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「コンビニ」が日本のグローバル産業の一つになるかも

日経5/30朝刊「大機小機」より、コンビニがすごいじゃなかろうかという話。

  • 日本のグローバルカンパニーと言えばトヨタをはじめとする大手製造業
  • だけどこれから変わり始めるかも
  • マクドナルドの世界店舗数は2005年時点で3万。
  • セブンイレブンは世界でいま3万6000店舗ある
    • 日本で1万2000
    • 海外で2万4000
  • ちなみにウォールマートは店舗数だけでみれば約8000

海外店舗という点だけでみれば、セブンイレブンよりもファミリーマートの方が海外店舗数は多くなりそうです。コンビニ業界全体が、日本での熾烈な競争という地区予選を勝ち抜いて世界に出て行きそうということです。

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二次買い取りファンド

ゴールドマンサックスが攻勢にでていますね。

  • 公的資金の早期返済を公言
  • 4月中旬には、総額55億ドルの「2次買い取りファンド」を設立
  • 「損切り」を迫られている他の金融機関から出資相当分を安値で買い取る

ということのようです。(日経5/28日7面より)

日本だと損切り物件を買いあさっているとそれだけで批判の矢面に立ってしまいそうですが。

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資金調達機能を持つことだけがビジネスモデルのような企業がある

日経5/19朝刊15面、一目均衡より、新規上場が少なくなっていることに関する記事。景気が悪いというのももちろんあるのですが、上場審査が厳しくなっているということも指摘。

もちろん、取引所にも事情がある。上場直後に粉飾決算が表面化したりする企業が後を絶たないためだ。証券取引等監視委員会も「資金調達機能を持つことだけがビジネスモデルのような企業がある」(佐渡賢一委員長)と警戒する。

企業会計レベルでも、P/LのPはあくまで本業で稼いだ売り上げがベースです。お店で100万円を売り上げると、100万円というお金は確かに入ってきます。しかし100万円を銀行から借りてもそれは100万円の売り上げにはならない。

上場=資金調達=お金持ちと思ってしまう。いやいやそれは「稼いだ」カネじゃなくて「調達した」カネなんです。運用してお返しするものなんですよと。

こういうのを目にすると、キャッシュフローはあくまで会計上の利益の理解が深く進んだ上で意識させるようにした方が教育上よいなと。

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GSもMSも長期の業績評価に

日経2009/05/27朝刊7面「アメリカ 再生への道 高額報酬 高まる批判」より。

こないだのアメリカのバブルでは、金融業界に勤める労働者が高額報酬を受け取って、勝ち逃げしていることが批判されています。契約としてそれが正しくとも、短期的に利益をあげればよいという姿勢は、金融業界にとってもよろしくない。お金を預けてもらえなくなるから。

ということで、ゴールドマンサックスもモルガンスタンレーも報酬体系を見直しているそうな。

  • ゴールドマンサックス
    • 従業員は長期の業績で評価し、報酬は現金と株式による後払いを組み合わせる
  • モルガンスタンレー
    • クローバック(回収)という制度を導入。報酬の一部は支払いを3年後に繰り延べ、その間に損失を出した従業員は繰り延べ部分の報酬を受け取れない

さすが経済の専門かだけあって、「インセンティブ」をうまくりようした制度。

ただ、「長期」というのが何年なのかというのは難しい。モルガンスタンレーは3年と置いていますが、バブルが3年以上続くとやっぱり「バブルの勝ち逃げ」が出来てしまう。そして前回のバブルは3年以上続いていたんじゃ無かろうか。だけど5年というレベルになると、国債のレベルのスケールの話をしている。

一番のネックは、こういう投資銀行にお金をあずける人(年金含む)が本当に長期的な成果を要求するのかということ。明らかに必要な増税の議論は先に延ばすわ、長期的には体に悪いと分かっているたばこはやめられないわと、ウォール街でなくても人間というのは目先の満足によりがち。

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ジャパン・オプション

日経2009/05/27朝刊9面より、「ジャパン・オプション」という見慣れないフレーズがあったのでメモ。

核兵器を作るには次の要素が必要です。

  • 核兵器を製造するのに十二分なプルトニウム
  • それを弾頭化する技術
  • 長距離ロケット

そして日本はきれいに3点そろっている。それに対してどこかが脅威を抱いているというわけではなく、実際に核をもっていなくても十分世界に対して「戦略」として通じるのではないかということです。それがジャパンオプション。

  • 日本は見えない核抑止力を持っている
  • イランがそれを模倣しているのではないか
  • ということを、アメリカの国防長官周辺の高官や安保専門家は「思っている」

とまぁ、日本やイランが何も言っていないところで、アメリカの一部の専門家が分析しているということを、日本の新聞が言っているということなので、「事実」からはだいぶ遠いですが、「解釈」としては無理はない。

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電池生産の国別シェア

電池生産の国別シェア
リチウムイオンは追い上げられる可能性大

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日販・トーハンが返本削減に本腰

本屋さんの本というのは、本屋さんから取り次ぎに返品が可能なシステムです。正確には仕入れていないので、返品ではなく返本ですね。本屋さんに本を「置かせてもらって」いるだけで、売れれば売れたでOK。売れ残りは引き取りますという制度。これが「委託販売制度」です。

委託販売制度でやりにくいのは、本屋さんが自由に値引きするということ。なので本屋さんが違っても本というのはどこでも同じ値段で売られることになる。この制度により、出版社は、「売れないかも知れないけどまずはおいてみて」ということができるし、本屋さんは「売れないかも知れないけど置いとくか」ということができて、その側面においては良くできた制度。別にこのルールに従う必要はないのだけれど、国内の出版物の9割以上が委託販売制度で流通しています。

ところが、それに甘えてあまりに、返本できるということで、明らかに売れる点数以上の点数を発注するケースもある。本当に外れているだけかも知れないけど。

ちなみに2008年返品率は40.1%と、前年比0.7ポイント上昇。出版物の売り上げが減っている中返品率が上がるというのは、ハズレが増えているということ。4割というのはあくまで平均。ベストセラーの返本率が低いことを思えば、半分以上を返本されているものもあると予想されます。

そんな中、取り次ぎが委託販売制度の中で、「出来るだけ返本しないで」キャンペーンを展開中。

  • 日販
    • 大きな書店を対象
    • 返品率の改善目標・販売目標を設定
    • 達成すると報奨金を出す
    • 未達の場合は違約金を取る
    • 今年度末に500書店に適用するのが目標
    • 報償金の費用負担は出版社にも呼びかけ
    • 当初は50程度の出版社での参加を目指す
  • トーハン
    • 書店からの返品率を2割に抑えることを条件に
    • 書店が希望する配本量を保証する
    • 昨年に全国2000店を対象にこの制度を導入したところ返品率が5%程度に改善

インセンティブの持って行きからするとトーハンの制度はとても筋がよい。書店が多めに発注するのは希望した数の配本が得られないということも背景にはあります。「ちゃんと配本するからちゃんとした数を発注して返本を減らしてね」というのは、商いとして至極まっとうな取引です。

そうはいっても、委託販売制度というシステムそのものがくたびれてきたのも事実。ということで、印刷会社や出版社はブックオフの株を取得したと。

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WSJはオバマさんの燃費規制に批判的

日経2009/05/26朝刊7面「海外論調 米の車燃費規制強化 批判と称賛交錯 ビッグ3圧迫も」より。アメリカでは自動車の燃費を2016年までに4割引き上げるという燃費規制強化策があがっています。

米ウォールストリートジャーナル社説(20日付)は「米国の新たな自動車はほとんどハイブリッド車や電気自動車になってしまうだろう。しかし米国民が価格にかかわらずそれを買うだろうか」と疑問を提起。「ビッグスリーは売れず利益を生まない自動車を生産することになり、納税者が負担を負うとういうことだ」と批判した。

一個人が言うならともかく、新聞の社説でどうどうとエコカー批判をするというのはアメリカらしい。エコカーは「欲しくもなければ」「作るうまみもない」ということのようです。このあたりは消費者も生産車も「省エネは善」と思っている日本のカルチャーはすばらしいなと思います。

こういうのを見ると、アメリカもガソリンには日本なみに税金をかけた方がいいなと。

そういえば、夏のエアコンの温度を上げてエネルギーを節約するということが、そこそこちゃんとした組織(客商売も含む)で許されるのも日本ならでは。

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日高屋は黒字でも店舗を閉鎖する

日経2009/05/29朝刊15面、「増収増益企業を探る ハイディ日高 新陳代謝で高い利益率 出店は首都圏の駅周辺に」より。

  • 今年1月に日高屋の新宿歌舞伎町店を閉鎖
  • 閉店の理由は歌舞伎町の利益率が10%未満だったということ
  • 全店平均の営業利益は15%
  • 赤字の場合は開店後2週間で占めるという魅せもある
  • 前期末220店舗のうち赤字は二店にとどまる
  • これまでに店舗の減損損失を計上したことはない
  • 出店は首都圏で1日あたりの乗降客5万人以上の駅周辺に限定
  • 売上高に占めるアルコールの比率は15%(居酒屋でも無いのに高い)

確かに日高屋は昼も夜も客が入っています。夜は飲み屋さんみたいな感じですね。

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日本酒の消費量が落ちている

日経2009/05/25朝刊5面「インタビュー 領空侵犯」より、日本酒の消費が落ちているという記事。記事ではどうやって盛り上げるかという話ですが、素データをメモ。

  • 日本酒は1975年をピークに30年以上にわたって消費量が減り続けている
  • 現在の国内の消費量はピークの3割しかない

感覚値にもあいます。私の子供の頃は、近所の酒屋さんが一升瓶のケースを配送して回収するという習慣が残っていましたが、とんと見かけなくなった。子供のコレクションに日本酒の栓というのも私の子供のころで終了でしょう。

会社を通じてのつきあいでも日本酒ではなくビール。

日本酒もディスカウントストアで、紙パックやペットボトルで売られるようになると、あまりおしゃれじゃない。安くで酔っぱらいたい人に対してはニーズに応えているのかも知れないけど、あまりにそこのユーザにフォーカスしちゃうと、文化としてのお酒のポジションがどんどんなくなっていく。

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どっこい卸は生きている

日経2009/05/25朝刊9面、「経営の視点 どっこい卸は生きている 流通革命の隠れた主役」より、意外と日本の卸というのは価値があるのではないかという記事。

そもそも日本はアメリカに比べて、小売店に対する卸の数が多いという点で非効率な流通であるという指摘がありました。バブル崩壊後はだいぶ卸の数も減りましたが、それでも他の先進国に比べるとまだ多い。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5630.html

記事では、卸が小売りに対する在庫管理機能を持っているというところに着目しています。

  • 在庫と売掛金の回転日数を足したものから、買掛金の回転日数を引いてはじきだす値をキャッシュギャップ(CG)と呼ぶ
  • 有力食品スーパーのキャッシュギャップはマイナス
    • これは手元に常に現金があるということ
  • メーカーとの直接取引が主体の米食品スーパーでは、多くのケースでキャッシュギャップがプラス

つまり日本の食品スーパーは在庫を持たず、売る直前に仕入れているということ。小売りなので売れば即現金がはいる。その現金を使って翌日の仕入れができる。非常に薄いバランスシートで運営できている。

私が今働いている、新橋/銀座の飲み屋さんも、毎朝築地から仕入れています。毎朝なんて非効率なようにも思いますが、

  1. 新鮮なものを
  2. キャッシュが手元にある状態で
  3. 現金取引をする

ということで、非常に健全な在庫回転を行っている。大量に仕入れれば安く仕入れれるというのは局所的には正しいのだけれど、売れるものを売れるタイミングで売れる数だけ仕入れるということとコンフリクトを起こすケースもある。

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スマートフォン 世界シェア 2009年1-3月期

日経土曜日朝刊11面より、スマートフォンの世界シェア。ガートナー調べ。カッコ内は前年同月比。

  1. ノキア(フィンランド)41.2%(▲3.9)
  2. RIM(カナダ)19.9%(6.6)
  3. アップル(アメリカ)10.8%(5.5)
  4. HTC(台湾)5.4%(1.4)
  5. 富士通(日本)3.8%(▲0.3)

そもそもこの時期のスマートフォンの世界の売り上げが3640万台なので、あとはそのパイを分け合っている上でのシェア。シェアが落ちたとはいえ、普通の電話でもスマートフォンでも両方でシェアをとっているノキアがめちゃくちゃ目立つ。

スマートフォンのメインは企業ユース。そうなると企業システムとの連動をウリにできるブラックベリーが生き生きする。

根本的な問題として何をもってスマートフォンと呼ぶかがよく分からない。ゴツイキーボードがついているというイメージもあるけど、iPhoneはそうではない。アプリを開発できるという要素もあるけど、日本のケータイはとうにあれこれ配信できる。勝手アプリが配信できるという基準で考えようとすると、今度はiPhoneがそこから脱落して、ドコモiアプリの方がよりスマートフォンらしくなる。

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農業は過剰就労

日経5/19朝刊経済教室「農業ビッグバン 今こそ」より、山下一仁氏のレポート。

農業が雇用の受け皿として騒がれているけど、本当に農業は人手不足なのかということを検証している。

  • 2007年の農業の生産額は8兆2000億円
  • 一方でパナソニック1社で2008年の売り上げは9兆7000億円
  • パナソニック従業員31万人に対して農業就業人口は299万人
  • 農業のGDPを農業就業人口で割れば、一人あたりは最大でも年間157万円

つまり農業が生み出す価値に比べて農業就業人口は多すぎるということ。人が多いのか価値が低いのか、その両方か。

パナソニックとの就労人工との比較はやや気の毒。パナソニックだって従業員だけで全てを作っているわけではなく、いろんな下請けを使った上での売り上げ。

一方でGDPは素直に受け取るべき。今の売り上げでは農業は下請けに出す余力さえない。外国人を跡継ぎにという選択肢さえ存在しないくらいに市場価値が低い。

食糧自給率がどうのこうのといっているけど、国民が農業に認めている価値が、家電会社1社を下回るのだから、労働構造をいじることには意味がない。ましてや減反で生産量を減らしたところで価値が上がるわけでもないし、輸入品に嫌がらせをしても、やっぱり国内生産物の価値は上がらない。

日本の農業の過剰就労は事実なのだけれど、農業就労者が減っているのも事実。地方の子供であっても大学を卒業して上京して企業につとめるというスタイルはよく見かける。ほっとけば農業就労者は減るので、あとは農地をいかに手放してもらって本気で価値を作れる人に渡せるかというところがポイント。「田んぼを手放す」というのは、ご先祖様に顔向けできないという価値観の中、日本の農業の価値を向上させるという「緊急かつ重要」なゴール設定を共有するところが重要。

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ハイブリッド電池戦争

日経2009/05/22朝刊13面「グリーンインダストリー 第二部 ハイブリッド車舞台裏 下 電池戦略 積極投資、正気逃がさず」より、電池の話。

  • トヨタ
    • パナソニックと共同出資する電池生産会社のパナソニックEVエナジー
    • 300億円を投じて2010年にも宮城県大和市に新工場を建設
    • この工場が稼働すれば現在の60万台から100万台に高まる
    • 一方でプリウスの発売前受注は8万台(足りるのか?)
    • リチウムイオン電池は今のニッケル水素の2倍の容量で将来性が有望なためニッケル水素の生産能力を闇雲に上げるわけにもいかない
  • ホンダ
    • インサイトのニッケル水素電池は三洋電池
    • リチウムイオンはGSユアサ
    • ホンダとGSユアサが共同出資する「ブルーエナジー」は250億円を投じて来年秋までに新工場をつくる

ということで、電池への投資がとても多い。そして需要も今急に増えている。これが恒常的な物なのか、今の政策での特需なのかは分からない。さらに、ニッケル水素からリチウムイオンへの過渡期というのもつらい。

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ソネット・エムスリーのMR君

日経2009/05/20朝刊15面よりソネットエムスリーのネタ。

  • m3.com
    • 会員数が2009年3月末で17万4000人
    • 国内の医師の6割強をカバー
    • 医師の会員登録は無料
  • 製薬会社からの売り上げ
    • 年7000万円の基本料金
    • メールを一人の会員に送るごとに100円
    • MR君はエムスリーの売り上げの6割を占める
    • 3月末で契約する製薬会社は26社
    • 前期は一社平均で2億円の売り上げ
    • 売上高営業利益率は50%

ということですごいねぇと。上期の顧客単価が2億って。

お医者さんはMRの営業を個別に受けないので、MR君経由の方が絶対にいい。そうなるとMRの人はMR君を経由するしかないので、この関所の「無くてはならない度合い」がすさまじい。便利という価値の他に「代替不可能」という価値もある。

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NAND型フラッシュメモリがそろそろCDの代替物に

日経5/13朝刊商品面より、NAND型フラッシュの話題。価格がかなり下落したNAND型フラッシュですが、その結果CD-ROMとの価格差が埋まってきた。

  • NAND型の16ギガ
  • 契約価格は3月末時点で3.25ドル
  • スポット価格は5月中旬現在で4.5ドル
  • 二年前と比べていずれも6-8割安い

CD-ROMは一枚20-30セントに対してFlashメモリは主力品で1ギガあたり2-3ドルなので、メディアの料金だけを見れば10倍以上ですが、「差」を見れば数ドル。そのメディアに何らかのコンテンツを入れて、一個あたり数十ドルの売価になれば、メディアの料金はだいぶ目立たなくなります。

実際にソースネクストはUSBメモリーでソフト販売を始めています。背景には、今のノートパソコンでドライブを持っていない物が出始めているということ。今後も2-3割のPCがドライブ非搭載になるものと予想されます。

NAND型には、二値品と多値品の二つがあって、多値品は容量を増やしやすいが書き換え回数が限られるという特長があります。新型の多値品はさらに書き換え回数が限られますが、今の多値品よりも3割程度安くなります。いっそうCD-ROM用途に近くなります。

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「 ソニーは甦るか」読みました

ソニーは甦るか」読みました。

これも釣りっぽいタイトルで、あまり期待せずに読んでみたパターン。

そして内容は薄っぺらい。

「甦るか」というタイトルに対して、何を持って「死んでいる」と見なして、何をもって「生き返ったか」を全く定義することなく、ひたすらノスタルジーに浸っているだけ。

せめて筆者としてはどういう企業を期待しているのかが定義されていればまだいのだけれどそれもない。ベストなのはマーケットがソニーに対して期待しているハードルを設定していればいいのだけれど、筆者自体がマーケットを知らない。

PS3がいけてないという下りがある。PS3がWiiに比べて売れてないのは分かるが、果たして不合格というレベルの失望をユーザからもらっているのかどうかは分からずじまい。ゲーム部門は黒字化しているけど「輝きが色あせているという指摘が多い」と意味不明な不合格指定。この本では、PS3 の失敗を次のように分析している

  • 久多良木氏が迷走して信頼を損なった
  • 高価な開発ツール
  • 半導体レーザーの開発の遅れでブランドイメージが傷ついた
  • 価格戦略などの迷走でブランドイメージが傷ついた
  • セルがパッとしない

どれもこれも、ユーザにとってはどうでもいいこと。私も家にはPS3ではなくWiiがおいてあるくちだけど、PS3を買ってない理由は上記のどれでもない。ゲームはおもちゃ。サンタさんは子供が喜ぶかどうかでおもちゃを選んでいるんであって、作り手の熱意に共感しているわけじゃぁない。100歩譲ってゲーム開発参入がPS3がやりにくかったとしても、WiiやDSが参入障壁が低い訳じゃない。新しいコントローラーや二画面やタッチペンという全く新しいUIはそもそも企画段階で大きなハードルになる。「はじめてのWii」をWiiと同時に出されたら、あとは何やっていいか分からない。逆に本当にユーザに受ける企画があるのなら、開発ツールの価格が高くても参入する。

ソニーウォッチャーはソニーに勝手な高いハードルを用意して勝手に失望している。しかし一般ユーザはソニーに対してさほど高い期待も持っていなければ失望もしていない。何となく良さそうなハンディカムを買って、なんとなく良さそうなブラビアを買っている。

またこの本では、やたらとソニーの「ウォークマンの成功体験」を取り上げているのだけれど、私でさえもウォークマンの思い出はもうない。確かにウォークマンはヘッドホンステレオの代名詞だったけど、アイワのウォークマンや遊歩人というウォークマンがすでに出回っていて、この本が言うほどウォークマン王国が盤石で長く続いたとはとても思えない。

さんざん「ブラビアは今はいいけどすぐにコモディティになる」「ハンディカムも今はいいけどみんなユーチューブに投稿するとなると王者の座は奪われる」とただ、何のスケジュールも提示せず盛者必衰をさけんでいる。そりゃぁ当たるに決まってる。そして盛者必衰を叫ぶだけなら分析とは言わない。この本の言うとおりに過去までさかのぼるとウォークマンさえ開発中止だ。

結局ソニーはカイなの?ウリなの?にはまるで解は提示していないし、投資家視点ではなく社会的存在として、ソニーの事業はどうなの?ということにもまるで解答をしていない。

私個人は、ソニーは普通の優良メーカーの一つ。

  • SDカードの方がメモリスティックより安いのでデジタル家電はほとんどパナソニック
  • テープの頃はハンディカムだった
  • VAIOは薄すぎて壊れそうなので買わない
  • ラジオはソニーだった
  • 保険はソニー
  • 銀行もソニー
  • フリーズしないし電池のもちがいいので、iPodじゃなくてウォークマン
  • ケータイはウォークマンケータイ、音楽機能はすばらしい
  • ゲームはWiiだけでPS3は持ってないし買わない
  • DSは家に二台、PSPは持ってないし買わない
  • 007やスパイダーマンは大好き

ソニーというブランドはさほどどうでも良くて、プロダクト単位で選択している。さしてメーカーにはこだわりがない。マーケットでスケールするにはこだわりがない人にも受け入れられる必要があるのにも関わらず、ソニーを酷評している人は、自分達のこだわりの味覚に合わないといって、「わくわくしない」とソニーを切り捨てている。だから「原因」にたどり着かない。

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「人たらし」のブラック心理術 読みました

釣りタイトルに釣られて読んでみるシリーズ。

こんな物に釣られないぞと思って放置していたけど、読んでみるとどうだろうかと思って読みました。

『「人たらし」のブラック心理術』と『「人たらし」のブラック謝罪術』の二つ。

表紙からしてライトな感じだけど、読んでみると割とまともなことが書いてあった。

  • 雑学は知っておくべき。特に「健康関係の雑学」は鉄板
  • 相手の瞬きを数えると(つまり目を見ると)尊敬してもらえる
  • やせておけ。眉間と鼻の下には満腹中枢を刺激するツボがある
  • 好かれているかどうかは、飲みに誘って断られないかどうか
  • 恩を受けすぎるのはいやなもの。だから飲みはワリカンで
  • 「勉強しろ」ではなく「あなたは勉強が好きなのね」と言う「レッテル貼り」の方が聞いてくれる
  • 「今日中に片付けろ」ではなく「今日中に片付けられる?」
  • 「なぜ?」と質問するのは否定ととられる
  • 「いい線だね」と評価するともっとがんばってもらえる
  • 「例えば」で相手の譲歩を引き出す
  • 「壊れたレコード戦略」で、理屈なくただ頼む(謝る)という方法もある
  • 事前謝礼は相手のやる気を高める

個々のテクニックにはそれなりに実験結果があって、それをさらに解釈しているという感じなのだけれど、一人の人間として納得出来る部分も多い。

「人たらし」というワードでまるで仲間内で人気者になることを推奨しているようだけれど、どちらかというと「影響力の武器」のように、人を動かすためのハック集になってた。なので満足。お願いが聞いてもらえるならもうちょっとダイエットをがんばろうかと。

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「実学入門 経営がみえる会計―目指せ!キャッシュフロー経営」 読みました

「実学入門 経営がみえる会計―目指せ!キャッシュフロー経営」を読みました。生まれて一番はじめに読んだ会計本なので、私にとってはインプリンティング対象。

財務諸表を「作る」スキルと「読み取る」スキルを明示的に分けて、徹底して「読み取る」スキルの重要性とその基礎をたたき込んでくれている。だからこの本では「簿記」が登場しない。

この本も3版になって、紹介する事例もリニュアルしている。だけどベースとなるところは変わっていなくて、ちょっとほっとする。

さらにこの本の凄いところは、初めて読んだときの感動と、二回目以降の感動にめちゃくちゃ差があるということ。初心者にとっては砂漠の水になる。つまり、ちょっとでも会計の知識がある人には、この本って書きづらいはず。他にも会計本はあるのだけれど、どうしても簿記ベースで「習うより慣れろ」というトーンなのに対して、「経営が見える会計」は、初心者に対しても「説明する」「理解してもらう」ということをあきらめていない。

「目指せキャッシュフロー会計」というサブタイトルもついていますが、この本の初版が出た頃はまさにキャッシュフロー元年のころ。バズワードにも見えるキャッシュフローの「存在意義」をまじめに説明している。今はどうかというと、会計上はキャッシュフローは根付いているけど、一般の人(立派な社会人も含まれますが)でさえも、利益とキャッシュの区別がついていない。

利益とキャッシュの区別に関して、キャッシュフローという言葉がない頃に、自力でキャッシュフロー経営を発明しながら経営して来たという話が載っているのが「稲盛和夫の実学」。

『配当をするお金が無くて、わざわざ銀行から借りてくるというのでは、儲かったと言えるのであろうか?』と尋ねた。経理部長は『はい、それでも儲かったというのですと答えた

社長の立場で利益とキャッシュフローの違いに戸惑いながら真正面からぶつかっていっているのが生々しくていい本です。

経営が見える会計では、利益とキャッシュフローのほかに、所得という概念も持ち出しています。利益は商法(会社法)が定義する会社の儲けですが、税法では利益ではなく所得が儲けたという定義です。

  1. キャッシュフロー(収入/支出)
  2. 利益(収益/費用)
  3. 所得(益金/損金)

「○○は損金扱いになる?」というような話題があれば、それは税金をどれくらい支払う必要があるかを話題にしているということです。

また、一版から続いている「100円バーガーの原価率が値下げ前よりも下がっているのはなぜか?」というのは利益構造を理解する上で不朽の名作事例でしょう。

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減損会計でのナンピン買いはNGになりそう

日経5/14朝刊4面、『減損会計 適用で火花 「ナンピン買い」認めるか■株価下落の基準は』より。

そもそも減損会計というのは、企業が持っている株式の価値が下落した時に、「まだ転売していなくても」「今売ったら損をしているということで」ちゃんと損失を計上しましょうというルールです。

株式を取得した時の価格を「簿価」、市場価格を「時価」と呼びますが、時価が簿価の一定基準を下回ると、損失を出さなくちゃいけない。10%やそこいらの価格変動ではいちいち損失計上はしないというわけです。その一定基準というのはかっちりしたルールにはなっていませんが、目安としては50%というのが標準的です。

「時価が簿価の半分になったら企業は株式の損失を出さなくちゃいえない」というとシンプルなようですが、以下の場合はどうでしょう。

  • 去年40万のA社の株を100株買った
  • 今のA社の株は20万円
  • ということは価値は半分になった
  • だけど今A社の株を追加で100株買った(20万円で)
  • 株の取得価格は「平均すると」30万円

こういう風に、株価が下落したら追加で買えば、確かに平均取得価格は下げれる。こうやて追加取得による平均取得価格を下げる手法を「ナンピン買い」と言います。

企業からしてみれば、追加取得したタイミングが「たまたま」市場価格が安かった場合にはナンピン買いといわれる筋合いはないのですが、見方によっては損失計上を逃れるために必要もない(さらに下落中の)株を追加で買っているようにも見える。

ということで、現在のところ監査法人大手の新日本がナンピン買いを認めない方針を通告しているようです。正確にはナンピン買いを認めないとというよりも、ナンピン買いをしても追加取得前の価格を簿価としてその下落の幅をみるということです。

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教職員の組合加入率、最低

日経5/4朝刊教育面より。

  • 公立校の教職員の組合加入率が過去最低
  • 2008年10月時点
  • 加入率は44.1%
  • 前年度比0.9ポイントダウン
  • 内訳
    • 日本教職員組合 28.1%
    • 全日本教職員組合 6.4%
    • 日本高等学校教職員組合(右派) 1.0%
    • 全日本教職員連盟 2.2%
    • その他 6.4%
    • 非加入 55.9%

日教組だけじゃなくていろいろあるのね。どっちにしても加入者は減り続けている。教職員の労働組合というと労働条件の改善交渉だけではなく、政治的主張もセットという点がもともと加入をためらう要因になります。

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農業の離職率

日経5/11朝刊1面、『経済再生 出口への試練 雇用不安止まるか 「止血」後の職の創出カギ』 より、農業の定着率がすごく悪いという記事。

40年間で7割以上も就業人口が減った農業。追加経済対策で政府が拡充した「農の雇用事業」は、就農を希望する人を農業法人で雇って経験を積ませる試みだ。研修費として月に最大9万7000円を最長1年支給する。すでに約1200人が参加し、政府は今回の対策で2000人分を追加した。

問題は定着率の悪さ。これまで積極的に希望者を雇ってきた茨城県東海村の農業生産法人、照沼勝一商店でも1年間で3-4割しか残らなかったという。

定着率が悪いと言っても、普通の会社も悪いだろうと思って読んだら、本当に悪い。

農業法人ということで、連想したので高橋がなりさんのインタビュー。
http://www.youtube.com/watch?v=vkTENjvsDlE

テレビで高橋がなりさんが言ってたことによると、新人に「儲けろ」というと「いやです」という問答があるらしい。ビジネスがイヤで農業をやろうとする人が居るのかもしれないけど、農業も業である以上はビジネスの枠組みでやるしかない。

いつの間にか仕事ということそのものが「やりたいことをやる」というのが正解あつかいになっているけど、大前提として「人が喜ぶこと」「ないと困ること」が仕事。その選択肢の中で自分が一番貢献できる領域を探せばよい。

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ヤフーウォレット本格開放

日経5/9朝刊11面「電子決済システム ヤフー外部サイトに解放 NTTデータなどと組む」より。

すでに、ヤフーウォレットは160社に使ってもらっているようなのですが、今回の施策はNTTデータをはじめとするサイト構築にかかわる会社に代理店販売してもらうということのようです。

  • 利用企業を2010年度で一万社に増やすのが目標
  • システムはASPとして提供
  • 基本料金は月額3000円から
  • 物品販売価格の3.6%、動画配信などのコンテンツ提供価格の9%を手数料としてヤフーが得る

コンテンツ提供価格の9%というと、ドコモの手数料と同じ。どこにも書かれてはいませんが、個人課金のベンチマーク対象として携帯を置いていると推測されます。携帯上でコンテンツを販売する業者は、手数料という観点ではドコモ決済の横並びにヤフーウォレット支払いを並べる意味はあります。

ただ、今みたところ、携帯版のヤフーウォレットの解説はクレジットカードがないとダメみたい。そうなると携帯ヘビーユーザーをとりこぼすことになる。

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プレストン効果

日経5/8朝刊1面「世界この先 第三部見えてきたもの いら立つ若者 民主主義も再生の時」より。

「プレストン効果」--。米人口学者のサムエル・プレストンは80年代に貴重な視点を提供した。簡略化すればこうなる。「少子高齢化社会では政界や産業界の関心が多数派の高齢者に向かいやすい。割を食うのは少数派の若者だ」

今の日本で起こっていることをすでに言い当てている。そしてこれが今の日本特有かというとそうでもなくて、フランスやギリシャでも起こっている。

ギリシャの首都アテネ。昨年末に始まった若者の暴動が治まらない。15-24歳で25%、25-34歳で12%という高い失業率が背景にある。金融危機のさなかに中高年の雇用確保が優先され、首相のコスタス・カラマンリス(52)への怒りに火がついた。

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「1000円札は拾うな」を読みました

タイトルが明らかに「釣り」の本を読んでみるテスト。ほとんどの見出しが「釣り」でホンマかいなと思わせる物ばかり。だけど実際に釣られるのだから目的は達成できているという点では正解。

1000円札を拾わない理由は、1000円を拾うことで大事なことが見えなくなるから。お相撲さんが「土俵にはカネが埋まっている」と言ったとしても土俵に1000円落ちてないかを探していると、相撲に負けちゃうと。

とまぁいろんなところから「たとえ話」がしみ出してくるので、いちいち突っかかっていては突っ込む方が野暮な感じになる。ロジックの正確さというよりも、著者の意気込みみたいなのは十分伝わってくる。

ちなみにこの本でのテーマは「機会費用」と「ハンディキャップ仮説」につきる気がします。

つまり道を歩いていて1000円が落ちていても、「あえて」拾わない。なぜならば、道を歩くという行為一つとっても、1000円以上の価値を生み出すのが「俺様」だから。逆に1000円を拾わないですむくらいの「俺様」はさぞかし価値のある仕事をするんでしょうなぁと。

と、自分を追い込むことで、今自分がしなくちゃならないことにフォーカスするというのはありかなと。

後半はいろんなライフハック集。

「悩む時間がもったいない」というのは面白かった。やるかやらないかで迷ったら、「初めての時にはやる」「ずっとやり続けてきたことなら辞める」という「俺ルール」はいい。このルールが正しいというよりも、悩む時間を節約するためのぶれないガイドラインはあると便利。

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「自分探しが止まらない」読みました

またまた、速水健朗さんの本。今度は自分探し。

自分探しというバズワードは個人的にも気になっていました。速水さんやこの本の「自分探し」の代表格の猿岩石と全く同じ世代なので、ある程度は共感できる。そして私自身が自分探しが終わらず(そもそも終わる訳がないのに)就職浪人までしていた。

震災というイベントで、自分を探す暇はなくなり、固い住まいを得るということが直近の人生の目標になって、自分探しのスパイラルからは逃れることができているため、今は全く自分探しへの共感はないです。

この本では自分探しの大元として岩本悠の流学日記を挙げている。岩本氏が旅に出ている理由としては、大学を卒業して普通に幸せな生活に流されることが「こわかった」とある。その自信はどこからくるのか分からないけど、結果としては逃避行動になっている。ただ旅で自分を常に肯定できるイベントに出会い、ポジティブシンキングでいやされている。

以下、気になる単語をピックアップ。

  • 皮を被った自己啓発本
    • 佳川奈未(ミラクルハッピーなみちゃん)
    • 自分探しのカリスマ高橋歩(自由人)
      • サンクチュアリ出版を立ち上げ
  • 自己啓発セミナーの歴史
    • センシシビティ・トレーニング
    • ニューエイジ思想(今はスピリチュアルという言葉に置き換わった)
    • 自己啓発セミナーでよく使われるフレーズ
      • 「人は脳のポテンシャルの10%しか使っていない」(科学的根拠はない)
      • 「気づき」(須藤元気も多用)
  • 身も蓋もない言い方をすれば「自分探しの旅」とは現実逃避のこと
    • 実態は彼らの変身願望
  • 実際には社会が自分探しを強要している
    • 「絶対内定」
      • 「我求」として就職活動の必要条件にしている
      • 「絶対内定」はマニュアルの皮を被った自己啓発本
  • 「やりたいこと」を推奨し「夢を追うこと」をよかれとする社会に格差が生じ、貧困が生まれるのは当然の帰結
  • やりがいのある仕事がそもそもない(機械化やマニュアル化が進んで、習熟しなくてもよい仕事が増えてきた)
  • 自分探しビジネス
    • ボラバイト(ボランティアバイトのこと、実態はタダで使うバイト)
    • ビーチロックハウス
      • 一泊1000円で止まれる
      • 運営スタッフは寝るところと食事はある物の完全無給
      • 代表は高橋歩
    • サニーサイドアップ
      • 中田の引退前に「自分探しの旅」のCMが企画されていたのではないか
    • 自費出版
      • 高遠菜穂子「愛してるって、どう言うの?」、岩本悠「流学日記」はともに文芸社という自費出版の会社
      • 新風社は自分探しをする若者をターゲットに共同出版を持ちかける
  • 自己啓発は一種のドラッグ。高揚が切れると、さらなる自己啓発の材料を必要とする
  • 海外に自分探しに出かける人たちに共通する傾向に、自分を変えるために何か具体的な努力をしようとは考えずに、環境を変えることで自分を変えようとする心性がある

あらためて考えると「やりたい仕事を見つけろ」は全くロジックが分からない。仕事というのは、やりたいことをするんじゃなくて、誰かの役に立つことをするのが仕事だろうに。

ライトな自己啓発本で女性をターゲットにしているのは、PHP研究所でしょうか。コンビニの棚の占め用は結構なもんです。サンクチュアリ出版とともに読んでみようかと。

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SCは消費低迷と規制強化のダブルパンチ

日経5/3朝刊1面、「大型店開業 大幅減へ 昨年度届け出4割強減少 規制強化、消費も低迷」より。

  • 延べ床面積1万平方メ-トル超の届け出
  • 2008年度で84件と2007年度の4割強減った
  • 大型店の規制強化と消費低迷が原因

規制と消費低迷のどっちという切り分けは不可能ですが、ただでさえ消費が落ち込んでいるさなかに、出店を規制する「まちづくり3法」は不景気に拍車をかけます。

まちづくり三法は本来は市街地に出店をしてほしくて、郊外の出店を規制していたのですが、当然のことながら、出店そのものが減ります。

市場は万能ではありませんが、「人気者の恋愛を規制すれば、ダメ男がモテるはず」というレベルの発想で規制をしても人々はハッピーにはなれない。

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「ケータイ小説的」読みました

この本いいですね。PCが中心のインターネットの世界とは断絶されたものがある。再ヤンキー化というラベルは、ヤンキーというラベルの共通認識がないのでかえって混乱する可能性はあるけど、掘っていくと郊外のヤンキーと共通する部分は多い。

気になる言葉ピックアップ。ここから下はただのメモです。

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<クリエイティブというイデオロギー>
実際にはほんの一握りの人間しかクリエイティブな仕事に就くことができないにもかかわらず、ほとんどの人間がクリエイティブだと思っている職を目指して、クリエイティブではない単純労働のバイトをやっている。

一方で、ケータイ小説ではあまりクリエイティブな仕事は登場せず、比較的地に足の着いた職業に就くことが多い。

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「『東京に行かない』感覚」「『電車に乗らない』感覚」「地元つながり文化」

「地元つながり文化圏」にいるものは、東京での就職とサラリーマンになることを忌避する。彼らの親も非サラリーマン層である可能性が高く、将来家業を継いでくれればいいという感覚がある。

ケータイ小説の登場人物も、「東京に行かない感覚」「電車に乗らない感覚」「地元つながり」をベースに生活をしている。

フリーターにアンケートをすると、携帯電話で路線検索をするこがほとんどいないというのに驚きました。考えてみると首都圏の地下鉄を乗り継いであちこち行くということがない。そりゃぁそうです。

今も地方にはあからさまなゴリゴリのヤンキーは居て、成人式にはニュースにはなるのですが、逆にあれがニュースになるのはほとんど天然記念物だから。地方であってもあそこまでのヤンキーはなかなかいない。

AC(アダルトチルドレン)とかトラウマに目を向けているのもいい。浜崎あゆみをちゃんと掘り下げていくとトラウマになる。昔のヤンキーが社会や大人に向けて反抗していたのにたいして、今は対象が自分になる。

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任天堂DSでCAI

日経2009/04/28朝刊11面「任天堂DSの用途拡大 学校で自作の教材を配信 博物館で展示物の内容解説」より。

実はこれ以上の情報はあまりない。どうやって作ったいいかも分からない。

例えば学校が導入する場合、生徒にあらかじめDSを配布。教員がパソコンからDSに自作の教材を無線で配信すれば、テストなどの解答を教師のパソコンで一覧できるようになる。
(中略)
神奈川県厚木市や立命館小学校(京都市)などが導入を検討している。

ここまで具体的に名前が挙がっているのだから、きっと話が進んでいるのでしょう。話を聞きたい。

ちなみに、DSの国内販売は4月初旬で約2600万台。単一機種ではこれ以上に普及した「端末」はありません。規格はPCに比べてオープンではないかも知れませんが、PCよりも安い。故障したときの再調達も容易。そしてPCに比べて壊れにくい。

もし教育現場に入ったなら、クイズ番組のような進行が可能になります。大きなプロジェクターがあれば、全員の答えを「どん」と表示することが可能になる。先生は島田紳助ばりの司会進行能力が問われるかも知れない。

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米音楽ソフト販売額18%減

日経2009/04/29朝刊国際2面より、アメリカの音楽売り上げが落ちているという記事。

  • RIAAまとめ
  • 2008年の音楽ソフト販売額
  • 前年比18%減
  • 84億8020万ドル
  • 内訳
    • ネット配信
      • 28%増
      • 10億8990万件
      • 15億9160万ドル
    • CD販売
      • 25%減
      • 3億8470万枚

ネット配信は伸びている物の市場全体の2割ほどなので、CD販売の落ち込みを補うということはないとのこと。

ネット配信の64%がシングル曲の売り上げとのこと。じゃぁCDはどうかという情報は記事には載っていなかったのだけれど、顧客がそのままCDからネットにシフトたとしても、顧客単価がどんと下がっているんじゃないかと。

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資金決済法案

日経2009/04/30朝刊5面「送金24時間可能に 銀行以外へ来年にも業務解放 手数料下げ期待も」より、資金決済法案の記事。

  • 銀行以外の事業者にも送金業務を開放する「資金決済に関する法律案」が今国会で成立する見通し
  • 期待されること
    • 送金の手数料引き下げ
    • お金のやりとりが24時間可能になる
    • ドコモでは、携帯電話番号だけで送金できる仕組みを探っている
  • クレジットカードではダメなの?
    • オークションのレベルでカード番号を伝えるのには抵抗があるはず
    • 国民生活センターに寄せられるクレジットカードに関するトラブルの相談
      • 2001年は3954件
      • 2008年は1万7848件と4倍以上に膨らんでいる
  • ただし規制もある
    • 法案では送金途上にある資金を全額保護するように義務づけ
    • 今も流通しているプリペイドカードの資金も受け取ったお金のうち使われていない金額の1/2以上を別のところに預けるなど分別管理を義務づけ

規制の内容はそりゃぁそうかというレベルで、発行元が倒産したら全く使えなくなるようなプリペイドカードは勘弁してほしい。金利がゼロなんだからリスクも低くしなくちゃならないというのは、市場価格として当然。

ちなみにドコモが送金インフラになったら最強。一気に5000万の口座を持つ超巨大銀行が出来たことになる。少なくともドコモ自体は毎月5000万人から数千円を受け取るという、日本最大級の決済機能を持っている。クレジットカードを持たない人のリスクでさえも、実態として計測できている。むしろ中くらいの銀行よりも決済に関しては経験値があるのではないか。

auはこの布石なのかどうかは分からないけど、すでに銀行業務を始めている。今のところ銀行なので銀行と同じくらい不便だったけど、ドコモの電話番号決済と連結すれば、これで日本の大半はカバーできちゃう。

ソフトバンクは加入者は多いけど、ネット上のアクセスシェアでは1割に満たないから、ドコモとauが対応しちゃうとほぼ日本全体をカバーしてると言っていい。

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