【技術者のための財務会計】Yahoo!のざっくりバランスシートを見る
次はホンモノのバランスシートを見てみましょう。といって、今度もざっくりのバランスシートです。
もう一度、Yahoo!のざっくり財務諸表を見ます。
| 単独決算推移 | |||
| 前期 | 2期前 | 3期前 | |
| 決算年月日 | 2005年3月期 | 2004年3月期 | 2003年3月期 |
| (決算発表日) | 2005年4月20日 | 2004年4月21日 | 2003年4月25日 |
| 決算月数 | 12か月 | 12か月 | 12か月 |
| 売上高 | 107,407百万円 | 70,308百万円 | 55,366百万円 |
| 営業利益 | 60,318百万円 | 40,939百万円 | 24,625百万円 |
| 経常利益 | 60,922百万円 | 41,104百万円 | 24,128百万円 |
| 当期利益 | 37,157百万円 | 24,322百万円 | 12,496百万円 |
| 1株当り当期利益 | 4,849.47円 | 12,629.69円 | 25,990.20円 |
| 調整1株当り利益 | 4,833.79円 | 12,588.85円 | 25,951.04円 |
| 1株当り配当 | 484.00円 | 0.00円 | 0.00円 |
| 配当区分 | |||
| 1株当り株主資本 | 12,804.29円 | 31,714.32円 | 65,935.39円 |
| 発行済み株式総数 | 7,549千株 | 1,886千株 | 471千株 |
| 総資産 | 126,210百万円 | 80,905百万円 | 47,837百万円 |
| 株主資本 | 96,830百万円 | 59,940百万円 | 31,120百万円 |
| 資本金 | 6,692百万円 | 6,399百万円 | 6,073百万円 |
| 有利子負債 | --- | --- | --- |
| 繰越損益 | 80,348百万円 | 46,984百万円 | 22,781百万円 |
| 株主資本比率 | 76.70% | 74.10% | 65.10% |
| 含み損益 | --- | --- | --- |
| ROA | 35.88% | 37.78% | 32.54% |
| ROE | 47.40% | 53.42% | 48.43% |
| 総資産経常利益率 | 58.83% | 63.85% | 62.84% |
総資産から繰り越し損益くらいまでが着目ポイントです。
まず、総資産を見ます。最新で1260億円ほどの資産があります。資産の内訳はここでは、あんまり気にしません。まずはそれくらいの資産があるということは裏を返せば、全く同額の「調達」を行っているということです。調達のうち、負債がどれくらいかということは書かれていませんが、株主資本は書かれています。バランスシートに直すと、次のように表されます。
| 資産 | 負債 | |
| 294億 | ||
| 1262億 | 株主資本 | |
| 968億 | ||
単純な引き算ですが、あのざっくり財務諸表からこういうバランスシートがイメージされます。なによりもまずは、資産の大きさを体感します。同額がバランスシートの右側で「調達」されているということが分かり、それが負債と株主資本によって調達されているということがわかります。そしてYahoo!は主に株主資本によって調達しています。
負債がこれくらい小さいということは、利子のつく借金をしているわけではなく、未払い金がこれくらいあるということでしょう。企業の全体の調達から考えれば、常に買掛金は存在します。「無借金経営」であってもバランスシート上の負債は存在します。
話は戻って、「総資産=調達総額」ということです。1260億円の資金調達を行っているということは、それ相応の金利がかかります。中には未払い金のような金利のつかない都合の良い負債もありますが、まるっと見れば、「翌年には何らかの金利をつけて払わなくちゃいけない」額です。なので、同じビジネスをするのなら、資産は小さいほうがいいのです。ハイここ大事。同じビジネスをするなら資産は小さいほうがいい。
ビジネス系の本を読んでいると「バランスシート経営」とか「バランスシートをスリムに」とか「バランスシートを圧縮」ということを見かけると思います。これは、同じビジネスをするなら資産は小さいほうがいいということです。
バブル経済までは、日本の会社というのは総資産が大きいほうがエライという雰囲気がありました。大きいことはいいことだと。たくさんの土地を持つのがエライ。「資産家」という言葉がいい言葉であるように、バランスシートが大きいほうがエライみたいな雰囲気がありました。
ところが、90年代バブルがはじけてから、どうも資産というのは単なる「元手」でしかないということが分かり、同じリターンなら少ない元手で得た奴のほうが正解だということにやっと気づきはじめたのです。まだ気づいていない経営者も多いですけどね。
補足になりますが、Yahoo!のざっくり財務諸表で、青色で塗りつぶした「繰越損益」というのがあります。Yahoo!は株主資本がやたらと多いですが、それは株券を発行して調達したのではなく、利益を繰り越してここまで株主資本を増やしたんですよということです。
ここまで株主資本の中で繰越損益のシェアが大きいと、「資本金」って実はあんまり意味がないんですよね。企業の詳細情報でよく「資本金」って出てきますが、「むかーしコレくらいの株券を発行しましたよ」ということであって、今の企業の規模を表すのにはほとんど役には立ちません。
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