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僕たちの年金が僕たちの社長をクビにする

日経6/28朝刊9面より、企業年金連合会が株主総会での取締役選任議案の約4割に対して約4割反対していたというニュース。

企業年金連合会のルールとしては、

  • 3年連続で
  • ROEが
  • 8%を下回る

さらに、十分な説明がない場合には、取締役の再任に対して反対する方針だそうです。

今回の実績はこんなもの。

  • 連合会が議決権を行使するのは808社
  • 取締役選任議案は762件
  • うち296件に反対

外資のファンドだけじゃなく、超身近な大株主もなかなかドライということで。

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経済政策は失敗し、日本人は投資バカなのか?

企業リスク対策(第82回)[大前 研一氏]/SAFETY JAPAN [コラム]/日経BP社に突っ込み。

インフレ誘導のための「量的緩和」も、マネーサプライで市場をお金でジャブジャブにしてはみたものの、資金ニーズが伴っていなかった。結局、あふれたお金はサラ金、不動産などのファンドに流れただけだった。普通の国であれば、量的緩和を行ったらインフレを誘発するなど物価に影響するのだが、日本はそうでない稀有な国だったのである。経済学者が知っているすべての政策は日本では効果がなかったのだ。

金融危機という最も大きな課題をすっかり忘れてやしないか?全ての銀行がいっせいにつぶれるかも知れないという状況を脱したことは課題の解決ではないのか?普通の国ならインフレになるかも知れないけど、当時の日本の経済状況を普通として認識はできないでしょう。

現在、いざなぎ景気を超える好景気と盛んにいわれているが、実際にはどうか。下の図にあるように、景気の質が異なる。いざなぎ景気のときは「所得倍増」とうたわれたほど個人所得も増えた。だが、現在は景気がよいといわれるだけで個人所得は上がっていない。

この文章のすぐにグラフがある。景気がいいとはいうものの、ちょっとだけGDPが伸びている「期間」が長いだけで、全然規模が違う。分母となるGDPが伸びていないのだから、賃金も伸びるわけがない。

この後に何が続くかと思うと、日本人にはライフプランもマネープランもないと、感覚的な国際比較をしている。この記事が指す個人のマネーが、消費マネーと投資マネーを行ったりきたりしているのも分かりにくいけど、仮に投資マネーだとすると、日本の資本市場そのものが、投資家にとって魅力的でないからプランの立てようがないというのが実態でしょう。

すっごく単純に、ダウと日経平均を比べてみると、ダウがエンロンだのテロだのがあっても、一本調子で上がってきているのに対して、日経平均の右往左往っっぷりったらない。キャピタルゲインがハイリスクな上に、配当は殆ど出ない。日本人に老後のマネープランがあろうと無かろうと、自国の資本市場は到底魅力的だとは思えない。

元本と流動性を重視しすぎる日本人では、

何しろ日本人は、金融商品への安全性志向が高いのだ。銀行に預けているのは安全性を重視しているからだ。だからお金を預けるときは「絶対に元本は大丈夫ですか?」と聞く。資産に余裕があるなら3割くらいはリスクのあるものを買ってはどうかと思うのだが、元本を保証されていないのが嫌なのだ。それで1%以下の金利のところに預けている。

と、結構バカにしているけど、元本が保証されないリスクがあるなら、もっと大きなリターンがあっていいはず。最近の株式市場はぐんと上がったけど、上がり方にムラがありすぎる。ムラはリスクです。合理的で効率的である「はず」のマーケットがいきなり40%あがって、日経平均18000円を目前にびたっと足踏みをしているその状態こそが「怖い」。

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日本の賃金格差は「普通」

やたらと、感覚値で語られることの多い「格差」ですが、今回はジニ係数以外の指標を、「経年比較」「国間比較」してみます。データは、日経6/20朝刊5面に掲載されていた、OEDCが公表した2007年版雇用アウトルックより。

1995年 2005年
米国 4.59 4.85
カナダ 3.47 3.74
OECD 3.12 3.38
ドイツ 2.79 3.13
日本 3.00 3.12
スウェーデン 2.20 2.33
ノルウェー 1.89 2.21
(注)賃金の上位10%と下位10%の倍率)

はい、日本は「普通」。1995から2005年のOECD20カ国は全体的に景気が上昇していたので、トレンドとしては格差は広がるでしょう。ここで分かるのは、相場観として、大体2倍から4倍の間ということ。

日本で言えば、ちょうど3倍です。そして殆どその差は10年で増えてない。実際の平均の数字は見つからなかったのですが、下位10%の平均が年収300万で、上位10%の平均が年収1000万だとすると、約3倍。「そんなものかもな」という気がします。

OECDの下データはこちらにあります。
OECD雇用アウトルック2007

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仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理

「マネー時代を生きる君たちへ」というサブタイトルから、どうやってカモにならないようにするかという話かと思ったら、ワリと何も行動せずに被害妄想ばかりが目立った。

著者に経済や金融の知識はなく、断片的な社会面ニュースで世界経済を語っている感がある。

例えば

  • 日本の金融の代表=村上ファンド
  • 日本の株式の代表=ライブドア
  • 世界の株式の代表=エンロン

だから、金融なんてろくなゲームじゃねーんだよってことを言ってる。

だけどちゃんと「統計」で見れば、ライブドア事件の前後で日経平均は大した影響をうけちゃいない。なんならライブドアが退場してくれたおかげで、東証のシステムは安定している。エンロン事件の後でもダウは大して影響を受けちゃ居ないし、ウォーレンバフェットも相変わらず金持ちです。

株式投資をした人が読めば分かると思いますが、著者は株買ったことねぇな、というのが分かると思います。

普通に株買ってりゃいいものを、

  • ライブドアがあったから
  • エンロンがあったから

株式投資において正攻法の勝ち目なんて無いんだYO!って「ゲームに参加しない理由」を並べて動こうともしないし、勉強しようともしない。じゃぁ他の手段として「デイトレード」しかないと言ってる。デイトレードは疲れるからヤダってことで、最後の最後は「M&A銘柄をあらかじめ買っておくしかない」ってことが結論。

極端だなぁ。ポートフォリオ理論なんて無視。

M&A銘柄をあらかじめアンテナ張って買うのは否定しないけど、M&Aで株価が劇的に上がるのって、その前がろくでもない経営のときに限られる。M&Aが起こらなければやっぱりその銘柄は資産に対しての利回りが低いまま。その上被害妄想だけは立派だから、あっけなく買収防衛策を導入したりする。宝くじ感覚で、「買収されやすそうな銘柄」をポートフォリオに少しだけ組み込むくらいが個人的にはオススメ。

確かにこの本の書いている通り、世界の金融のルールの中で活躍しているのはアメリカが多いのは事実だけれど、アメリカだけに都合が良いように出来ているわけじゃぁない。イギリスのウィンブルドン現象はその後のイギリス金融の復活を実現しているし、ドバイは原油に頼らずに金融センターとして一大産業になっている。日本がずば抜けてへたくそなだけであって、「アメリカの論理」ではないと思う。

そうは言っても、この本はある程度の価値はある。日経も読まず、株式投資が怖くて動けない人にとっては、「動かなくていい理由」を並べてくれているので、自尊心を維持できるのです。

「英語は絶対勉強するな!」みたいなタイトルの新書があって、ゲーム脳くらいの怪しげな脳波測定でそれっぽい理由を並べれば、英語が苦手な人にはそこそこ受けるでしょう。

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天才数学者はこう賭ける

めちゃくちゃ登場人物が多い本。

本気で数学者がギャンブルをするとどうなるかって話。

トランプを使ったゲームでは、一時的には期待値がプラスになる瞬間があるので、そこをすかさずちゃんと大きく賭けにでる。

ルーレットでも、ちゃんと運動を予想することが出来れば、「ある程度」どのポケットに落ちるかは予想が可能。言われてみればその通り。

そしてやっぱり印象に残る言葉は、ウォーレンバフェットの言葉(p.315)。

バフェットは、1984年の講演で、アメリカの2億1500万人の人々が全て1対1に分かれ、コイントスの結果に一ドルを賭けることを想像してみるよう、聴衆に求めた。外した人は失格で、当たった相手に一ドルを渡して終了となる。

翌日勝った人だけがまた二人一組に分かれ、同じゲームをするか、今度は掛け金を二ドルにする。負けたら失格で、その日の勝者は四ドルを手にすることになる。このゲームを毎日一回、掛け金を倍にして続ける。20回はじいた後では、200人ほどが勝ち残っていて、それがぞれが100万ドル以上を手にしている。

バフェットによれば、その中の誰かが、自分の取った方法について『毎朝30秒働くだけで、20日で100万ドル稼ぐ方法』という本を書くだろうという。

すごく良く出来たロジックで実際に儲かったとしても、その人はコイントスゲームで勝ち残っただけの人かも知れない。同じことをして儲からなかった人はそもそも歴史に名が残らない。

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TBSの系列と労組が株主軽視な件について

FujiSankei Business i. 総合/系列局27社がTBS支援を表明 楽天の株買い増し [ThinkIT] TBS労組、楽天の株主提案に反対を表明など、楽天の株主提案について反対が表明されています。

突っ込みどころはいろいろある。

楽天の「株主提案」は既存のTBSの株主への提案であって、株主以外はそもそも議論のメンバーではない。

したがって、労働組合は自身が「反対」を楽天に対して言うこと自体システムを分かっていない。もしそこで自説を述べるなら、既存株主に対して、「専門家である従業員の意見」として「楽天に株を売らないほうが企業価値が高まりますよ」と言わねばならない。

一方で系列会社はTBSの株主ではある。しかしTBSとは持ち合いの関係にもあるので、実は互いにオーナーになっているという関係。当然一般株主や僕達の年金よりも、経営者同士の保身が優先される。したがって、持ち合い系列の株主の意見というのは、同義的にはノーカウント。だけど、ルール上は「株主の権利」は持っているので、持ち合いがこういうときにうまく機能(経営者にとって)してしまう。閉鎖するなら非上場にすればいいし、上場してオープンにするなら、身内で株を持ち合って外部の権利をシャットアウトするなんて失礼なことはしないで欲しい。

いずれにしても、既存株主もなめられたもんです。

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フレーバー・オブ・ライフは、ケータイの方が売れた

宇多田ヒカル「フレーバーオブライフ」が売れましたよと。その内訳は、

  • CDは73万枚
  • 着うたフルは130万ダウンロード

と、着うたフルの方が多いとな。逆にイマドキシングルCDが70万枚以上売れることの方に驚きなのだけれど、「逆転」がすごいよねぇと。えっと、実は私も130万のうちの一つです。何かの待ち時間でヒマでどうしようもないときに、315円を暇つぶし代としてダウンロードしちゃう。リアルなCDを買ったり、PCで音楽配信を購入するのに比べるとかなり受動的な行動です。

元ネタ:日経6/4朝刊11面「ケータイが変える消費 下」

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瞬足売れまくり

アキレスの瞬足が売れまくっているそうな。日経6/2朝刊31面より。

  • 瞬足シリーズの2006年度の売上は300万足(前年比1.9倍)
  • サイズ20cmで片足130グラムと軽量

ざっくり小学生の人口は1000万人弱ですから、一人一年1足とすると3人に一人の割合です。今の時代に子供たちが同一ブランドになるのは珍しい現象です。

ちなみに、うちの娘も二人とも瞬足。軽いのはもちろんのこと、以下の点も実体験として評価できます。

  • 見た目がカッコイイ
  • 女の子用のデザインもある
  • 頑丈
  • 2000円台と安い

と完璧です。大人も欲しいくらいの、コストパフォーマンスです。デザインによっては25cmまであるので私でもはける。

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