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小麦高騰、コメで代用・農水省検討、米粉増産へ補助金

かなり痛いニュース。「小麦高騰、コメで代用・農水省検討、米粉増産へ補助金」

小麦の国際価格が高騰していることを受け、農林水産省は代替原料としてコメの粉(米粉)の増産支援に乗り出す。来年にも米粉を生産する業者や農家を後押しする新法を通常国会に提出し、補助金を出すことを検討。米粉の流通量を大幅に増やすことで、供給過剰のコメの有効活用と、パンやめんなどの原材料の確保を両立させる狙い。効率的な米粉の生産体制の確立など課題もあるが、将来は輸入小麦の約2割にあたる100万トンを米粉で賄うことも視野に入れる。

 米粉は小麦粉の代替として一部でパンやめん、洋菓子などに使われている。ただ農水省によると、単価は小麦粉よりも5割程度高い。国内の生産量は、団子用の粉などを含めた米粉全体で年間10万3000トン(2006年)と、小麦粉の2%程度にとどまっている。

「単価は小麦粉よりも5割程度高い」これで十分勝負がついている。さらに2008/04/27付の紙面一面でも同じニュースがあります。支援というのはずばり補助金。補助金を出しても生産性が上がるとは思えない。

これだけ小麦が不足しているのに、水田は余ってる。

  • 国内の水田は約270万ヘクタール
  • 主食用の米需要を賄うには6割程度で足りる

それをうまく利用しようとしているんのだろうけど、そんなに高いビジネスチャンスなら補助金は要らないだろうと。

最後の段落には、課題がそのまま書かれています。

仮に米粉の生産量が増えても、収穫量の多い米を作ったり、生産技術を高めたりする効率化が進まなければコストが高止まりして、補助金付になる恐れがある。

また多くの消費者の嗜好に合ったパンやめんなどを作る必要がある。

日経では最後の段落になっていますが、本来なら一番最初に考えるべき課題。誰に対して何をいくらで売るのか?ということが投資を考える上での基本。基本中の基本。

穀物相場は大荒れで、本来ならこのピンチをチャンスに変えていい投資ができるはずなのだけれど、日本では株式会社は農地をもてない。農業に対する投資が事実上「禁止」されている状態。その投資を農水省が主導でおこなっているけど、それがこのありさま。

なんでこんな変な施策がでるのかというと、やっぱりこんな理由。

農水省は06年度に13年ぶりに40%を下回った食糧自給率が再び上向く効果も期待している。

期待できない。食糧自給率というのは作ればOKなのではなく、消費者が日本の農産物を選んだタイミングで意味が出る。

農水省がやるべきことは、消費者のことをよく知っている人に、「なんで日本の農作物って嫌われているんですかね」と話を聞きにいくことでしょう。以下想定インタビューリスト。

  • マクドナルド
  • 吉野家
  • セブンイレブン
  • イトーヨーカドー
  • 日清食品

そりゃぁ高くて不安定な供給だからだよ。って即答されるかも知れませんが。

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「その数学が戦略を決める」読みました

「その数学が戦略を決める」読みました。誰もが絶賛している通りオモシロイ。思い込みや個人の経験よりも、大量のデータがあるのならそこから教えてもらえることの方が多いということ。

単にデータの重要性だけじゃなくて、それを実際にビジネスに生かしている企業もあるという事例が面白かった。

コンチネンタル空港は、フライトキャンセルなどでブチギレた(であろう)客を無作為に3グループに分け、実験している。「放置」「お詫びのお手紙を送る」「お詫び+プレジデントクラブへのお試し入会券を送る」の3種類。当然、放置の客は怒ったまま。お詫びが送られてくると、それで怒りは軽減されて、またお金を落としてくれるようになるらしい。そして恐ろしいことに、プレジデントクラブへのお試し入会した3割は自腹で会員になった。企業として(人としてではなく)エライのは、「何をしたら喜ぶか」だけではなく「そうしないと喜ばないのか?」「もっとカネはとれないか」と試行錯誤しているという点。エライ。

似たようなことは、Amazonでもやっている。2000年の報道だけれども、ユーザによってDVDの価格を変えていた時がある。実際に価格の無作為テストであることは、Amazonも認めている。安くすればいいというのは誰でも分かる。その一方で、「どれくらい高くても買われるのか?」を知っていないと、顧客を知っているとは言えない。

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タクシー値上げで収入減

東京、戻らぬタクシー客・3月運送収入3.1%減

 昨年末に値上げした東京都内のタクシーの客離れが止まらない。東京乗用旅客自動車協会がまとめた東京地区(23区と三鷹・武蔵野市)の3月の運送収入(1日1台当たり)は5万97円と前年同月より3.1%減った。前年水準を割り込むのは7カ月連続で、値上げ後は減少が続いている。各社は値上げによる収入増で乗務員の待遇改善を目指したが、思惑が外れた格好だ。

 値上げ直後の昨年12月の運送収入の減少幅は2.8%。1月が2.1%、2月は0.5%と徐々に縮小し、業界には「値上げが浸透し、近く収入は増加に転じる」との期待もあった。しかし3月は比較可能なデータがある2007年1月以降、最大の減少となった。(09:32)

もちろん、値上げが原因かどうかは分からない。単に景気が停滞し始めたというのも影響としてあるかも知れない。ただ、値上げをすれば待遇が改善するというのは大きな間違いというのははっきりしたと言える。

まるで税金のように、値上げに顧客がついてくると思うのが間違い。タクシーには、バスや電車という競合がある。首都圏ではパスモとSUICAで鉄道がかなり便利になってきている。電車はケータイの乗り換え案内などで、確実に時間と予算を把握しながらたどりつくことができるようにもなった。さらに、オフィスはどんどん首都圏で高層化が進んで、そもそものオフィス間移動が減ってきた。

これだけ、タクシーの代替物が有能になってきているなかで、顧客が昨日と同じタクシーに余分にお金を落とす理由は見つからない。

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「東京、きのう今日あした」読みました

書籍だけど前書きがなくて、イマイチ期待値がつかめなかった。都市計画の本っぽいのだけれど、トーンがエッセイ。

都市計画という結構カネと時間のかかる話で、過去と未来を語っているのだけれど、プランニングとしては間違ったアプローチをしていると思う。

とにかく「今の日本人」が全く出てこない。団地がどーんとあるのは分かるのだけれど、そこの住民の話を聞いてない。人が集うには、それなりのインセンティブがあるはずなのだけれど、そこには触れられてない。著者は人をハッピーにさせたいのか、それとも単に自分の価値基準で、都市の勝敗を判定したいだけなのか。

繁華街として銀座を取り上げているのだけれど、

銀座では、建物が小粒でデザインにばらつきがあり、高さも最高で50メートル程度です。ニューヨークやロンドン、上海の買い物街にあるような迫力がありません。写真に撮ると、清潔ですがおとなしく、あまり外国人を引きつける力がありません。

まず、都市計画に「迫力」を求めるのも変。ちょっとはあってもいいけど。さらに銀座が外国人を引きつける力がないのか?ってところも引っかかる。中国人がバスツアーしているのは何なんだ?中国からのお客 百貨店が熱烈歓迎 : アフター5 : ジョブサーチ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

さらに話はトンデモの方向に進みます。

私のイメージする"将来の東京の住空間"は、ちょっと敷地面積が大きめの戸建て住宅と、3、4階建てくらいの小ぶりのマンションが混在している市街地です。そこえ転々とスーパーとかコンビニとか専門店が混ざっているという街のイメージです。

理由は、「お年寄りが3階に住んでもらって、窓から人々の生き様を眺められる」からだそうです。このニーズはどこから判断したんだ?眺めたいのか?眺められたいのか?著者はどこに住んでるんだ?

東京は、自由で住み易いということに関して。

ホームレスにとっても、こんな居心地の良いところは他にないでしょう。ホームレスになったからといっても誰も非難の目を向けません。無関心です。干渉もしません。深く入らないのです。

完全にイメージで言っているだけ。ホームレスが居心地いいわけないだろうと。大阪のホームレスが、東京に比べて肩身が狭い思いをしているとも思えない。あまりに「人が暮らす」ということを無視しすぎてないか?

あと、古い都市を結んでいる大江戸線(12号線)を褒めています。でも理由が変。

12号線は丸井輪の形をしているので、新宿でサービス業に勤める女の子と、蔵前の町工場で働いている男の子が出会うことが出来る電車です。そういう童話調の話しを次々と東京の中へつくっていける地下鉄です。このような夢を描ける街づくりが東京では重要です。

出会わないと思います。私も乗っているけど、ただの地下鉄です。夢じゃなくて妄想でしょう。本当にこれで都市計画なのか?

あと、要所要所に「外国人を連れてきて喜ばせることが出来るかどうか」という価値基準が登場する。勘弁してくれよと。働いたり住んだりしている人間のことを考えてくれと。「旅行者として」世界の都市を眺めて感動するのはいいのだけれど、僕達が住む場所まで旅行者栄えを優先させてもらっちゃ困る。

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「嫌われてしまえば、ラクになる!」読みました

見切り系の本で今度はこれ。人間関係も見切りが大事ということ。

嫌いな人間とモヤモヤしていると、活動時間や心のシェアが奪われているということが問題だと。人間関係をよくしようとするのではなく、とっとと見切ればいいんだよという話。

普通に育てられると「仲良くする」というのがなぜか大前提になっているのだけれど、そもそも人間関係がないという存在は山ほどあるわけで、取捨選択すればいい。捨てる時に嫌われないようにということを考え始めると、結局縁を切れないので、「嫌われてもイイじゃない」ということ。

また、つまらない人間関係ばかりに時間をとられていると、新しいよい人間関係を作る機会を失ってしまう。

このあたりは、捨てる技術とかと似た話。

ただ、嫌われる瞬間はつらい。人間とは「誰もから愛されたい」と思うので、そこをクリアするのは難しい。この本では、メールで絶縁すればいい的なことが書かれていて、まぁ面と向かってやるよりは多少は楽だけど、なかなかつらいなぁ。

この本ではずーっとケーススタディで、途中から飽きちゃうのだけれど、面白いケーススタディが、「部下に転職を勧める」というのもあった。クビにするシーン。あわないもの同士が居続けることは、確かにいろんな損失を生むのだけれど、分かれを切り出すのはつらいなぁ。

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「見切る! 強いリーダーの決断力」読みました

「見切る! 強いリーダーの決断力」読みましたよ。これかなりいい。

見切ることの重要性と、見切ることがいかに難しいかということが延々と語られている。

あるプロジェクトや習慣を「やめる」ということは、その判断がいかに正しかろうと、それまで推し進めて来た人にとっては、自己否定に映るんでしょう。

不退転の気持ちで臨むというのは、気概としては見上げられる存在にはなりますが、大きな被害も生む。

たまに無鉄砲なプランが成功したりもするけど、そっちの方が「伝説」として広まりやすいだけで、戦争って圧倒的に戦力の通りに勝敗が決まっている。さらに、優秀な武将は、敗戦が濃厚になったときには、それはそれは素早く逃げる。リスク管理がしっかりできている。

ただ、「見切ることを提案してもものすごい抵抗に遭う」というのはさんざん書かれているけど、その対処方法は書かれてない。

まぁ、それ以前に、どうしても人は「仲間に気に入られたい」というバイアスがかかっているので、必要以上に気をつかいすぎている面はある。仲良しグループではなく「強いグループ」であることを目指すというところからのスタートか。

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三菱UFJの統合の規模

システム統合「史上最大の作戦」始動・三菱UFJ、5日計画決定

三菱東京UFJ銀行は5日に開く取締役会で、旧東京三菱と旧UFJで異なる基幹システムを12月に完全統合することを正式に決める。史上最大規模のシステム構築で、5月から順次新システムに移す。年内にATMを9回止めて作業を進めるが、1日1億件もの取引をこなすシステムで障害が起きれば大混乱必至。経営陣の進退がかかった正念場となる。

 「おそらく世界最大。古代エジプトのピラミッド建造に匹敵する動員規模だ」とある情報システム業界関係者は語る。(07:00)

さらに、同日の紙面からも引用。

総額 3300億円 金融界最大
開発 11万人月 ピラミッド建設並み
人員 ピーク時6000人 兼務を入れると8000人が関わる

ということで、スゴイ規模らしい。金融系のエンジニアというのは、3万~4万らしい。なので、このタイミングで2~3割のエンジニアが三菱UFJ統合に関わる計算とのこと。

どっかの急造会議室で大量に人がいるはず。弁当屋でも始めれば需要があるんじゃなかろうか。

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インテル、新興国の学校向けに300ドルパソコン

日経より

インテル、新興国の学校向けに300ドルパソコン

【上海=渡辺園子】米インテルは3日、中国・上海で新興国の教育現場向けパソコン「クラスメートPC」の第2世代モデルを発表した。従来より1回り大きい9インチの液晶画面や動画によるコミュニケーションを楽しむためのカメラを搭載。価格は300ドル(3万円強)程度となる見込み。気軽に持ち運びできる小型パソコンとして学校以外での需要も期待している。

 クラスメートPCはインテルの設計をもとに台湾の精英電脳がOEM(相手先ブランドによる生産)供給する。インドのHCLインフォシステムズや中国の方正科技集団など25社以上が発売を決めているという。HCLは持ち運びしやすいセカンドバッグ風のデザインを採用、教育現場以外の需要も見込む。

そいで、4/4の紙面からさらに補足。

インテルでは小型低価格ノートパソコン「ネットブック」の市場が2011年には世界で年間5000万台を超えると想定している。

たしか今はPCが年間2億台ほどだっと記憶しているので、その1/4くらいの規模感ということですね。

この手のPCはOLPCプロジェクトが旗振り役みたいになっていましたが、本当に需要があるならどこも参入するはず。インテルがすごいところは、今までの成功体験を生かして、パートナーをがっつり押さえながら進んでいるということ。末端ユーザだけではなく、バリューチェーンのすべての関係者を参加させないことには届かない。

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