「わたしと仕事、どっちが大事?」はなぜ間違いか
この本好きです。どうすれば「好感がもたれるか」というテーマではなく、徹底して論理的かどうかで勝負をしている。
著者は弁護士なので、仕事の場で論理的かどうかで勝負をしているのですが、じゃぁ日常生活でその通りにやればいいかというと、そうではない。だけど、「もし理路整然と言い返すとすれば・・・・」という準備は出来る。
タイトルにある「わたしと仕事どっちが大事?」というは確かに間違いなのですが、とっさには、間違いのポイントは分からない。
この問いでの間違いは、「二分法」による間違いです。二つの選択肢をだして迫られると、ついどっちかを選ばなくちゃいけないような気がする。だけど、そもそもその二択のピックアップがおかしいときがある。
このケースでは、本当は4択。○:大事、×:大事じゃない
- 私○仕事×
- 私×仕事○
- 私○仕事○
- 私×仕事×
という具合です。答えとしては「キミも仕事もそんなに大事じゃないよ」という可能性さえある。私と仕事ではそもそも比較対象でさえないので、一方の重要性が他方の軽視につながるという前提がおかしいのです。
じゃぁ、この内容をそのまま伝えればいいかというそうじゃない。正直に「キミも仕事も大事なんだけど」って言うのも実はその場ではそぐわない。「どっちが大事?」は実は質問ではなく、「私を大事にしなさいよ!」という「命令」なのだから、その場は「キミが大事なんだよ」と言うのが正解。二択に絞っている時点で論理的ではないのですが、実は質問でさえなかったのです。
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