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神明の海外戦略

国際競争力のない日本の農業ですが、神戸の神明というコメ卸はちょっと頑張っています。日経11/25朝刊より。

  • 神明が初めてコメを輸出したのは昨年
  • 2009年産はパック米飯分を含め330トン、11年産は1000トンを輸出する計画
  • 援助米などを除いた日本全体の輸出は08年で1294トン
  • 10月半ばにはドイツのケルンでの食品見本市「アヌーガ」でパック酢飯にのりをつけた「寿司セット」を展示。バイヤーからは「発売はいつか」との問い合わせが相次いでいる

ということで、ちゃんとマーケティングすれば、売ることはできそう。あとは圧倒的に高い生産コストが課題。技術的には下げれそうだが、政治的に難しそう。

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民主党の最低賃金引き上げはやっぱりお門違い

日経11/22(日)朝刊「経済解読 全国一律そんなにいいか」より、民主党のマニュフェストをピックアップ。

④時給800円を想定し全国一律の最低賃金とする→これについては少し詳しく書く。「最低賃金ではたく人=低所得者」という思い込みが生んだ愚作だろう。

一橋大大学院の川口大司准教授の実証分析によると、最低賃金で働く人の半数は年収500万円以上の家計の家族。年収200万円以下の家族の世帯主は2割にとどまる。一律の引き上げは貧困対策として大きく的を外している。全国一律800円の根拠もわからない。タクシーの初乗り料金が地域で異なるように、同じ仕事でも稼ぎに地域差がでるのは当然だ。

その通り。最低賃金を一律で上げるというのは愚作。全国一律というのもまるで根拠はない。ただ響きがいいだけ。しかしながら響きがいいというのはマニュフェストが選挙という局面で機能するには最低限クリアしなくちゃいけない条件なので、こんな愚作がまかりとおる。

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食糧自給率って枕ことばで始まる論説は基本的に信じないでいいんじゃないだろうか

日経11/23朝刊社説「世界と日本を隔てる農家支援は不毛だ」が一通り切って捨ててくれている。

何かと日本の食糧自給率の低さを嘆き、日本の食を守るために日本の農業をなんとかするというのが、おきまりの農業保護のロジックにはなっている。

しかしながら、今回の農家支援は、こんな感じ。

  • コメ農家を対象に
  • 減反制度に参加する農家は
  • 販売価格が生産コストを下回った場合に
  • 所得の差額を埋める

ということ。まずおかしいのはコメ農家というところ。明らかに今の日本での消費が落ち込んでいる作物をピックアップしている。自給率がどうとかっていうのなら、小麦を作ればいいのに。自給率がほぼ100%でなおかつ、あまりまくっている米農家の援助は食の安定供給には寄与しない。

さらに減反制度に参画するというのも矛盾している。作らせたいのか作らせたくないのか。

さらにさらに、低コストで生産する努力を評価していない。日本ではより手を抜く農家がカネをもらえる。

  • 必要とされていない作物の農家を名乗り
  • 大半の農地を耕さず
  • 作ったとしても手を抜いて作る

ということを奨励しているのが今の日本の農業政策。

食糧自給率を声高に叫ぶやつで本当に消費者のことを考えているやつを未だ見たことがない。消費者目線で言えば普通に「マーケットシェア」と呼ぶはず。自給って言っている時点で供給者視点でしかない。

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LED照明バブルにどう対応するか

こないだのCEATECでもかなりの部品メーカーがLED照明に手をつけている感があったのですが、白熱電球が悪者になり、一斉にLED照明にシフトするのだという、バブルの感じがします。

ただ困るのは、LED照明の参入障壁があまりに低いというところ。なのでこのバブルには乗りにくい。

ということでちょっといいかなぁと思っているのは、この企業。

http://www.disco.co.jp/jp/

日経11/16から引用。

LEDチップを基板から切りだす装置を製造するのディスコは業績が急回復。10年3月期の連結業績売上予想を前期比4%減の510億円から10%増の585億円に上方修正した。

LEDを作るのではなく、それを切りだす装置を作っているというところがミソ。短期的にはひきが多くなりそう。ただディスコ自体の売り上げは、ピークに比べると激減しているので、企業単体でみると、投資不況が続いているという感じ。

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インドのチョットクールをなめない方がいい

日経11/16朝刊中国アジア面より、インドのチョットクールの話。チョットクールというのは、インドの低所得所者層向けの冷蔵庫のこと。

  • インド家電大手のゴドレジ・グループが来年2月に3250ルピー(約6400円)の冷蔵庫「チョットクール」を発売
  • 二年に及ぶマーケティングを実施
    • 冷やすのは飲料5~6本と野菜3~4キログラム
    • 冷凍庫は不用
    • 家が狭く親類が集まれば家具も移動する
  • マーケティングの結果、コンプレッサーを使わず、子供でも運べる小型冷蔵庫を開発

そもそも6400円という価格設定も、インドの大半の世帯が属する9万ルピー以下の年収の層に向けたもの。いくらにすべきかということもただ安ければいいというものではなく、マーケットを丹念に見つめた結果。

単に安いだけではなく、「移動できる」という価値まで提供しているというところが、空恐ろしい。

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スーパーコンピューターの予算

事業仕分け:スパコン「事実上凍結」…世界一でなくていい - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20091114k0000m020079000c.html

感想。

ネット上の多くの感想は、「1位でなくても」みたいなところにかみついて、政治家がテクノロジーの何が分かるといったような反応だけど、ポイントはそこじゃない。

ここまでの予算を使うのだから、「技術立国だから」で済むレベルの投資じゃない。政治家にテクノロジーの価値が伝わってないのなら、それをちゃんと言語化する必要がある。

そして今までも世界一もたまにあったわけで、その効果は語ろうと思えば語れるはず。ランキングにNECとかがでるならNECがうれしいわけで、それがメリットならNECが投資をすればよいという話。

技術立国を目指すのは悪くはないのだけれど、じゃぁGoogleやマイクロソフトが、アメリカでの大規模予算をもらったことで誕生したのかというと、そんな感じもしない。

少なくとも日本でGoogleを誕生させたかったら、法律面で検索エンジンを作ってよしということのお墨付きを出すところから始めるべきで、予算はゼロ。

日本の他の技術系企業でグローバルな国際競争力をみてみると、京セラや村田製作所など、国からの予算がとてももらえないような、京都の企業の方がむしろ国際競争力がついている。

ということで、日本は技術立国であるべしというのは賛成だけど、国が予算を組めば国際競争力がつくというのはむしろ真逆かもしれない。優秀なな富士通の技術者は国ではなく世界の消費者相手にその貴重な能力を発揮する方が、成長シナリオの可能性が見える。

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性弱説

性弱説は私の造語。

性善説で人が能動的に働くことを信じるのか、性悪説で徹底的に人を疑ってかかるのかという二元論になりがちだけど、どっちともうまくいかない。

まず性善説にしたがって、かりに善良だったとしても有能とは限らない。悪気はなくても失敗はする。

次に性悪説にしたがって、プロジェクトメンバーを疑いまくってもあまりいいことない。スケジュール見積もりがぼったくりではないかと疑って値切りまくっていれば、最初からバッファ込みの見積もりを作るだけになる。嫌疑をかけられ続けた人は嫌疑を晴らす努力をするのではなく単にウソをつくだけになる。

そこで性弱説。

  • 弱いから怠けてしまう
  • 弱いからうっかりミスをしてしまう
  • 弱いからあとで叱られないように、できるだけ目標を下げようとする

こういうインセンティブで働くとパフォーマンスがシュリンクしてしまう。

そういう現場に対しては、

  • 怠けてしまう心を消し去る現場を与えて差し上げる
  • ミスをしない仕組みを差し上げる
  • マネージャーからみてギリギリ達成可能な目標設定を与える

などの方法で、弱い心に打ち勝つ現場を与えて差し上げる。

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