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「蹴りたい背中」「インストール」(綿矢りさ)

「蹴りたい背中」「インストール」を今さらながら読んでみました。食わず嫌いもよくなかろうと。

  • 結構アリです
  • どっちも似たような感じ
  • 最初は「イラッ」と来るけど、すぐ慣れる(というかすぐ読み終わる)
  • 感動はしないけど共感はする

どちらも、高校生が持つ「つまらないけどシェアの大きな悩み」をうまく表現しています。すごく感動はしないけど、共感するところは多い。愛だの恋だのセックスだのって以前に、もっとしょーもなくて、どうしようもないところで高校生は悩んでいるのでした。

私がどうしても学生時代に戻りたくない理由をうまく説明してくれている。以下、小説を読んで掘り起こされた私の考え。

なんだか良く分からない「友達」の定義。笑いのセンスがあるわけでもなく、尊敬できるわけでもない人間とつるまなくちゃいけないのが友達づきあいなら、友達なんて要らないわけです。だけど友達が居ないということそのものが、「いけないこと」のように扱われるのがムナクソ悪い。

だけど、一人でご飯を食べることが、「異常」になってしまうという、わけの分からんルールが学生の間にはガツンと鎮座している。

いや、会社でも無くはない。OLさんならランチメイトがどうなるかは結構大事な問題。誰かとつるみたいわけではない、一人でも全く問題ないのだけれど、お一人様であることを、異常事態と捉える誰かが居るだけで、ルールがそっちに寄せられてしまう。そんなルールのゲームに参戦した覚えはないっての。

つくづく、今おっさんで良かったと思える。一人でご飯が食べれるこの幸せ。ご飯を食べるためだけに定食屋に入ることができる。食べ終わればすぐに店を出ることが出来る。

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バイオ燃料の本命はインドネシア

日経2/24朝刊9面より、大手商社がこぞってインドネシアでバイオ燃料を生産しようとしているという記事。

  • 伊藤忠商事は、スマトラ・ジャワ島で年10万キロリットルのバイオエタノール生産を計画
  • 三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅、双日、兼松などもインドネシアでのバイオ燃料を検討
  • 元となる植物は、キャッサバ、サトウキビ、パーム油など
  • バイオエタノール最大手のブラジルと比べて地理的に日本に近いのが有利

10万キロリットルは大きいです。どれくらいかというと、日本では農協が2008年度中に1万5000キロリットルのプラントをつくるのが精一杯という状況です。早くも国内生産は置いてけぼりです。

商社に見向きもされずに、インドネシアでバイオエタノールをつくられているというのが、日本の農業の危機を語っています。当の本人は危機と感じてないでしょうけど。

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バイオ燃料、生産促進→だけどやる気なし

日経2/23朝刊5面より、バイオ燃料ネタ。

  • 政府はバイオ燃料の生産量を2030年までに600万キロリットルに拡大することを目標にする報告書を作成
  • 600万リットルはガソリン年間使用量の1割
  • 検討課題
    • 木材や稲わらを利用するための技術開発の推進
    • バイオ燃料の税制優遇
    • ガソリンとの混合率の引き上げ

じゃぁこれらの検討課題は今どうなのかと。

  • 現在のバイオエタノールの生産量
    • ブラジル1670万キロリットル
    • 米国1500万キロリットル
    • 日本30キロリットル
  • ガソリンに混ぜることのできるバイオエタノールの量
    • ブラジル20-25%
    • 米国10%(一部の州)
    • 日本3%

つまり、日本はバイオエタノールを作れない使えないという状況。結局バイオエタノールはエタノールなんだから、のんきに木材から作るなんて大発明だけに賭けていないで、さっさと穀物から作ればいい(もちろん技術革新は平行してやればいい)。だけど、日本の農業だと穀物が高すぎる。でかい投資をして規模の経済を働かせなくちゃいけないのに、株式会社が農地を保持することさえ禁じている。農家を保護したい気持ちは分かるけど、作れない農家を保護しても何も生まれない。

さらに目標が2030年。その頃には現在のプロジェクトメンバーは誰もいないでしょう。誰も責任を取らない目標は目標じゃない。

たぶん、偉い人がバイオ燃料に関する何かを提言したかったのでしょう。そして優秀な官僚が、誰も責任を取らなくてもよい範囲で、それっぽい課題をピックアップして、波風立てないで済むような企画書にしたてあげたんじゃないでしょうか。

エネルギー関連はウォッチしますが、国内バイオエタノール関連は残念ながら望みが薄そうです。

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GTLトーンダウン

GTL(ガスツーリキッド)がトーンダウンしています。

GTLとは、天然ガスを液化してガソリン代替燃料としてつかいます。硫黄などの不純物を含まないので環境にもやさしいはずで、ガソリンに比べて天然ガスは中東一極集中ではないので注目されています。

日経2/22朝刊7面によると、エクソンモービルがカタール国営石油会社と計画していたGTLプラントが中止になったとのこと。建設費用が予測よりもかかりそうということと、原油の下落で採算が合わなくなったことの二つの理由で中止の模様。

原油がちょっと下落するだけで、注目の代替燃料が次々にトーンダウンしていきます。エネルギー危機だのなんだのって言っても、産油国も原油が売れないと困りますから、売上が最大化されるくらいの単価と数量には落ち着かせるはずです。

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日本の労働者は搾取されているか?

日経2/20朝刊より労働分配率ネタ。

労働分配率には二つ定義があります。

  1. SNA(国民経済計算)ベース
    • 国民所得を分母とし雇用者報酬を分子にする
  2. 法人企業統計ベース
    • 企業の付加価値(経常利益+減価償却費+支払い利息+人件費)を分母とし、人件費を分子とする

数値はちょっとずれますが、労働者への「分け前率」をみるという点では同じ意味あいです。

そしてSNAベースでの国際比較はこのとおり(2003年のSNAベース)。

イタリア 57.8%
韓国 60.1%
カナダ 69.4%
米国 69.8%
豪州 71.5%
英国 71.6%
ドイツ 72.2%
日本 72.7%
フランス 73.3%
スウェーデン 79.4%

はい。日本は高い方です。

2003年というと、日経平均が1万円割れをしていたころです。企業の業績が悪いので、分母が小さくなる。会社が赤字だからと言って、賃金もゼロになるかというと、それはならずに法律やら労働組合やらの力によって下限が決まる。なので、労働分配率は不景気に入ったときには上がる。いずれは倒産や退職により人件費はなくなるので、いずれ安定する。

反対に今は企業の業績がいいので、分母が大きくなっている。赤字スレスレから利益が出るようになると、「利益が100倍」なんてことが起こるけど、賃金は100倍にはならないので、労働分配率は好景気に入ったときには下がる。いずれは人を増やすので、しばらくすると分配率も上がる。

実はただそれけの数字なのにも関わらず、好景気に入った瞬間の労働分配率の低下だけを見て「労働者が搾取されている」と見るのは間違い。

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SUMCO重松健二郎社長インタビュー

日経2/21超過17面より、SUMCOの重松健二郎社長のインタビューより。

  • SUMCOの収益が拡大中
  • 2007.1期の連結経常利益は740億円前後と前期の2倍強
  • 今期の予想は売上高、経常益ともに4割は増える可能性がある
  • 今期の設備投資は約1700億円と前期に比べて8割程度増す
  • 投資原資は営業キャッシュフローで増資の必要は無い

メチャクチャ強気です。増資を伴わない投資というのも好感がもてます。

裏紙: シリコンウエハー日本勢という記事を書きましたが、昨年秋にSUMCOはコマツ電子金属を子会社化しています。トップの信越半導体にほぼ並んでいるはずです。

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デンソー、カーエアコン生産拡大

日経2/17朝刊13面より、デンソーがカーエアコンの生産を拡大するという記事。

  • 2011.3期をメドに2200万台にカーエアコンの生産台数を引き上げる
  • これは2006年より35%多い(2006年は1628万台)
  • カーエアコンはデンソーの連結売上の3割強を占める主力製品
  • 同社のカーエアコンの世界シェアは30%で首位(2006年度)
    2011年にはシェアを35%に引き上げる計画
  • 2007年度の生産台数は前年比6%ほど増える見通し

当然これくらいシェアがあるということは、トヨタ以外にも供給しています。タイヤ以外は垂直統合が当たり前の自動車業界の中で、デンソーだけは水平分業を実現しつつある貴重な存在です。

自動車の燃料が何になろうと、どこで売れようと、デンソーのカーエアコンは3割ほど売れ続けるわけです。

ということで継続保有。

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意外に大変三角合併

三角合併とは、子会社を通じて企業を株式交換で買収することです。

それが日本でも5月から解禁になります。外資が日本の企業を買収しやすくなります。なので、買収のターゲットになりやすそうな企業は要チェックです。

感情的に「外資が日本を食い荒らす!」とヒステリックになる人が居るのは目に見えているのですが、実は日本企業もアメリカの企業を三角合併で買収していたりします。以下日経2/15朝刊17面より。

  • 1990年に京セラがアメリカAVXを三角合併で買収
  • AVXはコンデンサーなどの電子部品を製造する企業
  • AVX株主は買収により京セラの株式を持つようになる
  • 京セラは当時米国の一般投資家には無名
  • 株主の同意を得るために、京セラの製品や業績、株価形成プロセスまで、自社株の説明に相当の労力を割いた

ということです。株式交換による買収というと、経営者と経営者の議論のように見えがちですが、実際には既存株主が既存株式を別企業の株式に交換するかどうかの判断です。

例えばmixiの株主は、mixiが株式交換でGoogleに買収されるとなると、「自分のmixi株がgoogle株になることが良いかどうか」の判断を迫られることにます。交換すれば買収成立ですし、交換しなければ買収は成立しません。圧倒的に既存株主の判断が重要なのに、買収合戦の報道では一向に既存株主の意向が出てこない。

対立構造に持ち込めないからニュースとして面白おかしくないのだろうけど、もう少し真面目に報道して欲しいものです。

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シンガポール法人税大幅減税

シンガポールが企業誘致にアグレッシブです。日経2/16朝刊7面より。

  • シンガポールが法人税率を2%引き下げ18%にする(2008年度より)
  • 一方で消費税は今年7月か2%引き上げ7%にする

以下、シンガポールシャンムガラトナム第二財務相のコメント。

「世界の平均法人税率は過去5年間で31%から27%に下がった」と強調。20%から18%への法人税引き下げが「投資を呼び込み、優れた雇用機会を生み出す」と説明した。税の減免措置もあり、8割の企業の実効税率が10%以下になることも明らかにした。

一方で日本の法人税の実効税率は39%。日本は賃金も高いし税金も高い。日本で生産するのは相当不利です。「私の国に職場を作ってください」という国もあるなか、日本の制度は「職場を作るな」というメッセージにしかなっていません。

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なぜサッポロビールは買収ターゲットになったか

日経、2/16朝刊と2/17朝刊からピックアップしてまとめ。

まず、ビール会社4社の売り上げ規模(2007年12月期予想)

  • キリン・・・・・・1兆8800億円
  • アサヒ・・・・・・1兆5200億円
  • サントリー・・・1兆4890億円
  • サッポロ・・・・・・・4840億円

と、まず売り上げ規模で大きく劣ります。

次に、売り上げが小さいにも関わらず、サッポロは売り上げの中の酒類が占める割合が、75%と多いのです。酒類は今後市場が小さくなっていきますから、他のビール会社はこぞって、酒類意外にソフトドリンクや医療(例えばエビオス)などの売り上げを伸ばそうと必死です。

通勤途中に自動販売機を眺めましたが、サッポロ以外の3社はソフトドリンクでも存在感があります。

  • サントリー
    • なっちゃん
    • DAKARA
    • いえもん
    • BOSS
  • アサヒ
    • 十六茶
    • WANDA
  • KIRIN
    • 生茶
    • 午後の紅茶
    • FIRE

一方でサッポロといえば、缶コーヒーは「JACK」「がぶ飲みコーヒー」とかなりマイナー。そもそも自動販売機の販路も非常に少なく、コンビニの棚を占めることもない。私は缶コーヒーが好きなのですが、「ジョージア」「BOSS」「WANDA」「FIRE」のローテーションです。サッポロには一切お金を落としていない。

サントリーのソフトドリンクは個々のブランドも光っており、売り上げの中で酒類が占める割合は5割を切っています。

じゃぁ、サッポロの何が魅力なのかというと、実は「恵比寿ガーデンプレイス」に挙げられるような不動産です。なんと時価は3000億円以上といわれます。売り上げが4000億で純利益は30億円と微々たるものです。純利益の100倍の不動産(しかも本業と無関係)がある。

もし私が買収者なら買収が成功した暁には次のオプションから選ぶでしょう。

  • 不動産を売ってキャッシュを手にする
  • 飲料事業を廃止して、不動産屋になる

要は解体に近い。

17日の報道によると、どうもホワイトナイトとしてアサヒが登場するようです。ただ完全に買収すると独禁法に触れてしまうほどのシェアになってしまうとのこと。資本提携で済ませるようですが、それだとなかなか相乗効果は生まれない。資本提携といえど、相乗効果を出すには、共同購入や流通の共通化を図って、サッポロもスリム化する必要があるでしょう。

買収が成功するにしても、ホワイトナイトにとられるにしても、今のサッポロは何らかのスリム化が必須なわけで、資本の効率的配分というお題に対し、スティールは貢献しそうです。

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サッポロの買収防衛策

スティールからTOBをかけられているサッポロビールのネタです。

既にサッポロには2006年に敵対的買収者への防衛策を導入しています。以下防衛策の内容(日経2/16朝刊3面より)

  • 株式の20%以上を取得しようとする買収者が対象
  • 買収者に情報提供を求めて株主の判断材料を整える
  • 買収者が求めに応じなかったり、明確に不当な場合には、新株引受権の発行などで買収を阻止する
  • 取締役会で発動を決議し、株主総会決議は必要ない

一応情報提供というのは、「株主のため」というスタンスですが、その情報提供の量や質を見て不当かどうかを判断するのは、既存株主であり、既存株主がスティールに売らなければ買収は成立しないのです。株主と株主の取引の間に、取締役会の判断は必要ない。既存株主は高値で売る権利を奪われているといえます。この防衛策がある時点で株式の価値は減っているといえるでしょう。売れないという時点で不良債権です。

で、さすがにそれはまずいと思ったのか、2/17の報道によると、この買収防衛策を廃止するとのこと。3/29の株主総会で現行の防衛策は廃止するとのことです。

推測になりますが、スティールの買収を嫌って別のホワイトナイトに株式を持ってもらう場合には、この不良債権もどきの株式では持ってもらえないからじゃないでしょうか。

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インドの自動車市場成長中

スズキをポートフォリオに組み込んだのは、インド市場で圧倒的なシェアをとっていたからなのですが、市場も成長し、各社参入してきたようです。以下日経2/12朝刊1,3面より。

  • インドの自動車市場について
    • 2006年度は140万台(前年度比2割増)
    • 既に韓国を追い越している
    • 2010年には約200万台に達する見通し
    • これは日本の1/3程度の規模
  • スズキ
    • 現在5割近いシェア
    • 2010年までに生産拠点として2000億円投資
    • 年産能力を6割増の100万台とする
  • トヨタ
    • シェアは4%
    • 2010年をメドに年10万台の新生産拠点
  • ホンダ
    • 2009年に第二工場を新設
  • 日産
    • 小型車工場建設にむけ調整中
  • BMW、ルノー
    • 主力車のインド生産を決定

「生産拠点」としてのデータと「市場」としてのデータが混じっているのですが、市場として見る場合にでも、現地生産は有利でしょう。統計では、インドでの乗用車は生産量と販売量がほぼ同じです。

ポイントはやっぱりスズキの出足がいいということ。今もシェアを5割持っていますが、2010年時点で、市場規模が200億円に対して、生産能力が100億円になっている。

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ケータイ小説の書き方指南

日経2/11朝刊「活字の海で」より、ケータイ小説の書き方について。フィクション部門の2/2-2/8のベストセラー上位10位のうち5冊がケータイ小説とのこと。

その中で、次の二冊を紹介。

  • 「ケータイ小説家になる魔法の方法」
    • 著者はケータイ所上説サイト「魔法の図書館」のプロデューサー
  • 「何かを書きたいあなたへ」
    • 60冊の著書のあるプロの作家が書いた本

確かに2007.01.26~02.01のベストセラーを見ると、次のような順位になっている。

1 赤い糸(上) メイ ゴマブックス
赤い糸(下) メイ ゴマブックス
2 純愛 稲森遥香 スターツ出版
3 ドアD 山田悠介 幻冬舎
4 恋空(上) 美嘉 スターツ出版
恋空(下) 美嘉 スターツ出版
5 永遠の夢 百音 竹書房
6 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン リリー・フランキー 扶桑社
7 もしもキミが。 ゴマブックス
8 DDD(1) 奈須きのこ 講談社
9 LOVE at Night 有也 大洋図書
10 愛の流刑地(上) 渡辺淳一 幻冬舎
愛の流刑地(下) 渡辺淳一 幻冬舎

「赤い糸」「純愛」「恋空」「永遠の夢」「もしもキミが。」の5つがケータイ小説。

いろんな企業が「電子ブック」に力を入れる中、まさか素のケータイブラウザでそのまま小説を流して、最終的に紙の本で対価を回収するビジネスモデルになろうとは。

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ザラ(ZARA)売上急増中

日経2/11朝刊5面より、衣料専門店の外資が攻勢をかけているという記事。

  • ザラ(会社名はインディテックス、スペイン)の売上が急増
  • 日本の店舗を現在の23店から3年後には50店に
  • 実現すれば売上は500億円を超える
  • 自前のデザイナーを300人以上抱える
  • 年間3万種類以上の商品を生み出す
  • 全店に新製品を週に二回投入

世界の衣料品専門店の売上高ランキング

順位 社名 本社 売上高
(億円)
伸び率
1 ギャップ 米国 19,200 -1%
2 インディテックス(ザラ) スペイン 13,000 22%
3 リミテッド 米国 12,911 10%
4 H&M スウェーデン 11,833 12%
5 ネクスト 英国 7,900 8%
6 ロス・ストアーズ 米国 6,740 13%
7 ファーストリテイリング 日本 4,488 17%
8 バーリントン・コート・ファクトリー・ウェアハウス 米国 4,173 9%
9 しまむら 日本 3,900 8%
10 チャーミング・ショップス 米国 3,600 10%

網掛けは日本に出店済みもしくは出店の計画があるというところです。スペインのザラにしても、スウェーデンのH&Mにしても、この売上規模は既に海外展開ができあがっていそうですから、日本での攻勢は比較的すんなりいくのではないでしょうか。

恐ろしいのは、ギャップが売上を下げているてという点。店舗や品揃えを見れば、ギャップがそろそろ飽きられて、ザラが伸びているのは分からないでもない。

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アメリカでも厳しいバイオエタノールの採算ライン

日経2/10朝刊27面「トウモロコシ→エタノール 1ブッシェル4.24ドルで採算」より。

  • 米国でのエタノール製造の採算ラインの話題
  • 原料のトウモロコシ価格の1ブッシェル4.24ドルが採算ライン
  • 原油の価格がこのまま1バレル60ドル前後で推移することが前提
  • 現在はエタノール1ガロンあたり51セントの補助が出ているが、2010年に廃止される予定
  • 廃止されれば、採算ラインは2.72ドルに下がる

エタノール需要が増えると当然エタノール原料が高くなります。価格が上がって4ドルを超えたときには、エタノール工場増設のキャンセルが相次いだとのこと。

また、ガソリン代替としてのエタノールが出回れば、当然ガソリンは値下がりします。そこでやっぱりガソリンがエタノールに比べて割安になってくる。

ちなみに1ブッシェルは約25.4Kgです。25Kgで3千円が採算ライン。政府は日本国内でのバイオエタノール生産にいきまいていますが、日本の農業の生産性からはかなり遠いゴールです。

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人をだますための六つの原理

日経2/10プラス1、最終面「妙なお話」より、だまされる心理についての記述。

ロバート・B・チャルディーニ教授がだます人たちの各種組織に入り込んで、だますための「六つの原理」を導き出しています。

  1. 返報性
    • 新興宗教の信者が通行人にまずは一輪の花をプレゼントし、その後に寄付を要求すると、心理的な借りを作ってしまった人は借りを帳消しにしようと寄付をしてしまう
  2. 一貫性
    • 格安の値段で購入を決めた後に、価格が間違いだということが分かっても結局買ってしまう。
    • ローボールテクニックと言われている
  3. 社会的証明
    • 行列が並んでいるとつい並んでしまう
  4. 好意
    • 知人とのホームパーティー形式だと買わざるを得ない
  5. 権威
    • 権威がある人を信じてしまう
  6. 希少性
    • 残りわずかと言われると買ってしまう

健康食品の通販なんかは、

  • 「効かなかったら返品可」(返報性)
  • とりあえず高い値段出したら効いた気になる(一貫性)
  • 売上ナンバー1(社会的証明)
  • 白衣の教授にしゃべらせる(権威)
  • 残りわずか(希少性)

と、一通りのテクニックを使っています。好意をうまく使うのはマルチ商法でよく使いますね。

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白衣の学者にしゃべらせておけばいい

日経2/10朝刊38面「あるある捏造の温床」より。

健康や食の情報番組を手がけるベテランディレクターによると、演出効果を狙うなら、三つのつぼを押さえておけばよい。グラフカタカナ用語、そして白衣姿の学者

あるあるは、一度観たことがあります。そのときは花粉症特集でした。「花粉症の原因大公開」とメチャクチャ引っ張って、最後の方に「原因はヒスタミンなのです!ドーン!」というオチ。でもヒスタミンはアレルギー反応の結果であり、原因ではない。無知が作った番組か、無知をカモにするための番組なのかは分かりませんが、あまりにも腹が立ってそれ以来観ていません。

白衣姿の学者は特に効きます。さらにその学者は専門外でも台本どおりしゃべってくれればよい。

高橋久仁子・群馬大教授(食物学)は、科学的な根拠があいまいなデータなどの氾濫する情報番組に警鐘を鳴らす。

「針小棒大のコメントや専門外の分野で引用文献を間違うなど、無責任な学者にも問題がある」

無責任な学者が居てくれるおかげで、制作側はある程度責任を逃れながらも、権威付けが可能になります。あんまりやりすぎると、専門外であることがばれちゃいます。こんなふうに

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景気回復でパート減る

パートの数、5年ぶり低水準・06年1205万人-ニュース:スマートウーマンほか、日経2/8朝刊1面より。

  • パート労働者数が二年ぶりに減少
  • 景気回復を受けて企業が正社員を積極採用していることが背景

ということで、「企業が景気が良くなったのに労働者には回ってこない」という批判は的はずれ。企業業績と雇用は完全連動ではなく、タイムラグがあります。好景気になってもすぐに雇用が増えないのと同様に、不景気になったからと言ってすぐに解雇することもない。

ということで雇用問題の解決には、企業業績を上げるための仕組み(法人税対策など)をとるというのが一番まともな解ということでファイナルアンサー。

ただ、気になるのはパート労働者の定義が「週35時間未満の雇用者」ということ。本当に主婦があいた時間でパートをしていることは、別に悪いことでもなんでもないので、パートの増減だけでよしあしを判断するのは間違い。パートが減ったという事実からは、パートだけが解雇されたという見方もできちゃう。

じゃぁ正社員はどうなのかというと、増える見込み。同日日経朝刊1面の日経新聞調べによると、28%の企業が2008年度の新卒採用を増やすと回答しています。

初任給も上がっています。

  • トヨタは2006年春に6年ぶりに引き上げ
  • イオンが12年ぶりに引き上げ

ということで、ちゃんと賃金引上げの順番が回ってきている。

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トヨタ自動車から自動車が、新日鐵にとって鉄がなくなるほどの状況

タイトルは、富士フィルムの古森重孝社長が2006年の記者会見で述べたコメントです。

富士フィルムは一時期は、アメリカから問題視されるほど、写真フィルムのシェアが高く、「写るんです」などの大ヒット商品で、写真の全てを握っていました。カメラのシェアは高くはありませんでしたが、キヤノンとニコンがカメラを売れば売るほど、結果、富士のフィルムが売れるという状況でした。

そして、今ではフィルムの写真はデジカメによりどんどん減っています。富士フィルムも、2006年に大規模な事業の整理を行い、フィルムや印画紙の生産能力そのものを大きく削減しました。社名も富士写真フィルムから富士フィルムに変わりました(フィルムという言葉が残っているのが変な感じですが)。

じゃぁどこで儲けるのかというと、実は合弁会社だった富士ゼロックスの株式を買い増し、子会社にすることで、「ドキュメントソリューション部門」として、連結対象に加わっています。富士ゼロックスの製品ならコピー機やプリンタでよく見かけます。セブンイレブンのコピー機も富士ゼロックスです。この部門は好調なようです。とはいえ、写真屋さんがコピー屋さんに変わるというのは大きな転換と言えるでしょう。新日鐵から鉄がなくなるほどのインパクトは確かにあります。普通は企業ごとなくなってしまうような変化をよく乗り切っています。

ネタ元は「なぜ、あの会社は儲かるのか?」です。タイトルはイマドキありがちなタイトルでヤな感じがしていたのですが、中身は真っ当なアカウンティング解説本です。実際の企業の事例をベースに、「財務諸表では戦略がこう現れているんだよ」ということが丁寧に解説されています。アカウンティングに対して距離感を感じている人にはオススメです。

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人事とポートフォリオ~辞任させればいいってもんではない~

大臣がちょっとでも失言をしようものなら、野党からは「とりあえず辞任要求」が出てきます。参院予算委 野党が欠席を続行

失言に品がないのは事実としても、辞任させて何か良くなるとも思えない。空転している間に、課題がストップするだけの話。辞任させれば、与党が一敗しているように見えるけど、誰も勝ち星を取ってはいない。

野党の「とりあえず辞任要求だしとけ」的な発想は、とはいえ誰にでもある間違いです。目障りな問題を遠ざけることで解決したように見えてしまいます。解決とは、あくまで対案との比較で「もっともマシなオプション」を選択することです。

株式投資でも同様です。株を「売る」とか「買う」と言っていますが、その実態は、「別の株に交換」するか「現金に交換」するかのいずれかです。株を買わなければ「運用しない」と思いがちですが、それは「現金で運用」してることを意味します。運用資金のうちの現金部分を「キャッシュポジション」と呼びます。現金に振り分けるということでさえ運用なのです。

私が株式を売り解するときには、ポートフォリオ全体を「チーム」と見立てて、「選手交代」の意味合いで、売り買いをします。

そしてスポーツ(例えば野球)の観客は、打たれるピッチャーを見て「早く降板させろ!」と思うかも知れませんが、監督は降板だけではなく交代させなくてはならなのです。

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敬語5分類はさほど重要なことではない

asahi.com: 敬語5分類、影響は? 文化審議会「指針」 - 教育
FujiSankei Business i. 総合/誤用防止へ敬語新基準 「謙譲」2種に 「美化」を追加 文化庁方針(2007/2/3)

など、報道では敬語の分類ばかりに目がいっていますが、画一化されたルールを押し付けること自体が本来の敬語の目的からかけ離れているでしょう。

ということが実は答申には書かれています。
文化審議会「敬語の指針(答申)」について

●「相互尊重」を基盤とする敬語使用

もともと敬語は身分の差を明らかにするものでしたが、現在は身分の差などありません。じゃぁ何のためにあるのかというと、相手を尊重する気持ちを表すためのものです。配慮の表れなので、場面に応じて使い分けるべきとのこと。

さらに相手を尊重する気持ちの現われが敬語なのだから、その気持ちの表し方によって敬語も変わってくる。そりゃそうだ。

●マニュアル敬語について

  • マニュアル敬語を不快に思う人が居るのは事実
  • 問題なのは「画一化」という点
  • とはいえマニュアル敬語を使わざるを得ない人は社会人の新人
  • 彼らにはまずはマニュアルで教えるのも有効

と、意外にマニュアル敬語に対して寛容です。敬語を画一的な「ルール」「常識」として押し付けようとする老人とは一線を画した答申になっています。

一次情報源に当たると、ちょっと違うものが見えてきます。

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法人税率下げブーム到来

日経2/3朝刊1面「法人税率下げ、主要国で加速、実効税率20%台主流」より、世界各国で法人税率を下げる計画が進んでいるとのこと。いずれも雇用創出が目的と見られます。

以下各国の法人税実効税率について(数値はOECDの資料から日経が作成)

  • ドイツ(連立政権が合意)
    • 38.9%→29.8%(2008年)
  • フランス(シラク大統領が表明)
    • 34.4%→20%台(向こう5年で)
    • 現在はEU平均よりも8%高いため「企業の競争力維持にマイナス」(シラク大統領)
  • オランダ
    • 29.6%→25.5%
  • スペイン
    • 35%→32.5%(2007年)→30%(2008年)
  • ブルガリア
    • EU加盟時点で10%
  • シンガボール
    • 20%→18%
  • マレーシア
    • 28%→26%(2008年)
  • 台湾
    • 25%

と世界中で直接投資合戦が行われています。法人税の数パーセントはパッと見は大した影響がないように見えますが、その数パーセントはそのまま投資利回りに影響します。利回りが2%の投資が4%に増えるのなら、投資マネーのシフトは大きくなります。

日本は実効税率が39.54%とダントツの税率です。そりゃ生産拠点は逃げていきます。実は米国も同様に39.3%と高いのですが、投資も雇用も順調です。アメリカの場合には解雇が可能という点が、起業にとって有利な面がありますが、日本ではそのメリットさえもありません。

日本でも当然法人税率を下げる話題は出てきてもおかしくないのですが、無知なマスコミが「企業優遇!国民の生活ないがしろ」とミスリードするのは目に見えています。企業にやたら厳しく当たる人たちは、企業というものが、労働者の集合であるという単純な事実を見ることが出来ていないのでしょう。いくら税率を高くしても、企業が逃げてしまっては法人税も雇用もゼロになるという単純な事実が見えていないと、それこそ天につばを吐くだけの行為になります。

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石油製品全体の需要が減退している

日経2/1朝刊15面より。裏紙: ガソリン販売32年ぶり減の続報。

  • 2006年はガソリンだけでなく重油や灯油の販売量も減少
  • 火力発電で使うC重油は7%減少
    • →原発の稼動が堅調だったため
  • 工場が自家発電に使うA重油は12%減少
    • →電力会社からの電力購入に切り替えたため

ということで、原発電力シフトが全体的におきているようです。

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日本の農業ダメすぎ by WTO

日経2/1朝刊5面、「WTOが対日審査報告、農産物関税の上昇批判」より。

輸入農産物に対する日本の平均実行関税率は2006年度に18.8%と、前回審査の2004年度よりも1.1ポイント上昇した。

もともと関税が高いのに加えて、「従量税」といって、重さに関税をかけている品目があって、そこは輸入物の価格が安くなればなるほど、価格に対しての関税が高くなる仕組みです。

「日本の農業保護は強まっており、複雑な関税制度や予算制度は是正を要する。」(WTOラミー事務局長)

と、普通に叱られています。

保護の背景となる生産性にも触れています。

日本の国内総生産(GDP)に占める農業の割合は2004年に1.4%しかないのに、農業補助金の割合は1.3%にも上っていると指摘。一方で雇用者(林業・水産業を含む)は全雇用者の5.3%を占め、「農業の労働生産性が著しく低い」と分析した。

裏紙: タンザニア大統領、グローバル経済を語るでも農業の開放をアフリカから求められています。経済の根本原理である「分業して得意な人がやる」というベーシックなことが、国内レベルでも世界レベルでも出来ていないのが日本の農業です。

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振込め詐欺市場高止まり

日経1/31朝刊38面、「振り込め詐欺、昨年の被害、3年連続200億円超」より。

昨年一年に起きた振込み詐欺について。

  • 被害件数は1万8538件
  • 被害額は249億7800万円
  • 3年連続200億円超

これ毎年公開していますが、これだけのマーケットを発表したのでは、仮に逮捕者が出ていたとしても、新規参入は続くでしょう。シェア10%でもとれば20億円そのまま入ってくるのです。ちなみに、件数と被害額の比率を見ると、一件あたりの被害額は200万円が平均ですね。ここから計算すると、詐欺師一人あたり二ヶ月に一回のペースで詐欺に成功していれば、年収は1200万円(所得税はひかれない)ということになります。あまりにも詐欺師にとって魅力的すぎです。

当然のことながら、口座は凍結されるので、実際には引き出せてない件も多いはずなのですが、そこはあまり報道には出ずに、詐欺師にとって「おいしそうなデータばかり」露出しています。

振り込め詐欺を本当に抑止したいのなら、振り込め詐欺電話への対応を「無視」ではなく「通報」にすべきでしょうし、振り込め詐欺の被害を発表するだけではなく「逮捕数」を表に出したほうがいい。詐欺師が見て「これは割に合わない」と思うような報道が必要です。

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ガソリン販売32年ぶり減

日経1/31朝刊3面より。

  • ガソリンの国内販売が1974年以来、32年ぶりに前年を割り込んだ
  • 低燃費車の普及や、原油価格の高騰が原因

普通に省エネが進み、普通にちょっと価格が高くなれば、ガソリンの消費は減ります。やればできるんじゃんということです。

さて困るのは、ガソリン代替エネルギーです。ガソリン代替エネルギーが登場することで、ガソリン消費量が減ったのではないという点で、存在感が薄れます。さらに、ガソリン価格はすっかりもと通りに戻ってしまいました(うちの近所で120円/リットル)。

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