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売りに出される津軽純金こけし

黒石市の津軽こけし館にある、純金&純銀こけしが売りに出されています。

純金こけしオーナー募集の会設立/Web東奥・ニュース20070326223319

日経、4/30朝刊23面による、この背景。

  • 純金こけしは、1989年のふるさと創生事業で制作
  • 黒石市の2005年度実質収支は約8億円の赤字
  • 赤字がさらに10億円増えると夕張市と同じ財政再建団体に転落する

まず、1億円のふるさと創生事業で、「純金&純銀こけし」というのが、安直でがっかりですが、案の定売りに出さなくちゃいけなくなっている。そりゃぁそうだろうと。

そして、ちょこっと「純金こけしのオーナーを募集する会」のサイトを探したけどない。オーナーを募るのならもうちょっと情報公開をすればいいのにって思う。

仮に自分がオーナーになるとして、必要となる情報を集めてみようかと。

  • 最低入札金額
    • →この情報がない。交渉次第ということかな
  • 地金の価値
    • 簿価は1億ということだけど、最近は金の価格が上がっているので、2600円/gで58kgのこけしの価値を計算すると、1億5000万くらいになる。
    • ただし、5年間は売れないので、その辺のリスクを割り引いて、1億円丁度で取引というのが、売る側は簿価を下回らないし、買う側は5000万円の含み益(キャッシュではない)が生じるのでちょうどいい
  • 保有価値
    • これが一番不明。オーナーになれというからには、保有価値が分からないといけないのだけれど、純金こけしが生み出すフリーキャッシュフローが分からない。
    • 1億円の価値を保有したなら、利回りを5%とすると、毎年500万円のフリーキャッシュを手にしなくちゃ割が合わない
    • 入場料が大人300円ということから、1割がキャッシュになって、それがそのままオーナーのものになったとすると、500万円を実現するには17万人くらいの観客動員数が必要。つまりキャッシュはあまり当てにできない
    • オーナーは氏名を載せることが出来るというので、そのパブリシティ効果を保有価値と見る。バナー広告のインプレッション単価は約1円というのを参考にすると、500万円分のバブリシティを確保するためには、年間の観客動員数は500万人が必要。もはやプロ野球を超える。
    • ちなみに、東京ディズニーリゾートの入場者数は年間2500万人。たぶんこれが日本のMAX。

一番問題なのは、黒石市が会計情報を公開していないということ。オーナーを募集するというのは、株式公開と同レベルの透明性が必要なのに、不透明極まりない。オーナーになったとたんに、借金も負わされる不安さえよぎる。

みんなハッピーになりたいのなら、今、1億2000万ほどで「地金」として売り払ってしまうのがベスト。5年間売れないという条件は買う側にとってはリスクでしかない。自治体は2000万のプラスでマネーゲームから足を洗う。手元に残った1億2000万のキャッシュをもうちょっとマシな事業(企業誘致など)に充てるか、借金を返すべき。

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DeNA経常益51%増

日経4/26朝刊14面より。

  • DeNAの2008.3連結経常益は前期比51%増の70億円になる見通し
  • 売上高は66%増の235億円
  • モバゲータウンの期末会員数は1年前の二倍となる900万人を目指す

一応私もモバゲータウンの会員にはなっていますが、やっぱり若年層にかたよりがあります。偏りがあることそのものは悪くは無いのですが、CGMという特性上、その世代の色のコミュニティになってしまいます。例えば就職相談の掲示版では、中卒での就職相談が多いです。900万人の会員を確保するには、やや偏りのあるコミュニティになってしまっている感があります。

また、会員があまりに若年層によっているため、広告を出したときの効果もあまり期待が出来ません。普通に消費者金融の広告が出ていますが、会員の大半は消費者金融のカスタマーになりえないのではないかと思います。

そうはいっても、会員の若さは時間が解決しますし、現に売上が増大しているのは確かです。今のPERは70倍と、よくある新興ネット企業の割高さ加減ですが、この見通しのまま利益が出ればPERも50を切って、新興企業にしては割安感が出てきます。

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「アメリカでは人を解雇できる」(ポール・グレアム)

らいおんの隠れ家 - ポール・グレアム「ベンチャーがアメリカに集中する理由」より、アメリカにベンチャーが集中する理由をあれこれ挙げています。その中で面白いのはこれ。

5. アメリカでは人を解雇できる

ヨーロッパでベンチャーを作ることを最も大きく妨げるものの1つは、雇用に対する姿勢だ。厳しいことで有名な労働法は、すべての会社を痛めつけるが、特にベンチャーを痛めつける。ベンチャーは官僚的な議論に時間を割いていられないからだ。

解雇が難しいことはベンチャーでは大問題だ。ベンチャーには余裕がないから、みんなが有能でなくちゃいけない。

解雇の条件を厳しくするのは、企業が労働者よりも圧倒的に強い立場であるということが前提です。しかしながら、ベンチャーはさほど強くない。採用でも苦労をする上に、解雇ができないとあっては、ただでさえリスクの高いベンチャーのリスクがもっと高まる。

解雇はあんまり良くないことだけど、解雇しなくちゃ行けない状況なのに解雇できないのはもっと不幸。その不幸が障害になって、新たな企業と職場が生まれないのはもっともっと不幸。

弱者としての労働者を守るのは大事だけれど、企業は言うほど強くない。人の寿命よりも短いこともあるし、若年企業の死亡も多い。だから、企業を産んで育てる努力を怠ってはいけない。

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TBSの「敵対的」は誰にとっての敵対的なのか?

楽天がTBS株を20%超の買い増しをすると通告しています。
楽天がTBS株買い増し 「20%超に」と通告-マネー・経済のニュース:イザ!

日経4/20朝刊では、TBSの経営陣のコメントも載っていました。突っ込みます。

TBS経営陣は「自社の同意が無く、買収防衛策発動の検討対象となる敵対的行為。」と受け止めている。

しかしながら、買収防衛策の発動は、既存株主にとっては「同意無く、売る権利を奪われる敵対的行為」に他なりません。

井上弘TBS社長は「いきなり土足で上がってくるような行為」と反発した。

まずいきなりではない。楽天がTBSの株を大量取得したのは2005.10です。

さらに、「土足」もおかしい。株式取得は、「市場」で行われます。外です。TBSの外で、既存株主と楽天の二者の間で株券と現金を交換する行為をやろうと言っているだけです。

買収防衛策が発動されたら、TBSの既存株主は財産権を侵害されたとしてTBSを訴えればいいんじゃないでしょうか。

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新東京銀行だけはいただけない

日経4/12朝刊35面、石原都知事のインタビュー。経営難の新銀行東京への対応について。

(貸付先の)中小企業の潜在能力を正確に分析する能力が足りず、デフォルトの率が高まった。ここまで来るまでに詳細な報告が大株主の都に入らなかったのが問題。都から複数の執行役員を送り込み、債権には今後2年くらいはかかるだろう。

急に株主の立場で他人事になっている。銀行は梯子外された気分でしょう。

「中小企業の潜在能力を正確に分析する能力」と簡単に言いすぎ。そんなスキルがごろごろ転がっているのなら誰も苦労しない。仮に正確に分析する能力を発揮したなら、新銀行東京は単なる貸し渋り銀行になる可能性もある。

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ホームレス、4年で3割減

日経4/7朝刊34面より、ホームレスが減っているという記事。

  • 厚生労働省の調査
  • 全国のホームレスは2007.1時点で1万8564人
  • 4年前の前回調査から3割近く減った(前回は2万5296人)
  • 地方別増減
    • 東京36.7%減
    • 大阪26.3%減
    • 神奈川4.8%増
    • 愛知52%減
  • ホームレスの平均年齢は前回から1.6歳上昇し57.5歳となった

平均年齢が上昇しているということは、ホームレスから復帰するだけではなく、新たなホームレスが補充されてないのでしょう。

そして特徴的なのは、愛知県。激減です。好調な自動車関連企業が集まるところではホームレスも少なくなる。この事例は「大企業が元気だと超最下層も元気になる」を証明する一例です。

「景気がいいと言うけど実感が無い」という人は、本当の貧困から目をそむけ、自分は安全地帯に居ながら、上だけを見て妬んでいるだけに過ぎない。

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買収ファンドの社会的意義

教科書的だけど、買収ファンドが社会に与える影響についてのメモ。日経4/3朝刊17面「一目均衡」より。

  1. 投資の成果をあげ、ファンドの出資者である年金基金に利益を返せば、市民一人ひとりにも恩恵が届く
  2. コンサルティング会社ATカーニーの調査によると「過去4年間にファンドは欧州で100万人、米国で60万人の新たな雇用を生んだ」とはじいた

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スズキはインドの方が良く売れる

日経3/31朝刊9面より、スズキのインドでの新車販売台数が、2007年度に日本国内販売を逆転する見通しであるという記事。

  • 現在の国内販売は59万4000台(前年比-2.7%)
  • インドは57万1000台(前年比22.6%増)
  • インド子会社マルチはスズキの連結経常利益の約4割を稼ぐ
  • 日本のほぼ半分の車種しかなく経営効率が高い

てことでこのまま行くと、スズキの連結利益の半分をインドが占めることになります。売上だけでなく、利益も出ているところがすごいところ。決して安値で叩き売っているわけではない。

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雇用は海外で生み出される

日経3/31朝刊5面より、日本企業が海外で雇用している従業員の統計。

  • 経済産業省の発表
  • 日本企業がアジアで雇用している従業員数が2006.3時点で300万人を突破
  • 全世界での雇用者数は435万6000人(5.2%増)

アジアに集中しているというものの、でかいということです。

大半は製造業と推測されます。製造業であれば日本で完成品を作ってそれを輸出する方法もあるはずですが、それが出来ないということは、なんらかの「課題」が日本にはあるということです。

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ホウレンソウとは

ホウ・レン・ソウというバズワードがあります。「報告・連絡・相談」の頭文字を取ったもので、新社会人に対する会社での心得として紹介されるケースが多いです。

そして私はこの言葉が嫌い。相談は「何をすべきか」「どうすべきか」「もしくはすべきでないか」のジャッジを求めるというのは分かる。だけど報告と連絡の違いが分からない。MECEではないように見える。この言葉自体がコミュニケーションを阻害している。

しかも何もかも上司の言いなりでクリエイティビティを感じない。

そしてホウレンソウのオリジナルに関する記事を、4/2日経春秋で発見。

この語呂合わせは旧山種証券の社長だった山崎富治氏が20年以上前に考案したとされる。報告は縦、連絡は横、相談は集団のコミュニケーションを指す。本来は風通しの良い組織づくりの大切さを説いたはずの言葉だった。

ところが、いつの間にやら上司への一方的なコミュニケーションと曲解されておかしなことになっている。

オリジナルの「ホウレンソウ」とは「何を上司に話すべきか」ではなく「誰とコミュニケーションすべきか」を分類したものだったのです。すばらしい。

私個人も横のコミュニケーションを重視します。連絡には本来「つなぐ」という意味があるのですが、企業が成熟して官僚的になると、何かトラブルがあったときに責任がないことを明確にしようとするバイアスがかかる。そうするとどんどん「継ぎ目」が少なくなり、下手をすれば継ぎ目に隙間ができる。「言いましたよね!」と後で言うための保険が「連絡」になってしまう。

なので連絡という言い方はせずに「のりしろ」と呼んでいます。スケジュールを引くときにもタスクの成果物の引渡しには必ずのりしろを持って、後続タスクが動き始めるのを見届けることが先行タスクの終了とする。

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