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「下流社会」読みました

下流社会」読みました。二つとも。この本凄いです。

単なる批評本じゃない。めちゃくちゃ調べている。

このブログではイメージだけの格差論を批判しているけど、「下流社会」はデータをしっかり集めている。

ちゃんと貧困と下流は分けていて、この本に出てくる下流は下層とは違うということは明確に分けている。

ジニ係数などで表される格差は、そんなに酷くはなってないのだけれど(なんせ日本には金持ちが少ない)、感覚値では下流が広がっている。

この本で扱う「下流」は、実際にアンケートで経年評価で自分がどの階層にいるかを聞いていたり、生活充実度というものを統計化していたりする。自己申告だけど、実際に統計としてそこそこの数を調べた上での分析なのである程度信頼できる。

結論から言うと確かに「下流」は増えている。「下流です」と言う人が増えている。さらに「意欲」というものがどんどん減ってきている。これは確かに大変なこと。

分析でおもしろいのは、下流の層はに「自分らしさ」を大事にしているということ。自分らしさという言葉で下流の自分を正当化しているのか、自分らしさの追求の果てに、下流になってしまったのかはわからないけど、一見すると「よい生き方」に見える「自分らしい働き方」と下流が表裏一体なのは、深く反省。結構うかつに「自分らしさ」を礼賛していたかもしれない。

あとおもしろかったのは、下流の趣味はインターネットに寄っているということ。じゃぁ上流は何をしているのかというと、もちろんインターネットもやるんだけど、旅行などの外のレジャーを楽しんでいる。ちょっと前なら、自宅でインターネット使えるのは金持ちの証だったかも知れないけど、ブロードバンドが定額になった今や、人×滞在時間が多いのは圧倒的に下流が多いということになる。これは、インターネット上でビジネスをするものにとって、影響が大きい。手なりでインターネット上の住人に気に入られるものを、拡大再生産していくと、下流にフォーカスしたサービスになってしまう恐れもある。

まだまだあるよ。

人が下流だとか中流だとか感じるのは、他人との相対評価ということもあるんだろうけど、経年評価というのも効いてくる。つまり中流が急激に増えた時代というのは、幼少時代から急激に「人並みの生活」になったとき。くみ取り式のトイレから水洗式のとれになればそれは「生活レベルが上がった」と感じるでしょう。ところが今の日本人は下手をすれば子供の時よりも、大人になってからの方が生活レベルが下がっている人もいる。フローリングも暖かければ便座も暖かい家から「普通のアパート」にすむことにでもなれば、「あれ?」ということになるだろう。

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スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)

スパークス・新・国際優良日本株ファンド というものの存在を知りました。ヴェリタス2008/03/23より。

  • 投資対象は中国やインドの消費拡大の恩恵を受けやすい銘柄
  • 「海外売上高の比率が30%を超えたとたんに売上高は拡大する」として、医療機器、生活用品、スポーツ用品など新興国でニーズが高い分野に注目
  • 銘柄は20ほどに厳選

どこだろう。アジアで伸びている生活用品。ユニチャームとかかな。

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上場企業、株式持ち合いで含み損

上場企業、株式持ち合いで含み損・シャープなど

「株式持ち合い」など上場企業の株式保有で多額の含み損が生じ始めた。シャープが持つパイオニア株は110億円程度の含み損となり、住友商事が今年2月に追加取得した住友金属工業株も大幅に値下がりしている。3月末の株価次第では損失処理を迫られる企業も出てきそうだ。株価が高いうちは目立たなかった株式持ち合いへの批判が今後、株主から強まる可能性がある。

 シャープとパイオニアは2007年9月に提携を発表。シャープは415億円でパイオニア株の約14%を取得したが、株価は2割以上下がり、含み損が発生。一方、パイオニアが取得したシャープ株も20億円強の含み損を抱えている。

日経2008/03/16朝刊1面にも同じ記事があります。

住友商事は「過去から保有する分を含めれば含み益があり、保有方針変更はない」と説明する。

しかし株主にとっては、すでにその含み益が織り込まれた株価で購入しているわけで、含み損はそく株主の損です。

そもそも上場企業が別の上場企業の株式を持つこと自体が株主からみれば意味がないので、事業に投資した以上の利益を持ち合いによって生み出さなくては説明責任を果たしたとはいえません。

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地方の財政格差はウソ

日経2008/03/07朝刊1面、「都市と地方 財政窮乏の実装」より、北海道歌志内市について。

歌志内市の実質公債費比率は2006年度に36.7%と全国の市町村で3番目に悪いので、かなり逼迫した財政です。ここだけを取り出すと、地方の財政格差という安直な結論になりそうですが、赤字なのは都市でも起こりえて、大阪府や千葉市もなぜだか財政は厳しい。

「財政格差」はあるのか。全782市の06年度の住民一人あたり税収と、交付税を含めた一般財源を分析すると「都市と地方」の財政事情が見えてくる。

歌志内市の一人あたり税収は4万9600円で最下位。逆に一般財源は72万3500円と、北海道夕張市についで全国2位。最低の千葉市八街市(17万5300円)の4倍以上だ。税収は産業基盤の厚い都市部が地方を上回る。しかし交付税を加えると、格差が縮小するどころか逆転する。

ということで、収入はすごく多い。あとは効率よく使えているかどうかの問題。

何よりも問題なのは、こういった事実を知らずに、まだ地方への配分を増やそうと叫んでいる人がいるということ。

Yahoo!ブログ - 日本貧乏連盟

6、地方の収入格差が大きくなっているようなので都会の税金の20%を地方に回す。♪

「格差」の内訳として、ちゃんと数字で表している人を余り見ない。「そう思いたい」という願いが事実を見る目を曇らせている。

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