減反政策見直しへ
世界的食糧価格高騰、官房長官「コメの減反見直し必要」 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
町村官房長官は31日の都内の講演で、世界的な食糧価格高騰への対応策として、コメの作付面積を減らして生産量を抑える生産調整(減反)を見直す必要があるとの考えを示した。
町村氏は、「世界で食糧不足の国があるのに、日本で減反しているのはもったいない。減反政策を見直していく必要があるのではないか。農地政策の根本にさかのぼって今の農業政策を見直すことが、世界の食糧価格高騰(への対応)に貢献できる道ではないか」と指摘した。
欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は5月に農地の減反を全面的に廃止する農政改革案を発表している。
さらに日経2008/06/01朝刊より
日本人の米離れが進み、現在、主食用のコメは国内の水田の6割程度で生産をまかなえる。
(中略)
そもそも日本のコメは国際的な価格競争力が低い。日本のコメの生産コストは米国の8倍程度。そのコメを国際価格の高騰で調達が難しくなったアジアやアフリカに商業ベースで輸出できるかは不透明。
「不透明」と書いていますが、日経新聞は「無理なんじゃない?」というトーンです。高くて日本人にも毛嫌いされているのに、それを世界に輸出できるレベルまで生産性を高めることが出来るのかと。
減反政策というものそのものが、生産を絞って価格を高値につり上げるという消費者軽視の政策です。コメの価格が高くなるだけではなく、補助金も使われるので、納税者と消費者の両方から財を農家に移動しているということになる。それで日本の農業が成長するならいいのだけれど、かえって弱体化している。
さしあたって、海外に輸出できる価格競争力をつけるには、コストを1/8にする必要がある。世界に供給するには量も必要なので、農家の体制はそのままで生産量を8倍にするというのがいい。8倍作っても収入が変わらないというと農家は不満かも知れないけど、毎年生産性を二倍にして3年つづけば8倍。そこそこの厳しさ。
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Comments
小麦による医療費増加(糖尿病)などの外部不経済を考慮すると、小麦よりも米のほうが安いのでは。
Posted by: dd | 2008.06.18 at 06:01 PM