを応援

フジとライブドアのごたごたにまぎれて会社法法案修正では、日本の株式市場の代表として「年金」を取り上げていました。当の年金基金のコメントが日経3/12朝刊3面に載っていました。

ニッポン放送の新株予約権の差し止めをライブドアが申し立てをしました。東京地裁がライブドアの主張を認めたという判決に対してのコメントです。

当然の判断だ。株主利益を無視する行為が認められれば、世界の投資家に見放されてしまう。ライブドアによる立会外取引でニッポン放送株の大量取得は不透明との意見はあるが、少なくとも納得して売った株主がいたのだし、一般株主の利益は損なわれていない。(矢野朝水厚生年金基金連合会専務理事)

矢野さん頼もしい。

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フジとライブドアのごたごたにまぎれて会社法法案修正

フジとライブドアのごたごたにまぎれて、法務部会・商法小委員会での合同会議で、えらいことが覆りました。

日経3/12朝刊2面より。

「企業防衛策をさいようする機会確保のため、合併対価の柔軟化に関する部分の施行は一年後とする」と決議し、部会は終わった。外国株による企業の合併・買収(M&A)は、あっさり凍結が決まった。

ひどい、ひどすぎる。日本の上場企業のうち、上場しているくせにPBRが1を下回る企業は多いです。要は調達に対して利回りがマイナスであるということを意味します。株価は未来のキャッシュを織り込みますから、PBRが1以下ということは、ビジネスを続ければ続けるほど経済的損失が出ることを意味します。

今利回りがマイナスの金融商品に投資する理由があるとすれば、「どっかで誰かが今より高い値段で買ってくれるから」です。それを後押しするのが、外国企業の株式交換によるM&Aだったのに、それが凍結になってしまった。

既にPBRが低い企業の株価は上昇し始めています。合併されることを織り込み始めています。それが凍結されるということはどういうことか分かってるんでしょうかね。このキャピタルゲインの損失で大きな痛手を被るのは、僕達の年金だったりします。M&Aを妨げることは、未来の僕達の箪笥から年金をくすねるのと同じことです。

記事のサマリ。

  • 平沢勝栄氏と商法小委員長の塩崎恭久氏は「関連規定の解禁を1年先送りするしかない」との認識で一致

  • 一年以上にわたって二十数回の会合を重ねたが、今回の軌道修正に要した時間は二日足らず

  • 武藤嘉文氏を中心とし、勉強会に集まった桜井新、小林興起の両氏ら商工系議員らが集まる「武藤勉強会」は外国株のM&Aへの慎重論に動き出す

この勉強会での発言が酷い。

日本は善意なのに外資はマネーゲームという悪意であることが問題だ。

日本の経営者に確かに悪意はないでしょう。しかしあっさり合併されるってことは、株価が安いということです。株価が安いということは、今の「日本の」株主の満足度が低いということです。資本市場に多大なるご迷惑をおかけしているということです。

仮に買収の目的がマネーゲームだったとしても、ゲームにさえ負けてしまうほど低い価値の事業が存在するということです。ビジネスに価値がないのだからその株式はギャンブルのチップとしてしか活躍できない。

悪意がなくとも経済的損失を資本市場に垂れ流し、僕たちの年金を奪い取るということを許していいはずはないです。

年金に関しては、物言う株主がライブドアを応援でも、年金基金のライブドアに対するコメントを載せています。

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超高速計算機の存在意義

日経3/11朝刊17面、「次世代技術本命を争う~超高速計算機(上)」より。

  • 地球シミュレータの計算速度は毎秒36兆回で約400億円
  • 普通のスーパーコンも需要は根強く、毎秒1兆回で十億円程度(NEC)
  • 普通のスーパーコンは自動車業界での衝突実験やエンジン燃焼の模擬実験に使用される
  • 新薬開発の現場は、毎秒1000兆回の計算能力を要求。
  • 新薬の候補探しでは細胞を丸ごとシミュレーションする必要があるため

コンピュータの価値って、個人向けではエンタテインメントだったり、企業においてはコスト削減だったりするのですが、その価値は限られています。特にコスト削減では元のビジネスの規模が小さい時には、コスト削減効果もしょぼいです。

ところが、新薬開発のためのコンピュータであれば、そのコンピュータが生み出す価値は、新薬が稼ぎ出すキャッシュが源泉です。「新製品を作ってくれるコンピュータ」であれば、かなりの価値があります。

因みに
http://www.medisearch.co.jp/doukou_kakukaihatuhi.htm
によると、武田薬品の年間研究開発費は約1000億円。地球シミュレータそのものを買ったとしても各年度の減価償却費にまぶせば、ありえない投資ではないです。

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BSEネタ(食品安全委員会)

日経3/11朝刊1面「BSE検査基準改定、早期答申求める。米牛肉問題政府、安全委に」より。

安全委は現在、第一段階の審議をしている状況。下部組織であるプリオン専門調査会の会合が、3-4週間に一回のペースで進んでいる。

めちゃめちゃ遅い。

この手のプロジェクトって成果が最後に「どん」と出るだけなので進捗が測りにくいです。こういうときには「投入コスト」で進捗を測る方法があります(どれくらい材料を使ったかや、どれくらい時間を消費しているかなど)。消費コストが大きいのに進捗がパッとしない時には、技術的な問題で止まっているのではないかと判断し、逆にコストが消費されてない場合には、単に無着手なだけという捉え方ができます。時間かければいいってもんではないのですが、プロジェクトの遅れの原因は単に時間を割いていないだけということが意外に多いです。

この異常な遅さは、米国に対しては「単に結論を遅くして非関税障壁をキープしているだけ」に映るでしょう。

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電子投票の信頼性

たまには本職の技術ネタも。

岐阜の電子投票が「故障したので無効」との判決が出たそうです。
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/050310_1.html

日経3/10朝刊43面では原告団の話が載っていました。いいこと言っています。

電子投票が悪いと言っているのではない。情報公開や説明責任を果たせる自治体でなければ電子投票をやってはいけないと思う。

電子化はある程度の「信頼」があって成り立つものです。信頼が乏しい状態での電子化は、外から見れば「隠蔽化」にしか見えません。投票が出来ない時間が存在した事実だけで信頼を失墜するには十分です。

単に集計をあっさり終わらせたいのなら、マークシートで十分だと思います。それなのに、わざわざ重厚長大かつ信頼性に乏しい仕組みを導入するのは、「なんか裏があるのではないか」「電子投票は単なる公共事業ではないのか」という穿った見方もしてしまいます。

「正しいことをする」のと、「正しいことをしていると見られる」との間には距離があるということはキモに命じた方がいいでしょうね。

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企業価値と株価

日経3/9朝刊3面「多様な株主にどう説明」より。フジ側の対応について。

ニッポン放送の取締役がフジテレビに対し、TOB価格の引き上げを要請しなかったことも、理屈が通らない。亀渕昭信社長は「フジサンケイグループに残ることが、企業価値を高めるベストの方法だ」と繰り返し主張している。それならば、自らが信じる企業価値を反映する水準までTOB価格を引き上げさせることは、取締役の責務である。(編集委員 前田昌孝)

この論説はおそらく正論なのですが、きっとニッポン放送社長が言う「企業価値」はもっと漠然としたものなんだと思います。

ファイナンスにおいては、企業価値=負債価値+株式時価総額であって、「株が安い」=「企業価値が低い」ということです。企業価値は「円」で表現が可能です。

ニッポン放送からの話では、ライブドア参加になることでスポンサー契約が減るのでダメだってことのようです。
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20050308it16.htm

会見に同席した小笠原徹常務は、ライブドアがニッポン放送の経営権を取得した場合、プロ野球のラジオ中継について、スポンサー契約を見直すとの意向を多くの顧客企業から伝えられていることも明らかにした。

(ここから話は、ラジオビジネスについて)

とはいえ、ラジオの広告費はもはやネットに抜かれています。ネットが伸びているのもありますが、ラジオが落ち込んでいるというのも転落の理由です。ラジオビジネスの価値を高める手段としては、ラジオとネットの融合というのは効果的に感じます。

ネットしながらラジオを聴くことは両立しますから、ラジオの内容を常にWebで表示し、「今聞いている曲を買う」「CMの製品情報」など、即効果を期待できるビジネスモデルは実現できそうです。

ニッポン放送の社員一同が「(ライブドア社長の)堀江氏はリスナーに対する愛情がない」などとする声明文を出しましたが、カスタマーを「リスナー」に限定してしまうことが、ラジオビジネスの縮小を招いているのだと思います。ラジオを聴いているリスナーは一日中リスナーであるわけがなく、食事もすれば買い物もする。ネットと放送の融合は、「リスナー」「視聴者」を「カスタマー」に広げるいいチャンスだと思っています。

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ライブドアに買収された会社

「敵対的M&A」そのとき経営者は
ライブドアに買収された弥生の社長のインタビューがありました。割と好意的に捉えていました。

ユシロ化学が外資系投資ファンドに買収されそうになった一件についても記事中で語られていますが、ちょっと変です。

ユシロ科学は実質、無借金の優良企業である一方で、企業価値に比べて割安な株価が狙われたとみられています。
無借金だから優良企業というわけではありません。金利が払えなくて倒産するというリスクが低いですが、配当が払えなくて株主から叱られるというリスクが増えます。また「企業価値に比べて割安な株価」というのもおかしい。企業価値は株主時価総額に連動します。「保有資産に比べて割安な企業価値」が正しい表現でしょう。
ユシロ科学の経営陣は反撃にでます。株の配当14円から200円へと、一気に14倍にすると発表したのです。株主に株を手放さないように求めたのです。 結局、外資系投資ファンドは一株も取得できませんでした。ユシロ科学の現経営陣が勝ったのです。

これって、結果としては外資の投資ファンドが求める「ビジネスに無関係な現金を吐き出しなさい。もっと株価を上げなさい」をちょっと早めに実践したにすぎなくて、資本市場が勝者になるんじゃないでしょうか。一見すると、経営者が株主選定の「手段」として既存株主の満足度を高めていますが、資本市場からすれば株主満足度の向上こそが目的です。

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M&A戦術一覧(ポイズンピルなど)

M&Aではいろいろな「タクティクス」(戦術)が存在します。法的に整理されているものもされていないものもあります。

ポイズンピル(Poison Pill)
買収が実現した時に、買収の対象となった企業が、買収する側の会社に不利益となるような措置をあらかじめとること。「毒入り」ということを明示することで買収を防ぐ。
ホワイトナイト(White Knight)
買収を仕掛けられた会社が、別の友好関係をもつ会社に自社を買収してもらうよう依頼すること。「白馬の騎士」に見立てている。
パックマンディフェンス(Pac-man Defense)
買収を仕掛けられた側が、逆に相手の会社を買収すること。パックマンがモンスターを逆襲して食べるところから。
ゴールデンパラシュート(Golden Parachute)
買収を仕掛けられた会社の経営陣が巨額の退職金をもらって退職し、経営権を引き渡すこと。
ゴールデンペンション(Golden Pension)
ゴールデンパラシュートの類型で、退職金の代わりに年金を与えるもの。
クラウンジュエル(Crawn Jewel)
クラウン・ジュエルとは被買収企業が保有する「魅力ある資産」のこと。転じて、被買収企業が魅力ある資産を売却または価値を毀損させ、買収の魅力をそぐ買収防止策。買収の魅力をそぐという点では焦土作戦と同義。
LBO(レバレッジドバイアウト)
買収しようとしている企業のキャッシュフローや資産を担保に、必要な資金を金融機関などから調達し、株式を買い付ける手法のこと。関連記事:ライブドア、フジ買収をLBOで
グリーン・メール
グリーンメールとは会社の発行済み株式総数の5%超の株式を買占め、その取得した株式を「プレミアムをつけて買い取らないと会社を買収する」と脅し、その会社に高値での引き取りを迫ること。ブラック・メール(恐喝)にひっかけた語。

「経営財務入門」(日本経済新聞社)を参考にしました。
(3/17クラウンジュエルの解説を現在の用例を参考に修正)
(3/18LBO追加、日経2005/3/18朝刊より参考)
(4/20グリーンメール追加)

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フジとニッポン放送がなぜねじれたか?

フジとニッポン放送の資本関係が「なぜねじれたか」についてまとまっているサイトがありました。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050226/mng_____tokuho__000.shtml

  • フジは創業者の影響を薄めたかった
  • だから上場して、「お前のものはみんなのもの」にした
  • 「みんなのもの」にしたら今度は「ホリエモンのもの」になりそうになっちゃった
  • 今度は新株予約権を使って市場を無視してフジのものにしようとしている

ということで、「事業のための資金調達」として資本市場を使わずに、株主選択の手段として資本市場を使おうとしていた。コレまでもコレからも。

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再生機構と投資ファンドの違い

日経3/6朝刊3面より。

再生機構はダイエーの株式約33%を保有するが、法律で3年以内に売却することが定められている。また23%を出資する計画のアドバンテッジは投資ファンドなのでいずれ株式を売却して利益を確定する必要がある。「ダイエーについてはまだ分からないが、投資期間は原則として3年から5年の間」(幹部)という。

ということで、「ある程度期間を縛って」「企業価値を高め」「転売する」という点では、再生機構とファンドって大して違わないようにに見えます。

転売目的と言っても企業価値を高めた上での転売であれば、それは一つの社会貢献です。

逆に企業価値を破壊するだけの企業へ投資して、株式を「塩漬け」にしてしまうのは、「他にもっと有効に資産を使ったであろう企業に投資しなかった」という点で、社会に対する機会損失です。

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宅ふぁいる便売上一億円目指す

宅ふぁいる便が広告ビジネスを開始するようです(日経3/6朝刊7面)。

国内最大級の月30万人の利用者向けに企業広告の配信や調査事業を展開。5年後に1億円の売上を目指す。

計画でしかないですが、「月30万人」「売上1億」は参考になる数字です。

宅ふぁいる便の仕組み自体は非常にシンプルで会員登録も要らず、入るのに敷居が低いです。しかも送る側が宅ふぁいる便を知っていれば、送られる側は「知人に宅ふぁいる便の存在を知らせてもらえる」という、いい意味でのマルチレベルマーケティングです。

ファイル共有という点では、違法ファイルの公開などが懸念されますが、宅ふぁいる便の仕組みは、受信も送信もメールアドレスで特定していますので、公開ではなく通信の範囲内に収まっているのも、バランスがいいです。

これだけバランスがとれたいい仕組みなのに、5年後1億はちょっと少ないなぁって気がしちゃいます。

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バーチャルマネーは子どもに理解できるか?

5歳の娘と3歳の娘の両方に「たまごっち」を買い与えています。

たまごっちの中では「お金」の概念があります。お金を使って行商からモノを買ったり、本物のおもちゃ売り場に設置されている「でかたまごっち」と通信して買い物をすることが出来ます。

5際の娘はまだ本物のお買い物さえまともにやってないのですが、たまごっちの中の買い物は出来るようになってしまいました。やたらと「これ高い?安い?」ということを聞いてきます。一応「高いものは少ししか変えない」「安いものはたくさん買える」ということは理解できているようです。

3歳の方は全然たまごっちを遊びこなせていません。そこで5歳は、3歳のたまごっちを通信対戦をし(自分ひとりで)、3歳のたまごっちからお金を「吸い上げる」ということをしていました。母親が「なんでこっちのたまごっちお金たまらないんだろうねぇ」というと、しらをきったことから「悪である」という認識はあるようです。

バーチャルマネーであっても、そこに価値を発見することができ、「ずるをしてでも確保しよう」という発想は自然と出てくるもんですねぇ。バーチャルであっても叱られるのはリアルだったので、まぁまぁションボリはしていました。

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ウィンブルドン現象と対日投資

ウィンブルドン現象という言葉があります。これは、テニスのウィンブルドン選手権から来ています。イギリスの金融界を海外にも市場開放したら、外資(イギリスから見て)ばっかりになっちゃったことに対する軽い皮肉です。

日本でいえば「モンゴル大相撲現象」になるんでしょうか。

しかしながら、ウィンブルドン現象という皮肉がありながらも、英国経済全体の復興を図って外資に開放したイギリスはエライです。日本では外資というだけですぐに「ハゲタカ」扱いですけどね。食ってくれるだけありがたいと思わなくちゃいけないのに。

数年前の日経で「Jリーグ効果」という造語がウィンブルドン現象と対になって紹介されていました。Jリーグは最初の頃は金にものを言わせて、ものすごく有名な攻撃陣を外国から連れてきたと。得点ランキングなんてみんな外人。寂しいといえば寂しいけど、緩いルールだとそうなっちゃった。でもそうこうしているうちに、Jリーグのディフェンスって常に「世界トップクラスの攻撃陣」と競り合っていることになる。おかげでディフェンスはトップクラスになった。しばらくして、経営から「やっぱりあんまりお金あげれんわ」ということになって、有名な外国人フォワードが居なくなったら、今度は日本のフォワードは世界トップクラスのディフェンスを相手にできるので、これはこれでよくなった。

オープンでフェアな競争が自分達も成長させるというエエ話です。

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株式会社って誰のもの?(TB返し)

株式会社って誰のもの?
改めて株式会社の定義が確認されています。その通り。

とはいえまだまだ「株式会社は株主のもの」「株式の公開は保有の公開」ということはまだまだ理解されていません。こんなこと言っている私も2002年に「経済ってそういうことだったのか会議」ではじめて知ったくらいです。

従業員が「わが社」と思うことは、大きな勘違いではあるのですが、忠誠心が増すことでモチベーションが高くなるというメリットは確かにあります。「Japan As No.1」の時代ではこの勘違いさえも「強み」として映ったでしょう(たぶん)。

ただ、株主資本までもが「自分のもの」として捉えられると困ります。「自己資本」という呼称から「株主資本」に言い換えが進んでいるのも、その戒めだと思います。

「自己資本」を経営サイドのお金として捉えてしまうと、資本を食いつぶすことに罪悪感がなくなっちゃいます。PBRが1を下回っていても、「自分達の金をどう使おうと勝手だ」と開き直ってしまう。自分の金じゃないんです。上場している株式会社の資本は「資本市場から一時的に預かっているお金」なのです。それが借金だろうと、株式だろうと関係はない。「一時的に」というのがポイントです。「どんどん増やます」なら続ける意味があるけど、増やせないのなら資本市場に返した方がいい。

一番困るのは、勘違いをしている人には悪意がないという点です。自分達が株主になった経験がなかったり、株主と直接会話をしていないからでしょう。株主資本を株主のお金として認識している人でさえも、単なる「金利の要らない借金」「返済しなくていい借金」として捉えている人もいます。このフレームワークで考えると、経営者は異常なまでに株主資本比率を上げようとします。実際にフジテレビもニッポン放送もエラク高い株主資本比率です(フジ80%、ニッポン放送70%)。あまりに高い株主資本比率は株主への還元を軽視しているのではないかと見られても仕方がないでしょう。でも経営者も従業員も「借金が少ない会社は良い会社」くらいにしか思わない。彼らは本気です。さぁ困った。

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ニッポン放送時価総額

ニッポン放送の時価総額と資産の時価総額が3/3日経朝刊11面に載っていました。

2004年1月時点


  • ニッポン放送時価総額・・・・・1400億円

  • ニッポン放送が保有するフジテレビ株の時価総額・・・・・1700億円

とひどい状況です。スターンスチュワートが言うところの「価値破壊企業」ということになります。

これに関連して19面の大機小機でも似た話題がありました。

東証一部の中で株価が一株あたり純資産を下回っている企業が数百社あるという。経営者が資源を有効に使っていないわけだが、それが放置されたままなのである。このような状況が経営者のモラルハザードを引き起こしている。

さらに関連して、ニッポン放送の従業員が株主選定に口を出しているようです。
<ニッポン放送>ライブドアの経営参画反対、社員が声明

ニッポン放送の経営権をめぐるフジテレビとライブドアの争奪戦に関し、ニッポン放送は3日、「社員一同」との署名で「フジサンケイグループに残るという現経営陣の意思に賛同し、ライブドアの経営参画に反対する」との異例の声明を発表した。

やっぱり未だに「わが社」って言うんでしょうか。株主に対しては「Your Campany」といわなくちゃいけない。

こんな声明を上場企業が堂々と出せてしまうということに驚きです。

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ラジオとインターネット

どうやら堀江社長はニッポン放送だけではなくフジテレビそのものも欲しいようですね。ラジオだけで利益確定しようとしていた私の予想ははずれました。

フジテレビを買う手段としては、「意味もなく上場している時価総額の小さな親会社」から買収するというのは極めて合理的ですね。これが買われないという状況は、今の経営陣では企業価値を上げれないと市場がみなしていたからでしょう。

ラジオ放送局の買収ということで、「公共性」を盾に間接的な外資の参入規制で、じたばたしようという動きもあるようですね。ライブドアに投資をしているのがリーマンブラザーズだからどうだとかって。

そこで気になるのが、「ラジオの公共性」です。確かにラジオそのものが登場した頃は、限られた人しか発言が出来なかったから、その公共性は重要でした。が、今はどうなんでしょう。これだけインターネットが普及した今、ラジオって投資家まで選別しなければならないほどのものなんでしょうか。

いまやインターネット広告の市場規模はラジオを抜いています。
インターネット広告費が前年比153%の1814億円--ついにラジオ広告を上回る
情報媒体としては、インターネットも十分公共性があります。でも、インターネットに外資規制なんてない。資本の規制もなければ、日本人がアメリカのサイトを見ることさえ自由。公共性がありながらも、規制は対して存在しない。日本国民(消費者のほう)にとっては、通信放送の規制は大してメリットがないのではないでしょうか。効果があるとすれば、単なる「参入規制」にしかなってない。

以上、日経3/2朝刊「大機小機」の受け売りでした。

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企業買収を問う

日経3/2朝刊11面「企業買収を問う~ニッポン放送株攻防戦」より、日本電産社長永守重信氏インタビューがありました。いいこと言ってます。

ライブドアの手法について。

ライブドアは資本の論理を表に出しすぎた。間違いではないが残念ながら日本では資本の論理を一番に出せば藩閥が出る。例えば瀕死の会社に資金という薬を差し出しても、患者はこっちをにらみつけて『何しにきた』と言う。『病気を治しに来ました』と話しても『お願いします』と言ってもらえない。

ニッポン放送の対応について。

40%の株主なんだから、ニッポン放送も一度くらい話をすればいい。(中略)600億、700億円出して株を買ってくれた人に、ほとんど株を持たない経営者がああ言うのは少しおかしい。

堀江社長に対して。

彼を悪者扱いしてはいけない。やり方はほかにもあったかもしれないが、彼が悪でニッポン放送が善だと言い出したら日本市場はおしまいだ。

TOBへの防御策に関して。

買う側にも買われる側にもフェアな策が大事だが、買われる側のことばかり考えている。(中略)攻める側にも攻められる側にもフェアであること。これが一番だ。

「600億、700億円出して株を買ってくれた人に、ほとんど株を持たない経営者がああ言うのは少しおかしい。」のくだりは秀逸。

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外国株を使う合併にイチャモン

日経3/1一面より、外国企業が日本企業を買収するのに株式交換の手法が使えるようになるという話。

時価総額の大きな外国企業は自社株でM&A(企業の合併・買収)ができるようになる利点がある反面、自民党や産業界からは「外国企業の日本買いを促進するだけだ」との批判が続出。

???。ムカムカ!

誰かが買うということは誰かが売ったということなんです。企業の買収って、既存株主と新規株主の間での「交換」であって、そこに無理強いはないのです。外国企業の日本買いが進むということは、既存株主の日本売りが進んでいるというだけのことです。簡単に買われるということは「自分達が叩き売られている」ということです。既存株主が簡単に売り渡してしまうということは、株主としての満足度が低いからなんです。

経営者は株主に変わって欲しくないのであれば、既存株主を満足させて「保有するだけの価値」をアピールしなくてはいけません。配当でも再投資でも自社株買いでもいいです。企業価値を上げる手段は限られていてシンプルです。

ただ、放送局に関しては、外資比率の規制があるので、迂闊に自社株買いが出来ないという制限もあります。今回のフジテレビはこの点でちょっと気の毒。国内株主から自社株買いをすると、相対的に外資の比率が高まってしまって、外資比率の規制に引っかかります。外資を追い出しているつもりが、国内投資家の満足度を下げる結果になってしまってる。

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医薬品の説明1/3が受けず

日経3/1朝刊42面より。

薬局、薬店での薬剤師から消費者への説明の有無。


  • 必ず説明がある・・・・14%

  • 時々説明がある・・・・・49%

  • 説明を受けたことはほとんどない、または全くない・・・・・・36%


上記は、厚生労働省が行なった消費者へのアンケートの結果です。一方販売店側は「必ず説明する」が41%です。そりゃ構成労働省に聞かれたら「説明してます」って言うわなぁ。逆に6割が「ルーズです」って言ってるのが正直すぎ。

コンビニで医薬品を置くときには、薬局サイドが「薬剤師の説明ナシに売るのはケシカラーン」と怒ってたのですが、実際には薬局もひどいもんです。感覚的には分かっていましたが、厚生労働省がちゃんと調査したのがエライ。

薬局の規制は、消費者の安全性向上には寄与しておらず、参入障壁としてのみ機能しているということがわかります。

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