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国内電子書籍売上2倍

日経9/27朝刊35面より。国内の電子書籍の売上高について。

  • 2005年度は約94億円
  • 前年度に比べて二倍強
  • ほぼ半分の46億円が携帯電話

市場全体が100億円に満たないので、ここで大もうけはできませんが、ケータイを中心に着実に市場は拡大しているので、将来性はありそうです。

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製薬大手、自社株買い相次ぐ

日経9/27朝刊17面より、国内の製薬大手が、積極的な自社株買いに乗り出しているという記事。

  • 武田
    • 5月から9月までの間
    • 発行済み株式の2.4%にあたる株式
    • 取得額は1565億円
    • 連結純利益の49%に上る額
  • エーザイ
    • 111億円を投じて200万株を取得
  • アステラス
    • 8-9月の間
    • 発行済み株式の2.7%にあたる株式
    • 約1500万株
    • 取得額は約700億円

利益は、株主資本として「元手」として積み立てられます。しかしながら、それが単なる現金でありつづけるばあいには、利益には全く貢献しませんから、「元手が多くて利息が変わらない状態」になります。株主資本(利益の剰余を含む)と、利益の比率を、ROE(リターンオンエクイティ)と言いますが、株主資本がムダに多いとROEも低くなります。

武田薬品の場合は、株主資本も多ければ現金も多く、2003年のROEが18%だったのが、2006年には14%と低下しています。このペースで現金を積み上げてもROEが低くなるだけと推測されます。「2011年3月期まではROE14%維持を目標に自社株買いを続ける」とのこと。

自社株買いをすると、流通する株式の数は減りますから、一株あたりの利益は増えます。そのまま持ち続けている株主にとっては、「分け前が増える」ことになり、価値が上がります。自社株買いに応じる株主は、ちょっと高めで株が売れるのでやっぱり嬉しいです。

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ハイブリッドを突き詰めるトヨタ

日経9/25朝刊1面より、環境対応自動車の記事。

トヨタはガソリンエンジンと電動モーターを併用して走るハイブリッド車で、家庭用の電源から充電できる「プラグインハイブリッド車」の開発を進める。電気モーターによる走行比率を現在より高めて、燃費効率を現行車より2倍程度に向上させる。

ハイブリッド車は「つなぎの技術」という見方もあるかも知れませんが、電気で走っているときには電気自動車なわけで、充電もできるとなるといよいよ電気自動車に近づきます

トヨタは先行するハイブリッド技術を軸にすえる。燃料電池車や低排ガスのディーゼルエンジン、エタノール燃料対応車も実用かも進めているが、ハイブリッドは「あらゆる車の動力と組み合わせられる」(渡辺捷昭社長)。燃料電池車やエタノール車を含めた環境対応車すべてにハイブリッド技術を転用し量産効果を出す戦略だ。

ハイブリッドで出遅れたメーカーは、エタノールなどで巻き返しに測るつもりかも知れませんが、エタノールでもハイブリッドにより少ない消費で済むに越したことはないので、やっぱりハイブリッドは将来も重要なポジションになりそうです。

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ヤフー動画、GyaOを抜く

日経9/26朝刊11面(企業総合)より、Yahoo!動画がUSENのGyaOを利用者数で抜いたという記事。ネットレイティングスの8月の家庭からの推定利用者数より。

2006年8月の動画サイトの利用者数(万人)

YouTube 731
Yahoo!動画 396
Gyao 392
BIGLOBEストリーム 176
MSNビデオ 135

ニュースとしては、「先駆者のGyaOがあっさり追いつかれてるよ」というサプライズなのでしょうが、意外にYahoo!動画もGyaOも多いです。

ちなみに、第二日本テレビの8月の利用者数は89万人ということで、他の動画サイトに比べて遜色ないレベルの利用者数になりました。どの動画サイトも伸びてはいるので、しばらくはシェア争いよりも、利用者数の伸びを主要な指標として見ていったほうがよさそうです。

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実は衰退していた国内ゲーム市場

日経9/24社説「ゲーム産業は新成長戦略を」より。

国内の家庭用ゲームソフト市場の規模は97年から2005年までの間にほぼ半減した。01年時点で世界最大のゲーム市場だった日本はすでに急成長する欧州、北米に追い抜かれている。しかも日本からこれら海外市場へのゲーム出荷額はここ数年、横ばいにとどまる。北米のヒット作ランキングではかつて日本製ゲームが上位を半ば独占していたが現在は一部を占めるにすぎない。

市場が半減というのがすごい。一見すると華やかで「時代の先端」を言っているようですが、先端=マニアのあとの裾野を広げることができなかった。

最近になってやっと任天堂がDSでゲームの非ユーザまで裾野を広げることができました。これはちょっと希望が持てる。

社説ではオンラインゲームでの遅れを指摘していますが、本当の競合はゲームの中じゃなくて、別の時間つぶしじゃないかと思います。ケータイやmixiでこれだけ時間がつぶせてしまっているのだから、わざわざ一人でゲームをしなくてもいい。

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バージングループ、バイオ燃料に30億ドル投資

日経9/23朝刊9面(国際)より。

  • 英バージングループが、輸送事業の今後十年間の利益を全てバイオ燃料の開発に投じる
  • 総額は30億ドルに上る見込み
  • エタノールなどが有力候補とみられる

慈善団体の総会での発表なので、どの程度収益を見込んでいるかは分かりません。

バイオ燃料は将来有力ではあるのですが、最近のバイオ燃料ブームでやや過剰に資本が入ってきており、価格上昇という副作用を生みます。単なるサトウキビ畑の買占めに終わらないことを祈ります。

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メタノール燃料電池、電動車いすに搭載

日経9/21朝刊11面(企業総合)より、スズキがメタノールを燃料とする燃料電池を使った、電動車いすを開発したというニュース。

  • 2009年に国内で商品化
  • 2007年から病院などで実証実験
  • 燃料4リットルで40km以上走行できる
  • 現在の鉛蓄電池方式では20km以上走行するのに8時間の充電が必要
  • ダイレクトメタノール方式によりメタノールを直接電極に反応させるため、水素式に比べて燃料電池が小型化できる

乗用車にもこの技術は応用するようです。

鉛蓄電池に比べると充電という作業時間がなくなるのは確かにメリットです。ただし鉛蓄電池以外では電池の進歩も大きく充電時間も短くなってきてはいます。

最近ガソリンが高くなったので、ガソリン代替エネルギーへの注目度が高まっては居ますが、実はガソリンはさほど高くは無い。日本ではかなりの部分が税金です。税金を引いた部分で、ガソリンよりも安い燃料を実現しようとするならば、リッター70円を下回るくらいの代替燃料でないと「ガソリンより安い」とは言えない。

仮に、ガソリンを必要としないくらい安い代替燃料が出てきたならば、ガソリンの需要は減りますから、ガソリンはもっと安くなってしまう。

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ペトロブラス

日経9/15朝刊1面より、ブラジルの国有石油会社「ペトロブラス」が日本の製油会社を買収するという記事。

ペトロブラス
1953年設立のブラジル国営石油会社。2005年の原油処理能力は日産175万バレル。深海油田の生産開始で今年中に国内の生産量が消費量を上回る見込み。米国で製油所を買収するなど輸出の拡大を進めている。じこくだけでなく中東やアフリカなどでも資源開発を推進、バイオエタノールの生産販売も手掛ける。2005年の純利益は過去最高の108億ドル(約1兆2700億円)だった。

ということで、かなりの規模です。純利益の額を見れば、日本のトヨタ自動車と同じくらいです。

原油生産量の表(2005年)が日経9/15朝刊11面にあったのでメモ。

社名(本社) 一日あたり生産量
[万バレル]
エクソンモービル(米国) 202
BP(英国) 251
ロイヤル・ダッチ・シェル(英国・オランダ) 208
ペトロブラス(ブラジル) 175
シェブロン(米国) 166
トタル(フランス) 162
コノコフィリップス(米国) 112
国際石油開発帝石ホールディングス(日本) 22

並み居るメジャーの中でのペトロブラスの存在が光ります。

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DVD宅配レンタルの売れ具合

日経9/15朝刊9面(企業総合)に、「ツタヤディスカス」の記事がありました。実際どれくらい使われているのか?

会員一人当たりの月間利用枚数は平均6枚。1974円コースの利用上限である8枚に達しない。それでも、返却できずに一日200-300円の延滞料金を払う不安を取り除いたことが満足度を高めた。

単純に一枚あたりのコストで言えば、宅配DVDレンタルは割安ではありませんが、通常のレンタルビデオにある、「期限内に視聴して返さねばならないプレッシャー」はありません。通常のレンタルビデオでは、延滞料金に上限はありませんが、宅配DVDでは上限は決っています(下限も決っていますが)。この心の平穏はお金を払うに値します。

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電子マネーとしてのETC

日経9/15朝刊11面(企業総合)より、ETCが電子マネーとしても使えそうという記事。

今春からETCの民間利用が開放されているので、やろうと思えばできます。

そこで普及率のデータ

  • 高速道路を走る車の6割はETC
  • ETC車の国内累計は1300万台
  • 5-6台に一台が装備している換算
  • エディは2000万枚、スイカは1700万枚

ということで、エディやスイカに比べても遜色ないレベルに普及しています。

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赤字地方債、解禁を検討

日経9/13朝刊1面より、赤字地方債の解禁が検討されているとのこと。
NIKKEI NET:経済 ニュース

これまでは、地方債というのは、道路とか学校などの社会資本を作るための投資財源としてのみ発行できるルールでしたが、赤字を補填するための資金繰りにも使えるようにするとのことです。

どうやって赤字から再生するかは、それなりの説明責任が必要です。そのため、地方公社や第三セクターを含めた連結の債務負担割合などが返済余力を指標として採用するようです。

気になったのは次のコメント

赤字地方債の発行は借金を助長することにつながりかねないとの批判もあるが、逆に発行を認めないと、不正な経理処理を招きかねないほか、無理な歳出カットで地方経済が悪化する懸念がある。研究会では、行政のスリム化などを条件に認める案が浮上している。

赤字地方債の発行が借金を助長するとはのんきなコメントです。一旦自由化されて、市場が返済余力を判断するようになれば、「その場しのぎの借金」はむしろできなくなります。どの程度「やばい自治体か」をジャッジする目にさらされて見れば、そうやすやすと借金なんてできないことが分かるんじゃないでしょうか。

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アコムで返済シミュレーションをしてみた

アコムの返済期間シミュレーションを使ってみました。年率27.375%で、125万借りて、20万ずつ返すというシミュレーションです。

7回で返済が終わります。半年ちょっとだと、年率27.375%でも利息の額は実はたいしたことがない。消費者金融としては踏み倒されるリスクはありながらも、こんなものです。年率としてみればグレーゾーンは高いように見えますが、短いスパンで見れば、当然ですが安い。そしてこれ以上安くしなければ売ってはならないという風に「国が価格を固定化」すると、おそらく売る人は居なくなるでしょう。

単位:円
回数 返済額 元金 利息 残高
1 200,000 171,875 28,125 1,078,125
2 200,000 175,743 24,257 902,382
3 200,000 179,697 20,303 722,685
4 200,000 183,740 16,260 538,945
5 200,000 187,874 12,126 351,071
6 200,000 192,101 7,899 158,970
7 162,546 158,970 3,576 0
累計 1,362,546 1,250,000 112,546

「半年で返済できるやつなんて居ないよ」というのであれば、それでもいいのですが、小さな企業の資金繰りでは、「売り掛けはあるけど現金は無い」という状態はざらでしょう。短期的な資金需要には存在するんじゃないでしょうか。

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防犯カメラ100台の効果

【尾張】大型書店が監視カメラ100台 8月は万引きゼロにより。

効果絶大とのことです。

万引きの被害は盗まれたものの被害だけにはとどまりません。防犯カメラはなくても、なんらかの形では取り締まりますから、やっぱりコストは発生しています。さらに、犯人を拘束する差には店舗従業員の身の危険があります。犯人捕まえた後の拘束時間にも、従業員のマンパワーが割かれます。

ということで効率よく捕まえる事よりも、最初から犯罪目的の人間を排除できたほうが合理的です。100台で500万とのことですから1台あたり5万円。これくらいが相場でしょう。そんなに高くはないと思います。

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国会議員は国の議員

日経9/8朝刊2面(総合・政治)より、日本経済新聞社が自民党の各都道府県連に調査した結果の記事。

総裁選に優先的に取り組んで欲しい政策課題について

  • 地方の景気対策を含めた地域格差の是正・・・65%
  • 財政再建・・・14%
  • 教育・・・・・・・14%
  • 外交・・・・・・・5%

と、結局、国単位のことは考えんでいいという要求です。

参院選の候補者選定などを党本部主導で進めていることに「地方主導で決めるべきだ」(山梨)、「地方に根ざした候補を選ぶべきだ」(千葉)と否定的な声が相次いだ。

国会議員の候補者は、内閣の候補者でもあります。それが党本部主導で決めることはなんらおかしくない。国会議員は国の代表であり、県の代表ではない。国会議員は、国をどう成長させるかを考える人であり、国の中で補助金を奪いあう人ではない。

とはいえ、根拠は無くても「格差是正」というワードは一般には聞こえはいい。これは、統計的な満足度の向上ではなく、公平性というものが価値としてクローズアップされるからです。

A.金持ちは100倍金持ちになる、貧乏人は10倍金持ちになる
B.金持ちも貧乏人も10倍金持ちになる

AとBを比較した場合、感覚的にはBの方がよい国に見えてしまうのです。でも、そんなのは実際には難しいし、統計的にはAの方がよい国です。税収もAの方がだんぜん上。だけどAは「格差社会」と批判を浴びる。

とまぁ、今の地方と国の関係では、地方はどうしても局所的に考えてしまい、統計的な発想はできないでしょうから、さっさと道州制を導入して、「分配か成長か」を道州の単位で悩みぬくのはいいでしょう。

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会社は誰のものかという議論の前に・・・

日経9/9朝刊11面(企業総合)製紙攻防、敵対的TOB 私の見方、より、一橋大学大学院助教授、服部暢道(のぶみち)氏インタビュー。

論旨としては、北越・三菱商事・日本製紙の防衛がフェアではないことを指摘しています。

うまいこと言ってるのが次のくだり。

『会社は誰のものか』という議論の前に、発行済み株式は株主のものであることを認識すべきだ。

王子が北越株を市場価格より高く買い付けると宣言したのに、持ち主ではない北越経営陣が阻止すれば財産権の侵害になりかねない。

株式は株主のものという当たり前のことがなかなか理解されない風潮が残念なところです。

株式会社は所有の権利を株式という形で「分け合う」システムです。株のことをシェアって言うし。だから誰のものかは「どう分け合うか」で決まる。どう分け合うかは、バランスシートの右側をどうするかってところの「経営判断」に尽きます。

株式で言えば、上場してもしなくてもいい。そもそも株式の発行を抑えて、「少数が保有する」会社にしてもいい。株式の発行を抑える代わりに、会社の中の資産を担保に借金してもいい。従業員にも元手を出してもらう方法もあって、社員持ち株制度や、社内預金制度を使う方法もある。

一旦株式を上場してしまっても、「やっぱりわけの分からん人に株主になってもらうのはヤダ」と思えば、自社株を市場で買い付ければいい。MBOして上場を廃止してもいい。

こんだけの自由があるのに、無意味な増資による「株主へのいやがらせ」という形での防衛しか取れないのは、分け合おうとしたいんだかどうだかがまるで分からない。

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東大の格付けは過剰だと思う

さすが?東大、「企業」格付け最上級の「AAA」 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)より。

東大が財務格付けをしましたと。その結果AAAという最高の格付けになりました。

日経9/9朝刊42面にはその背景を次のように挙げています。

  • 総資産は一等地の土地など1兆3000億円
  • 借入金は750億円
  • 自己資本比率は82%

財務格付けというのは、「借金の返済能力」を示すもので、大量に資産があって借金が少なければ格付けは高くなります。

しかしこれで「東大すばらしい」と喜ぶのはちょっと早い。

企業の財務格付けでも同じことが言えるのですが、あまりに高い格付けは「遊んでいる金が多い」という見方ができます。大学の場合は、「そこまで金持ちならなんで交付金が必要なの?」ということです。わざわざ高い一等地に広い土地を保有させるために、交付金を出しているとしたら無駄が多い。

効率という面から行けば、より少ない元手でより多くの価値を生み出したほうが、「社会的に効率的」です。価値を増すのに貢献していない元手は極力少ないほうがいい。株式会社であろうと無かろうと、どっかの誰かのお金が「元手」になっているのであれば、効率にも目を向けたほうがいい。

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SCEの最先端戦略

PS3続報:久多良木氏,「出荷遅れの経緯」「Cellの現状」など - nikkeibp.jp - 注目のニュースより。

また、PS3の出荷が延期されました。今回の原因はブルーレイディスクの青色レーザの製造ラインが間に合わないようです。

PS3の出荷延期は以前にもあって、それはディスクの複製防止機能を付け加えるためとのこと。

後になってみないと分からないことですが、この二つの出荷延期の原因となっている「最先端技術」は本当にユーザが待ち望んでいることなのか?という気はします。ユーザにとっては、ブルーレイであろうとなかろうと面白いゲームが出来れば満足なわけです。

たまごっちにしてもDSにしても、これといった最先端技術はありませんが、十分な支持をあつめている。

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行動経済学 経済は「感情」で動いている

読みました。経済学は人間が合理的であることを前提に理論が組み立てられているけど、実際にはそうではない現象がいっぱいある。

心理学に近い「ゲーム理論」も確かに経済学には取り入れられてはいるものの、ゲーム理論もプレーヤーは「合理的」な判断をすることを前提としている。

個人的に初耳だったのが「保有効果」。

保有効果の実験として次のようなことをする。

  • マグカップを用意する
  • 同じ値段のチョコバーを用意する
  • グループAにはマグカップを配る
  • グループBにはチョコバーを配る
  • どちらのグループにも、「今からチョコバー(マグカップ)に交換していいよ」と言う
  • グループCは最初から「マグカップとチョコバーどっちがいい?」と聞く

結果は、AもBも交換に応じたのは、1割。グループCはちょうど半分に分かれる。

つまり同じ価値のものであっても「今、持っているものの方が価値がある」という判断をしてしまうということ。だから、土地の立ち退きなんかは、その土地の価値プラス引越しにかかる費用を「合理的に」算出しても、なかなか交換には応じてくれない。

既得権益を持った業者も、見切りをつけて新しい業態に転換したほうが合理的であっても、なかなかジリ貧の業界から離れようとはしない。

まだ日本では会社は売り買いするものという意識が薄いから、「会社が買収にあう」というと何か侵略戦争でも仕掛けられた印象を受けてしまうかも知れないけど、実際に起こっているのは、株と現金の交換だったり、株と株の交換だったりする。旧株主と新株主が互いに満足する形で、「同じ価値のものが交換」されているだけなのだから、実は何も減ってはいない。

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「ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する」

タイトルがよすぎて胡散臭いかなぁと思っていたら、内容は割りと地に足が着いた戦略論。

今までの企業戦略論は「戦略」というように戦争をベースにしている。限られたパイを奪いあって、どっちかが勝つとどっちかは負けという具合になる。

しかしながら今までの歴史を見れば、そんな競り合いが通用するのは古い産業に限られて、ブレイクスルーのタイミングでは全くの「新産業」が生まれている。差別化ってレベルじゃなくて新産業。

どっかの企業から顧客を奪いことなく、市場そのものが創造されるってのがブルーオーシャン。

たしかに、過去にはそんなものはあったけど、それは一部の天才のひらめきに拠るんじゃないの?って思って読みすすめると、意外にきちんとしたフレームワークになっている。

戦略キャンバスというのを作る。そのサービスやプロダクトの強みだったり機能を並べたもので、「どこにパワーを割いているか」ということを図示する。例えば品質とか価格とかって要素のことです。

そして戦略キャンバスに対して次の4つのアクションをとる。

1.取り除くべき要素を見つける
2.思い切り減らす要素を見つける
3.大胆に増やす要素を見つける
4.付け加えるべき要素を見つける

これは順番がとても大切。まず取り除くところから始まるのです。資源は有限なので、所詮は配分を決めることしかできません。どの要素も絶対評価では大事なんだろうけど、全部を高めることは結局のところコスト高になって、ユーザに高価格でぼやけた価値しか提供できない。

ブルーオーシャン戦略はすばらしいと。でもブルーオーシャンを見つけてもすぐに真似をされるんじゃないか?って心配も頭をもたげます。でもこの本では割とそこは心配していません。なぜなら4つのアクションのうち「取り除く」や「大胆に減らす」というのは自社の否定にもつながるので、既存企業はなかなか踏み出せない。いくらQBハウスが流行ったからといって、店長がある日突然「お前らもシャンプーも顔剃りもしなくていいから」って理容師に通達すれば、大幅なモラルダウンを招くことは間違いありません。

またブルーオーシャンは既存サービスの提供者から見れば「おもちゃ」にしか見えないので小ばかにされます。インターネットがそうです。効率は悪いし匿名性が高すぎて課金はできないしで、それまでのパソ通に比べて圧倒的に「機能不足」でした。なので既存業者から見れば、「相手にするまでもない」としばらくの間は泳がせてくれます。

まれにマイクロソフトのように、間違いに気付いてから猛追してくる企業もいますが、むしろそこまで節操無く変説できる組織体の方が珍しいです。

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