一行にファイナンスを勉強するつもりのない鳩山邦夫にイライラしているのですが、ここ数日の日経より。
前回はこちら
裏紙: かんぽの宿の価値はいくらなのか?
http://yugo-yamamoto.cocolog-nifty.com/uragami/2009/02/post-9287.html
日経02/20(金)朝刊経済2面「かんぽの宿 簿価、適正か低すぎか」より。19日の衆院予算委員会での話。
- 固定資産税評価額は856億円
- かんぽの宿79施設(社宅含む)の簿価は123億円
- 「価格があまりに違うことに驚いている」(鳩山邦夫)
んで、どっちが正しいかということですが、簿価は会計上の価値なので、こちらが社会通念上は正しい。税評価額というのは、国が税金を取りやすくするための価値算定ですから当然高めに出る。そして不動産単体をみて、その上にのっている事業の採算性は無視される。事業のない土地に価値をつけるという税評価の方法自体が無意味なので、まぁ無視していい。そして、そんな価値のない土地に高い固定資産税がかかるということも、「不良債権」としてマイナス評価してよいポイント。なので、ここは「そんなにダメな資産なのか」と驚くべきところ。おそらく鳩山邦夫は「そんな価値の高いものが二束三文で売られている!」と驚いているんだと思います。逆!逆!
はい次。02/21(土)の日経5面、「かんぽの宿多難な再譲渡」より、かんぽの宿についたいろんな価格が一覧になっていました。
- 簿価
- 123億円
- 2008年9月末、収益性をみたバージョン。社員の引き継ぎを前提
- 335億円
- 2007年3月末、従業員の引き継ぎを前提としないバージョン
- 713億円
- 2006年3月末、減損会計の手法が確率しなかった頃
- 固定資産税評価額
- 総建設費
- 2400億円
- 土地代と建物代の合計、地価下落と建物の老朽化は考慮せず
という具合に、桁違いの額がある。下から順にたたいていく。
まず総建設費の2400億円には意味がない。そもそもかんぽの宿自体が公共事業のようなものだから、よりコスト高になる。亀井静香が「おれが工事をとってきてやった」と豪語してたのを思い出します。やりたいことは、地元にお金をバラまくことであって、事業価値の向上ではない。
次に、固定資産税評価額。土地の価値は売買実例だけど、かんぽの宿は土地の売買ができない前提で売り出されている。さらに建物が「再構築価格」というのがちゃんちゃらおかしい。中古の建物を売る際に「立て直したときの価格」で買ってくれる人なんていない。
簿価の算出方法を見ていくと、簿価といえど収益還元で査定をしているようですね。なので収益性が悪いのがそのまま簿価の低さに結びついてる。ちなみに収益性を還元して価値算定するのは、今の社会では「共通認識」であり、「国際ルール」に近いです(実力がばれるのでいやがっている人はたくさんいますが)。
鳩山邦夫は「効率の悪さを改善すれば黒字化できる」と言い切っていますが、なら鳩山邦夫が買えばいい。オリックスよりも高値かって、あとは従業員を抱えたまま(オリックスと同じルール)経営改善して黒字化すればいい。自己資本がなければ、収益改善の計画を出して借金すればいい。あとは「価値算定と価値向上のセンスを鳩山邦夫にはある」と投資家が信用してくれればすべて解決。
自らはリスクや責任を負わずに、国民の資産を不良資産にしちゃうやつはけしからんということです。
Recent Comments