生活保護世帯

いわゆる「格差」ネタ。生活保護世帯は実際に増えているの?って話。日経2008/09/27朝刊38面より。

  • 2007年度データ
  • 2006年度より2.7%増の110万5275世帯
  • 高齢者世帯が前年度より5.0%増えた
  • 人口に占める受給者率は1.2%で昨年度の1.18%を上回った
  • 世帯別の種類
    • 65歳以上の高齢者 45%
    • 障害者・疾病者 36.3%

一応高齢者が増えたのが一番の原因のようです。でも平均でみれば、高齢者と若者では圧倒的に高齢者の方が豊かなので、高齢者の間での格差がいかに激しいかということでしょう。そして票を持っているのも高齢者が多いので、彼らが「格差社会」をなんとかしてほしいと政治に願うのも無理はない。

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自動車産業とIT産業

日経2008/09/21朝刊「自動車 100年目の試練」より、原油高で自動車業界がだいぶ変わってきそうだという話。

世界で年300兆円の市場規模を持つ自動車産業は同350兆円を超すIT産業の後塵を拝するが、ガソリンや保険、整備など関連産業も含めれば推計で年600兆円と世界の国内総生産(GDP)合計の1割を超す。

IT産業が大きすぎる気がしますが、おそらく法人向けのSIer市場も入っているのでしょう。自動車は個人消費とも大きく連動するので、「ガソリンエンジン」という点だけを見れば今後縮小方向になるとは思いますが、個人が移動するニーズそのものが大きく縮小することはないでしょう。

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法人課税30%に下げ提言

一部のネット市民が騒ぎそうな記事。日経2008/09/14朝刊一面より、経済産業省が法人課税の実効税率を30%くらいに引き下げるという提言をするとのこと。今の実行税率は39%で世界的に見てトップクラス。

研究会の試算によると、日本の法人課税の実質税率(05-07年平均)は39.1%。米国の31.6%、オランダの17.8%などとより高い。例えば韓国サムスン電子とシャープの税負担は、サムスンのほうが年2000億円軽い。鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタルと新日本製鐵を比べると、ミタルの方が年3000億円軽くなる。

税率がかるいということは、その分投資のリターンが増える。同じ規模の製鉄所を作るのなら、新日鐵で新工場をつくるよりもミタルで新工場を作った方が合理的と言える。こうして職場がどんどん税率の低いところに流れていく。

このようなベーシックな議論があると、すぐに「金持ち優遇だ!」と脊髄反射をする人がいる。

アメリカ共和党側の経済理論に反論するにはどう言えば?
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4314885.html?ans_count_asc=20

意外に回答側にも算数が出来ない人が居るようで、経済規模が拡大しないと配分をいじっても意味がないということに気づいていない人がちらほら。計算が出来ない自分を馬鹿だと認めたくないもんだから、「陰謀」「まやかし」といって、海の向こうの経済規模の拡大を見ぬふりをする。

100歩譲って投資家や経営者を追い出すようなルールがあるのはいい。だったら、「私が会社を作るから職場のことは心配するな」と言うのが大人の責任というもの。職場を追い出しながら、「職をよこせ」というのも頭悪いし、企業を追い出しながら「もっと企業は税を納めろ」と言うのも痛い。

国というのは、大きめのサービス業であるということがまずは大前提。サービスの値段は「税率」という値札で表示されている。値段が高くてもいいサービスであれば買ってくれる(住んでくれる)し、高すぎると判断すれば買ってくれない(住んでくれない)。商売を考えれば、「安く沢山売る」というのは、一つの有効な手ではあるのだけれど、こと税に関しては「多売」というのはなかなか理解されない。サービス業だからお客様(例えば職場を作ってくれる企業)に「満足」してもらう必要があるのだけれど、「庶民の感覚(悪い意味での)」からすると、一部の「優遇」に映って、妬みの対象になり、ついには「陰謀」に見える。

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安心・安全のバズワードの下、国の安易な介入を許すな

日経8/26朝刊経済教室より、福井秀夫教授論文。

ポイント

  • 安全・安心の美名の下、既得権擁護の動き
  • 政府介入、市場の失敗対策を踏み越えるな
  • 憲法が保障する伸びやかな社会体制守れ

日雇い派遣を禁止すべきだという政策論議がある。危険業務委依る事故が多い、ワーキングプアの原因になっているなどの理由からだ。雇用者による処遇などの説明が十分でないなら情報の非対称性をただすことは重要だが、日雇いの派遣形態を一律に禁じるのは労働者の選択を狭めることになる。2007年の厚生労働省調査では、現状のままでよいとする日雇い派遣労働者は45.7%と、正社員になりたいとする29.6%を大きく上回っている。そもそも日雇い派遣禁止で直接雇用や正規雇用が増えるわけではない。

そのとおり。こんな簡単な議論がスルーされている。まじめに議論しようとすると、「経営側の理論」としてシャットアウトされちゃう。経営者をいじめれば、労働者が浮かばれるという発想がそもそも生産的ではない。

事故の増大、賃金低下を理由に、国土交通省はタクシーの増車・参入規制を強化しようとしている。だが、需給調整規制が廃止された02年以降、それまで急上昇してきたタクシーの事故率、急低下してきた運転手の賃金は、変化率が鈍化し横ばいとなっているという事実を踏まえるべきだ。規制の強化は既参入者には好都合だが、新たに職を得ようとする人々の参入を妨害し、労働者間の格差をますます拡大させる

労働者の賃金を語るさいには、一人あたりの賃金が語られがちすが、失業者が減っているのならその時点では歓迎すべきこと。賃金格差以前に、「働く場」があることが大事。

コンビニの深夜営業を「自粛要請」んどで制限しようという自治体や首長が存在する。環境負荷の低減に加え、「人は夜、就寝すべきだ」というライフスタイルを指導するためだという。
(中略)
制限は深夜営業しない小売店には朗報だが、消費者や勤勉なコンビニ経営者に対する根拠のない狙い撃ちとなる。小さな子供に親が説く道徳ならいざ知らず、権力機構が「夜は就寝すべきだ」などと、全市民に訓戒を垂れるのもおかしい。価値規範を押しつけることは、思想・両親の自由、営業の自由、個人の幸福追求権などの憲法的価値の破壊行為そのものである。

訓戒はロジックとしては破綻している。やっぱり、地元の小売店舗の保護というのが本当の目的でしょう。

ゴミ出しマナーが悪いなどの理由で、ワンルームマンション建設を禁じる条例を作る自治体が増えている。しかし、生活マナーの問題はそれ自体のルール化や民事の不法行為法で処理すべきもので、建築行為を制限する理由にならない。こうした規制は、憲法上の財産権を侵害するし、ひいては居住移転の自由を制限する。単身者には多くの弱者が含まれるが、既得権への配慮で単身者向け住宅を阻むことは格差の助長行為である。

「ネットカフェ難民」がまことしやかに語れており、彼らに対する援助も検討されているようですが、カネがあったとしても住む場所がない。条例で追い出されてしまっている。「上京する若者」は、選挙権そのものがなかったり、あったとしてもその自治体の選挙権ではなかったりする。

厚労省が薬の販売について、法の明文にもない「対面販売の原則」を省令で定め、薬局による薬のインターネット販売を原則として禁止しようとしている。

もともと、薬剤師が医薬品の副作用を購入者に説明しなければならないとする同省の理屈は建前に過ぎなかった。薬剤師が一切関わらない置き薬では、副作用の弊害の報告などはない。こうした事実を踏まえ、薬剤師がいないと薬が売れないという制限は、薬剤師の既得権を守るだけだという声が高まり、コンビニなどで一定の薬を販売できるようにする法改正が06年になされたのである。

この際、薬局によるネット販売までついでに禁じてしまおうなどとする試みは、既得権を持つ販売者や薬剤師などの巻き返しによるものだ。これは零細なものを含む進取の気性を持つ薬局、薬剤師イジメに他ならず、何より不都合も事故もなく薬をネットで購入してきた消費者の利便性に対する重大な挑戦である。

安心・安全というバズワードの下で、実態は「優秀なサプライヤーと消費者との出会い」を妨げるということが行われている。「いい人を国が選ぶから恋愛結婚禁止」という条例や省令があちらこちらで発令されている。

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クリーニングの価格転嫁理解を(厚生労働省)

厚生労働省が、クリーニング業界のためにポスターを作って配布することになりました。

クリーニング業における原油等価格高騰対策ポスターについて(厚生労働省)

日経2008/08/26によると次のようなコメント。

クリーニング業界は原油高で苦しむ典型的な業界。このままだと業者が次々につぶれたり、クリーニングの質が落ちて不衛生な状況になる可能性がある。(厚生省生活衛生課)

ただ、価格転嫁が出来ないということは、需要がないということでしょう。Yシャツを着る人が少なくなり、ノーアイロンシャツがこれだけ普及している今となっては、原油高がなくとも業界は厳しいです。原油高がないならないで、過当競争で値崩れしていることでしょう。

本気で業界保護を考えるのなら、

  • Yシャツの義務づけ
  • ノーアイロンシャツの禁止

というような形で、無理矢理需要を作り出さねばなりませんが、当然無茶です。厚生労働省がやろうとしていることが、それくらい「ゆがんだ」アナウンスということです。

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デカップリング悲観論にかみつく

日経2008/08/22大機小機にかみつく。

インドもインフレ高進による引き締め強化から成長率を下方修正している。中国は消費や設備投資の原則が伝えられ、北京五輪後の急低下かが危惧されている。こうした事実は「米国が停滞しても新興国やユーロ圏などの影響は軽微」というデカップリング論(非連動)説が錯覚であることを明確に示している。(恵海)

これ違うだろう。デカップリング論が言えるのは「無相関」であって、「逆相関」ではない。同時に不景気になることだってある。こと北京で言えば、オリンピックによる経済活動の停止が今の中国経済の直接の打撃だったりする。

さらに株式市場を見れば、理屈通りに上下しているアメリカ経済に比べると、中国の市場はずっと「でたらめ」に動いている。連動しているなんておこがましいレベル。

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BIS規制悪玉論

日経2008/08/13朝刊大機小機「サブプライムの根源はBIS規制」より。

証券化は国際決済銀行(BIS)による、銀行の自己資本比率を総資産の8%以上とする規制を回避する方法として、1990年代に米国で急速に進展した。貸出債権を証券化して売却し、リスクを下げ、総資産額を圧縮しながらも高い手数料収入を得るビジネスモデルである。

ところが、証券化し・分散化したはずのリスクがユーほど小さくならず、ちょっと景気上昇が「止まった」だけで、全てが破綻し始める。

銀行でさえも負えないほどの大きなリスクは、証券化して市場に散らしたところで、たいしてリスクは小さくはならない。市場全体にリスクが広がるくらいなら、銀行単体が貸し出しリスクを負った方が被害は局所的ですむ。取り付け騒ぎという不安は広がるけど、少なくともリスクの可視化はしやすい。

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やっぱり法人税下げた方がいいかも

日経2008/07/17朝刊1面より法人税ネタ。日本の製造業の多くが、日本の高い法人税から逃れて海外で利益を上げているという記事。

  • 日本の実効税率は約40.7%
  • 松下電器産業
    • 前期税負担は26.3%
    • アジアや中国などの海外の利益増が6.9ポイント押し下げ
  • 旭化成
    • 税負担率33.2%
    • 中国や韓国での売上が増えて6.7ポイント低下
  • HOYA
    • 税負担率15.3%
    • 海外利益を税率が25%強のオランダに集めて運用
  • 日本電産・日立電線
    • 工場建設などで税優遇措置のあるタイやベトナムに進出

ということで、税率を高くすればその分税金が高く取れるという思惑は外れて、そのまま海外で税を納められてしまうというオチになる。

じゃぁ法人税を下げて、誘致をがんばったところはどうなのか?同じ面にアイルランドの例が有りました。

東北と面積がほぼ同じアイルランド。法人税の実効税率が日本の3分の1程度という税負担の低さを武器に外国企業を誘致した。1990年代に「ケルトの虎」と呼ばれるほどの急成長を実現。欧州最貧国の一つから一人あたりGDP世界4位の豊かな国に変身を遂げた。住宅バブル崩壊が懸念されるが、18位に後退した日本とは対照的だ。

税金を納めてくれる個人や法人は国にとっては「お金を払ってくれるお客様」です。お客様を沢山呼び寄せるには、どういう値札をつければいいかということにもうちょっとアタマをひねる必要がありそうです。

そうはいっても、法人税を下げようとすると「企業優遇だ!」「資本主義の手先だ!」とものすごい反対が起きるのは毎度のこと。ああいった、「お客様を追い払う行為」は、いくら思想や信条の自由とはいえ、勘弁してほしいものです。

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共有地の悲劇を防いだフランスの自転車シェアリングシステム

日経2008/07/06朝刊春秋より。

▼パリでは、去年7月に市が始めた「自転車の自由化」が1年ですっかり景色に溶け込んだ。制度の愛称「ベリブ」はフランス語の「自転車」「自由」の合成語。駐輪場1200カ所の1万6000台を24時間、好きなとき好きなだけ使う。うるさ型の多いパリで、利用者の94%がサービスに満足というから驚きだ。

▼もちろんタダとはいかないが、ミソは料金の累進制にあるのだそうだ。例えば1日券を1ユーロ(約170円)で買うと、30分までなら何度乗っても無料。ところが、30分を超えたら次の30分は1ユーロ、1時間を超えたら次の30分は2ユーロ、1時間半を超えたら次の30分は4ユーロにも……。

この手の「シェア」システムはは、「使わなくちゃ損」とばかりに共有財産を食いつぶしてしまう利用者により殺されてしまうケースが多々ありますが、フランスの場合は、シェアするためのインセンティブがしっかり仕組みとして備わっている。

「どう使ってほしいか」を示すには、サービスの利用料金で示すのがわかりやすい。

図書館も延滞に関しては料金を取った方が、「普通の図書館の無料利用者」にとって使いやすいものになるんじゃないかと思います。

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「市場原理主義」という短絡

日経2008/05/31大機小機より、市場原理主義批判をしている人への批判。以下ポイント。

  • 江戸時代から市場原理は存在した
  • 負のレッテルを張り議論を封じるのは知的怠慢
  • 市場原理「主義」者なんて本当に居るのか?

急にグローバル化で海外から市場原理が持ち込まれたように思う人も居るけど、単に勉強不足なだけで、市場原理は普通に昔から存在した。金融派生商品のようなイマドキのモノも昔からある。井原西鶴の「日本永代蔵」の一説より。

北浜の米市は日本第一の津なればこそ、一刻の間に5万貫目のたてり商い(思惑売買)も有る事なり。その米は、蔵々に山を重ね、夕の嵐、朝の雨、日よりを見合わせ、雲の立ち所をかんがえ、夜のうちの思い入れにて、売る人有り、買う人有り、一分二分をあらそい、人の山をなし。

大阪の米市のシーンです。後に先物取引の先駆けとなります。目の前の米ではなく、買う権利を買ったり売ったりとうことをしているわけです。未来の米の価値を必死で計ろうとしている人たちが、市場に集まって、売ったり買ったりしている。ある人にとっては今の現金の方が嬉しいし、ある人にとっては未来の米を買う権利の方がうれしい。

私が思う市場原理の基本は、こんなところ。

  • 資産(何かの権利も含まれる)を持つ自由
  • 欲しい人に売る自由
  • 要らない人から買う自由

法的な自由だけではなく、実際に取引する市場があることが基本です。実はただこれだけのことです。何もイデオロギーがあるわけじゃない。

むしろ個人が自身の持ち物を売る権利を奪うことの方が、よほどの大義名分が必要なんじゃないかと思う。

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日本の人口は分散しすぎ

ヴェリタス2008.5.11異見達見より冨山和彦氏 『「反市場的」格差の是正を』より。

年と地方の格差も議論が必要だ。東京など都市部に人口集中しているため、日本は都市化が進んでいると見られているが、実は都市部人工は6割。英国は9割超だ。物流、サービスなどの効率が悪い。農業も兼業が多く大規模化が進まない。

個人的には集合住宅をもっと優遇してもいいのにと思う。インフラは団地の前までであって、あとのライフラインのインフラは自前で張り巡らせている。ゴミも数百世帯が自分たちで一カ所に集めている。税金とか水道代とかを安くしてくれてもイイのにって思う(ちなみにネット接続はマンションだと当然安くなる)。

住み処というのは人間の尊厳の中でも大事な部分ではあるのだけれど、住み処によってあまりに社会的な負担が変わるのであれば、住み処も完全な自由という訳にもいかない。

「一緒に住む」ということで、インフラが共有でき、効率的な社会が作られるというのは、ちょっと割り算ができれば誰もがわかること。単なる算数の問題であって、「格差」とラベル付するような社会問題じゃなぁない。

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日本のガソリン税は高いのか?

ガソリンの暫定税率が復活して、テレビのニュースはそればっかりです。値上がり値上がりって言っているけど、「税が要らない」とは誰も言わない。超無責任。

それ以前に、ガソリン税が高いのかどうかという判断をしている報道は少ない。日経2008/05/01朝刊3面はずばりその記事。

  • 日本のガソリン税(暫定税率込み)は1リットルあたり約61円
  • 日本はOEDC加盟29カ国の中では6番目に低い水準
  • イギリスでは1リットルあたり157円で日本の2.6倍
  • フランスやドイツでもガソリン価格のうちの税金の割合は6割を超える(日本は4割)

暫定税率が復活しても世界基準でみると高い方には入らない。さらに、オイルショックのピークの価格にもまだ及んでいない。

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タクシー値上げで収入減

東京、戻らぬタクシー客・3月運送収入3.1%減

 昨年末に値上げした東京都内のタクシーの客離れが止まらない。東京乗用旅客自動車協会がまとめた東京地区(23区と三鷹・武蔵野市)の3月の運送収入(1日1台当たり)は5万97円と前年同月より3.1%減った。前年水準を割り込むのは7カ月連続で、値上げ後は減少が続いている。各社は値上げによる収入増で乗務員の待遇改善を目指したが、思惑が外れた格好だ。

 値上げ直後の昨年12月の運送収入の減少幅は2.8%。1月が2.1%、2月は0.5%と徐々に縮小し、業界には「値上げが浸透し、近く収入は増加に転じる」との期待もあった。しかし3月は比較可能なデータがある2007年1月以降、最大の減少となった。(09:32)

もちろん、値上げが原因かどうかは分からない。単に景気が停滞し始めたというのも影響としてあるかも知れない。ただ、値上げをすれば待遇が改善するというのは大きな間違いというのははっきりしたと言える。

まるで税金のように、値上げに顧客がついてくると思うのが間違い。タクシーには、バスや電車という競合がある。首都圏ではパスモとSUICAで鉄道がかなり便利になってきている。電車はケータイの乗り換え案内などで、確実に時間と予算を把握しながらたどりつくことができるようにもなった。さらに、オフィスはどんどん首都圏で高層化が進んで、そもそものオフィス間移動が減ってきた。

これだけ、タクシーの代替物が有能になってきているなかで、顧客が昨日と同じタクシーに余分にお金を落とす理由は見つからない。

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仕事がないなら愛知に行けばいいじゃない

日経2/24朝刊「働くニホン 第三部 仕事の値段4」より、愛知県に若者が結構出稼ぎにきているという話題。

  • デンソーの話
    • 愛知県刈谷市を中心とする工場群において
    • 約3300人の沖縄県出身者が働く
    • 2001年頃から増え始め過去六年で8倍
  • 県別の賃金格差(2007年基本給)
    • 沖縄県は月27万7400円で都道府県別最下位
    • 愛知県は31万6000円で全国4位
  • 移動者数
    • 2006年に沖縄から仕事を求めて県外に出た人は5年前より5割多い6700人
    • 愛知県が県外から受け入れた人は3割増の8万2800人
  • 求人倍率(昨年12月)
    • 沖縄は0.42倍
    • 愛知は1.81倍

記事では、仕事を求めて沖縄から愛知県に3回目のデンソー期間従業員をレポートしていました。生活費は余分にかかりますが、そこからまだ仕送りができるので、結果的に全員が豊かになってはいる。

地域間の格差を誰かのせいにして何も動かないことよりも、自分がもっとも価値提供できるところに移動するというのは至極まっとうな意志決定です。お金の動きだけではなく人材も流動性があることそのものが、価値を最大化するための大前提です。

県による景気の格差をなげくケースもありますが、愛知県はどこかの誰かにばらまいてもらったわけではなく、自力の努力でトヨタ城下町を作り上げたわけで、そこは純粋に努力の差です。県外の人材にも仕事を作りだし、仕送りまで生み出すという貴重な存在です。

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分配論は他人の懐を当てにする論理

日経1/29朝刊1面「逆走ニッポン」より、バラマキ族議員が復活していることへの批判。

道路族や新幹線族の復活は、分配論の復活と言い換えられる。経済成長によって自ら果実を大きく育てる手を休め、他人の懐をあてにするやり方である。分配論は社会保障の分野でも顕著だ。懐を狙われているのは、高齢者に比べ政治的に発言力が弱い若い層である。

メチャクチャ正論。そんな中、今日も新幹線族がJRの懐をあてにばら撒きで票を買おうとしている。

貸付料前借りでJRと協議へ 整備新幹線財源で政府・与党 - MSN産経ニュース

政府・与党は23日、整備新幹線の新規着工に向けた具体的な検討を行うワーキンググループ(WG)の初会合を開いた。会合では、新規着工に必要となる安定的な財源を確保するため、新幹線開業後にJR各社が国に支払う線路施設の貸し付け料の前借りについて、JR各社と協議を始めることを決めた。前借りの対象は、北海道、北陸、九州、東北新幹線の平成22年度末から順次完成する区間。

ひどすぎる。さらに残念なのは野党とのバラマキ合戦になっているということ。バラマキを憂いて「国を豊にしよう」という意思のある人が投票する先がない。

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道路財源の暫定税率廃止なら、GDP0.4%押し下げ・政府試算

道路財源の暫定税率廃止なら、GDP0.4%押し下げ・政府試算

揮発油税など道路特定財源の暫定税率が廃止された場合、2008年度の実質国内総生産(GDP)を0.4%押し下げるとする政府試算が26日、明らかになった。税収減による道路投資の落ち込みが、減税による個人消費の刺激効果を上回るためだ。

 暫定税率の廃止に伴う税収減は年間2兆6000億円。国の事業減少と連動する自治体の支出減など道路投資の減少で実質GDPは約3兆円減る。1リットル当たり25円のガソリン値下げなどによる個人消費増は9000億円にとどまるため、差し引き2兆1000億円の押し下げ効果となる。

なんでこんな試算をしているかというと、ガソリン税がなくなる圧力をかわすための理論武装の一環だから。

個人消費が1兆円近く上がるというのはやっぱりまぁまぁすごいこと。あとは道路の公共事業が減りまくると。GDPには穴掘って埋めるだけの公共事業も含まれてしまうので、単なるバラマキが減るという結構なこともGDPにはマイナスになる。

紙面では、さらに突っ込んだ試算をしています。

道路投資の減少で物流効率化や生産力の向上が滞る中長期的な影響も考慮した試算では、17年度までの10年間で年平均3兆円の実質GDP押し上げ効果が生じるとしている。

つまり、道路投資は単なるバラマキではなく、産業の効率化にも寄与している「前提」で試算をしている。

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ジョン・テーラー教授為替介入を語る

日経1/19朝刊より、米スタンフォード大学教授、ジョン・テーラー氏インタビュー。

一貫して為替には介入しない方がいいという主張。

とはいえ、国がなぜ介入するかという指摘が面白かったのでメモ。

当局者にとって何もしないのは勇気が要る。行動すれば非難は避けられるし権限を見せつけることができるから。だが介入がない方が市場は機能する。1970年代前半、固定相場制から変動相場制への移行時は不安がる人も多かったが、相場が日々変動する制度に次第になれた。

プロ野球のファンなら「何で打たれた投手を代えないんだ!」と無責任に監督を非難するのは、それも「楽しみ方」の一つではありますが、政治に対しても同じことを要求するのは間違い。

自分が困ったときだけ、独裁者に助けて欲しくはなるけど、独裁者は市場ほど働き者じゃぁない。

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月曜経済観測 太田弘子氏インタビュー

日経1/14朝刊、月曜経済観測より太田弘子氏インタビュー。

経済成長における3つのリスクについて。

リスクは3つ。米景気が減速する心配と原油価格の高騰が続く心配、それに建築基準法改正の影響が残る心配だ。

建築基準法改正は、偽装があってから、なんとかせねばと法律だけ変えて形の上で厳しくしたものの、運用にのらず単に「申請を複雑にしただけ」というものです。結果、全ての建築が遅れてしまっています。

暮らし・改正建築基準法が日本の破壊を招く

首相 改正建築基準法の影響を反省 - MSN産経ニュース

国に限らず、会社でも何かトラブルがあると、「今までの1回のチェックを2回に増やします」だとか「申請書類のチェック項目を増やします」なんてその場しのぎの「とりあえずやった感のある対策」を経緯書の最後にうっかり書いてしまいがちです。

トラブルが起きたときには「なぜ起きたか」ではなく「なぜ起きなかったか」も考える必要があり、耐震擬装が起きたときも同じ手続きで大半の建築物は擬装が起きて無かったということを考えると、法律を変えて解決することではないのだろうと思いいます。

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冨山和彦氏、品格論者を切る

日経1/8朝刊経済教室より、富山和彦氏の経済教室。

キャッチをピックアップ

  • 「後世の富継承こそ品格」
  • 「鎖国型再分配脱せ」
  • 「対立解消へ統治構造改革」
  • 「金稼げない衰退国に転落」
  • 「世代と既得権が真の対立の構図」

再生機構で本当に日本を立て直してきた張本人からすれば、今の日本の「品格論」「格差論」をかさに既得権が偉そうにしている様は本当に無念なんでしょう。

日本は衰退国である。失われた15年での経済成長率2.2%は経済協力開発機構(OECD)諸国の平均2.9%を大きく下回り、一人当たりの国内総生産(GDP)も1993年のOECD中2位から今や18位に転落した。品格論者は「日本はカネ、カネ、カネの社会に成り下がった」と嘆くが、実際は世界的にもカネの稼げない国、国民になりつつある。

あとは、格差論の裏の既得権を切りまくっています。全部正論。

品格と格差というバズワードをかさに、未来の子供たちの富を奪い続けることに無頓着な日本国民を叱ってくれています。メチャクチャ耳に痛い。

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市場主義が守る価値

日経1/5朝刊大機小機より、2007年は市場主義がえらい批判にあったということに触れて。

現に2008年度の政府予算では、「格差是正」に名を借りて政治家が既得権益者向けの予算増を勝ち取った。既得権を守る規制の撤廃をめざした規制改革会議の第二答申も、官僚に骨抜きにされた。

社会保険庁のでたらめぶりをみて「お上」の仕事への不信感が一段と高まったはずなのに、われわれは結局、政治家や官僚の動きを押しとどめることができなかった。自由党価値の大切さに気づかず、市場主義批判の風潮に安易に乗った結果、自らその価値を傷つけることになったということだろう。

(眠り独楽)

えらくはっきり市場主義を唱えています。

市場主義の分配は「完璧ではない」という常に正の論理をかざされるとつい黙っちゃいますが、社会保険庁の年金運用は分配以前の問題でした。

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政治家の仕事は経済をよくすること

生議論勝ったのは誰? 橋下、梅田、熊谷(府知事選バトル<上>)

橋下は「失業率とか経済の生産性を行政が主体的に上げるなんて不可能。所得を上げるのではなく、かかる経費を下げていく。これによって活力をあげるプラン。個人のがんばりにもよるので、そこを積極的にサポートする」

いや、行政が経済そのものをよくすることはできる

  • 規制の緩和
  • 手続きの簡素化
  • 道路・港整備
  • その上での企業誘致

零細企業の延命もやったらやってもいいけど、そこで改善される失業率は1企業あたり数人。中規模の企業を誘致すれば、もっとたくさんの人の仕事が作れる。誰がジョブメーカーなのかを見極めて、ジョブメーカーに気に入られる存在であってほしい。

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零細企業の給与、7年連続で減少

零細企業の給与、7年連続で減少・厚労省調べ

零細企業の従業員の給与が7年連続で減少したことが分かった。厚生労働省の調査によると、従業員5人未満の企業に勤める人の基本給と残業代を合わせた月給は19万482円で、前年同月と比べ0.1%の減少となった。

 厚生労働省は年に一度零細企業の給与の動向を調べている。今回の調査は2007年7月の給与と、07年のボーナスについて調べた。07年のボーナスは前年比2.2%減の21万4629円で、9年連続で減少した。規模の小さな企業の従業員には景気回復の恩恵は行き渡っていない。

「規模の小さな従業員の従業員には景気回復の恩恵はいきわたってない」って、かりに景気回復の恩恵がいきわたったのなら、その企業は従業員も増えて零細企業ではなくなっているはず。「好景気にも関わらず企業規模が縮小している企業は景気が良くない」という、「常に正」の命題を説明しているだけ。つまり何も説明していない。

この統計自体が「バラマキ」のための伏線って気がしてならない。統計の母体が経済産業省ではなく厚生労働省ってあたりも、予算獲得のシナリオが透けて見える。

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「ワーキングプア」じゃない「プア」なんだ

社説1 改革さぼって縮む日本でいいのか(12/28)

案の定というべきか、世界経済に占める日本の比重はついに10%を割った。その持つ意味は経済面にとどまらない。外交や安全保障にも波及する恐れを否定できない。

昨年の世界の名目国内総生産(GDP)のなかで日本の割合は24年ぶりに10%を下回り9.1%に落ち込んだ。国民1人当たりのGDPは経済協力開発機構(OECD)30カ国のなかで18位。1位のルクセンブルクに比べ2.6分の1という情けない結果だった。

GDPが分母となって、それを労働者と投資家と国(税金)で分配されます。この分母が小さくなっているのだから、どう理屈をつけても労働者が満足いく配分になるわけがない。

ワーキングプア格差とセットでバズワードとしてはびこっていますが、配分がおかしいんじゃない。日本全体がプアになっている。

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行天豊雄氏インタビュー

日経12/28朝刊1面より、国際通貨研究所理事長、行天豊雄氏インタビュー。

日本は将来がない国だと世界が思い始めている。バブル後に地に落ちた日本の評価は小泉改革などで劇的に好転したが、安倍、福田両政権では改革が停滞どころか逆戻りした印象がある。

そのとおり。それが認識できずに、格差というバズワードをトリガーにバラマキを復活させようとする勢力が丸一年衰えなかったというのが痛々しい。

海外から見れば、誰も働かずにおこずかいの配分だけを会議し続けている貧乏家族にしか見えないのでしょう。

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島根の一人当たり税収は東京よりも多い

日経12/12社説より。

地域間で税収に開きがあるといっても、地方交付税なども加えた人口1人当たりの収入でみると、都は22万1000円と全国平均(19万1000円)とあまり変わらない。島根や鳥取は30万円を超す。

ということで、再配分しすぎの「逆格差」は生まれている。誰か「格差是正のために一人当たり税収を均します!」という公約掲げないかな。むしろ地方へのばら撒きが減る。

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コンビニの収納代行がスゲー

コンビニで公共料金などを振り込む収納代行が拡大しています。物販と同じ規模です。日経12/11朝刊17面より。

コンビニ各社の07年8月中間期業績
チェーン
全店売上高
収納代行
金額
手数料
収入
連結
営業利益
セブンイレブン 13,056 14,177 100 1727
ローソン 7,219 7,313 50 445
ファミリーマート 5,662 5,333 40 296
サークルKサンクス 5,419 5,120 30 231
(注)単位億円。手数料収入と営業利益は07年2月期、
サークルKサンクスの売上高はエリアFCを含む。
手数料収入は日経推定

相変わらずセブンイレブンの桁違いが目立ちますが、どのコンビニも売上高と収納代行が同じ規模になっています。収納代行は売上ではありませんが、顧客からみれば、その場でお金を払っていることには変わりありません。

収納代行のビジネスモデルはこんな感じ。

  • 収納額に関わらず1件50円から60円の手数料
  • 手数料の半分を本部が受け取る
  • システム費用のほかに直接経費は少ない

一件あたり数十円ですから大した額には見えませんが、コンビニATM手数料やついで買いなども含めるともっと相乗効果がありそうです。

そしてコンビニの物販は天井を打った感がありますが、収納代行は「今後も年10%以上の収納額の伸びが期待できる」(ファミリーマート高田基生常務執行役員)そうなので、完全逆転しそうです。

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なぜ地方で医師が不足しているのか?

地方で医師が不足しているそうな。その事実さえ裏を取らなくちゃいけないのだけれど、局所的には現象と原因がはっきりしている。日経12/11朝刊5面「決め手欠く医師不足対策」より。

地方では医師不足で地域医療が崩壊の危機に脅かされている。原因の一つが2004年の制度改正で研修医が研修先を自由に選べるようになったことだ。大学病院の医局が地方に研修医を配置してきた観光が崩れ、生活環境や医療体制の整った都市部の病院に研修医が集まった。

東京都の都立広尾病院は「研修医の募集10人の枠に、60人が殺到する」という。「当直手当は一泊3万円と全国でも最低クラスだが、都心に位置することが若い医師の心をくすぐっているようだ」(病院関係者)とみる。

あるお医者さんのコラムで、「地方の病院に配置されたらひたすら毎日老人の死を見取るだけだった」というのを読んだことがあります。生活環境のほかにも、「病気を直す」という経験が積める場所であることも、若いお医者さんには必要なんでしょう。

数字上の待遇は地方の方が良かったりするので、その上で僻地が敬遠されているという現状の打破は難しそうです。

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オリックス宮内会長「分配よりまず成長語れ」

日経12/4朝刊5面より、オリックス宮内会長インタビュー。

日本は少子高齢化が加速するからこそ、生き生きとした成熟社会を造らなければならない。それには経済成長が不可欠。なのに出てくるのは分配の話ばかりだ。分配がうまくゆかないとなると増税の話になる。誰も成長を語らない成人の貧困を痛切に感じる。首相が掲げる『生活の安心』のためにも経済のパイを大きくする必要がある。

いくら分配の議論をしても、ゼロサムゲームでしかなく、誰かの分け前を増やせば誰かの分け前が減ってしまう。分け前の長く議論をしても何も生まれない。

あらゆることを政府にねだっていいんだという甘えが国民に強く残っている。政治家はおねだりにこたえようと分配に走る。国民と政治家との関係が退嬰的というか、前向きなところがない。
(中略)
日本の停滞を見抜いた海外投資家の日本売りで国富が失われ、私たちは計り知れない損失を被っている。

こういう見方をしている一般メディアは少なく、マスメディア側も、この手の「おねだり国民」の受けを良くしようとおねだりを正当化し、たかりに応えてくれない政治家を「庶民の敵」と集中砲火を浴びせます。たかるだけの国民は別の国民にとっても、少なくとも「仲間とは言えない」存在です。

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オレオレ詐欺が減って還付金詐欺が増える

日経11/1朝刊42面より、「還付金詐欺 被害増える 昨年6月-今年9月で20億円 振り込めから移行?」より。

  • 還付金詐欺の被害が増えている
  • 昨年6月から今年9月
    • 1934件
    • 約20億9000万円の被害
  • 今年1-9月
    • 1452件
    • 約15億8000万円の被害
    • 検挙は11件、3人
  • オレオレ詐欺は減少傾向

還付金詐欺とは、税務署や社会保険事務所などからの税金や年金の還付を装い、ATMを操作させ、現金を騙し取るという詐欺です。

オレオレ詐欺の場合には、「オレ」ご本人とリアルに再会した時に詐欺であったことが分かるでしょうが、還付金詐欺の場合には被害にあったということが分かるまでにかなり時間がかかりそうです。

さらに昨今では、年金の名寄せ中という状況ですから、年金周りの案内が電話で来ることに違和感が無いというのも詐欺師にとって追い風でしょう。

さらにさらにこのニュースの恐ろしいところは詐欺師にとっては、「かなり割りのいい詐欺」に映るということ。1%しか検挙されてない。1000件で10億の被害ですから、丁度一件あたりの単価は100万円です。10件成功すれば1000万の収入です。割が良すぎる。

オレオレよりも効率はいいというものの、電話と銀行口座の契約が必要というところは共通で、電話と銀行の口座売買の監視と取締が効果的だと思います。一方で携帯の名義貸しをしている人や口座を売っている人は、「裏バイト」感覚であまり罪悪感がないのがやっかい。

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ストップ!バラマキ

日経11/4社説「改革の停滞映す競争力順位の低下」より。日本の競争力の低下の主なポイント。

調査項目ごとにみると「政府債務」が120位、「財政収支」が111位とともに最低レベル。このため「マクロ経済の安定性」は97位と低い。1990年代の財政の大盤振る舞いが、日本の競争力回復の足をいまだに引っ張っている。

ということでバラマキがNGってこと。さらにバラマキを復活させようとする格差論をなんとか封じ込めないと国全体がダメになっちゃう。

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納税額が多いからと言って、株主還元が多いというのは勘弁してほしい

今朝のトクダネに噛み付く。

企業の納税額がバブルを超えたそうな。

そこで、キャスターがこういう論理展開をする。

  1. 納税額は最高だが
  2. 一人当たりの給与は増えてない
  3. 株主還元ばかりでけしからん

一つずつ突っ込む。納税額が増えたということは、企業の業績の総計がいいということ。一方で一人当たりの給与は平均であって、総計については触れられてない。従業員への還元は人件費トータルが増えているかどうかを見るべき。キャスターは相変わらず既得権益しか見えてない。

2つめに納税額が増えるということは、純利益が多いということ。純利益は特別利益/損失が加わるので、節税するかどうかってところで左右される。今まで借金をガンガン返していた企業がぴたっとやめればドーンと純利益が増える。過去の赤字を理由に税金が低く押さえら得ていた企業もその期限が切れると、ドーンと税金を納めることができる。人件費のような固定費との比較には適しない。人件費との比率を見るのなら、労働分配率を見るのが適当でしょう。

3つめは、税金をたくさん払うということは株主還元ではないということ。企業が生み出す付加価値は、従業員>国(税金)>株主という順にとられる。税金をたくさん払うってのは、株主軽視の資本政策。

4つめ。株主は従業員に対立するそんざいじゃぁない。僕達の年金や保険も株で運用されている。株主を分けの分からん存在として、フリーメーソンみたいな陰謀組織にでっちあげるのは勘弁してほしい。

5つめ。そもそも株主重視なのなら、なんでまだ日経平均がバブルの半分なの?ってところには全く触れられてない。そんなに株主重視なのなら、どんどん株価が上がっていいはずなのにそうはなってない。

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日本の携帯料金は本当に高い?

日経10/17朝刊17面より、auが新しくつくった、「シンプルプラン」はシンプルなルールで、携帯電話の機体の料金と通話料金を明確に分けようというものです。

これは総務省が、「携帯電話そのものを安く売ってあとで高めの通話料金で回収するのはけしからん」という指導があって、その返答というわけです。

どんな商売でも、「目玉商品」という利益度外視で売る商品と、利益を回収する商品のあわせ技というのは存在するのですが、携帯電話の場合は、それだと純粋に機体での商売が出来なくなるというデメリットがあったり、また安い料金で勝負しますという会社が出てきてないというのも現状の問題ではあります。

auはじゃぁってことで、シンプルプランを持ち出したのですが、それがイマイチ。確かにシンプルでなのですが、以下の点で「おまけ」がなくなっています。

  • 無料通話分の割引なし
  • いきなり割(二年契約で基本料半額)なし

ということで、シンプルにした分だけ、今までのややこしいプランの恩恵が受けられなくなっています。そりゃぁそうだと。

新たなプランが追加されたのだから当然なのですが、これは総務省が意図したものとはちょっと違うはず。

じゃぁ本当に日本のケータイが外国に比べて高いのかというと、そこは個人的には異論が残る。そもそもわれわれが利用しているケータイの大半はパケット利用。外国との比較にそもそも無理がある。

一応総務省が出している内外価格差のレポートを見ると、実はさほど日本の携帯電話料金は高くは無いように見える。→平成15年度 電気通信サービスに係る内外価格差調査の結果

販売奨励金と言っても、俯瞰的に観ればそれは単なる営業費用であって、営業費用が商品の価格にまぶされているというのは至極当たり前の話。さらに、総務省が推し進めたMNPによって、営業コストはさらにかかった。そのコストはどこかで回収しなくちゃいけない。

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タクシー値上げと規制緩和まとめ

規制緩和の流れでタクシー業への参入が容易になりました。

一方でタクシー業界や未来の雇用への反対勢力からは、小泉改革の失敗例として槍玉に挙げられます。→タクシー規制緩和で3割増/年収は激減200万円前後/仙台にみる

確かに平均年収は減っていますが、それ以上にタクシー台数≒雇用者数は増えている。無職の人数が分母に入っていなかったのが、分母が増えたのだから平均は減ってもおかしくない。

日経10/8朝刊12面「景気指標」では、さらに平均給与が下がったのは、景気の影響が大きいという指摘。規制緩和の最中は景気がどん底だったのだから当然。

その証拠に国内の景気拡大が「いざなぎ越え」した昨年は、タクシーの年間賃金(全国平均)が27万円増加し、329万円になった。

中略

自由化の中で、経営感覚の鋭いタクシー会社はいろいろな手を打ってきた。神奈川の中堅、神奈中ハイヤー(厚木市)は電話注文を受けてすばやく配車する情報システムを構築し、年間の配車本数を過去13年間で3倍に伸ばした。栗崎康平社長は、「規制緩和を先取りして、お客様に喜ばれるシステム構築に知恵を絞った」という。

ということで、改革のせいにするのも大概にしろということです。

また、10/10朝刊大機小機では、需給バランスを指摘しています。

2005年の東京地区の法人タクシー台数は十年前より13%増え、乗客は3%減った。供給が増え、需要が減る典型的デフレ業種で、むしろ値下げするか台数を絞るのが筋だ。需要不足で値上げするのはクリスマスイブの翌朝にケーキを値上げして売るようなもの。客足は遠のく。

それでも、タクシー業界は需給を一切無視して、単に値上げをしようとしています。→タクシー初乗り710円、東京地区10年ぶり値上げへ : 経済ニュース : 経済・マネー : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

同様に、学生の就職率が上がると平均年収は下がる。だけど就職率は高いほうがいい。あたりまえのこと。

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全日空が新潟-福岡線休止へ

全日空が新潟-福岡線を休止します。そうかとも思いますが、当然のことながら地元も反発しますし、国土交通省まで要求を出すという事態になっています。

新潟日報 NIIGATA NIPPO On Line

この手のニュースは、「利用客が居ないから休止するんだろう」と思ってしまいます。だけど今回のケースは、利用客が伸びている中での休止なので余計にがっかりなのでしょう。

福岡線は利用率も06年度56・6%で前年度比2・0ポイント増。新潟空港発着路線では沖縄線、札幌線に次いで高い。

とはいうものの56.6%がどれくらいのものかというと・・・

06年度の全日空の国内線利用率64・8%に比べると低い。

と、かなり平均を押し下げている。利用率はあがったものの、燃料費が高騰して損益分岐点が上がってしまったのかも。

燃料費高騰ってホントにそんなに影響ある?って思って、IR情報をみてみた。

そうすると売上は微増だけど、費用が激増して営業利益は見事に減ってる。燃料費は前年同期比と比べて111億円(四半期で)増えてる。営業利益が四半期あたり100億円ちょっとの連結業績の会社で、同じくらいの規模が燃料費でぶれてしまう。

ということで、燃料費が航空会社に与える影響がでかいというのは本当のようです。

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妊婦たらいまわしはなぜ起こらないか?

妊婦さんのたらいまわしは時々ニュースになります。なぜ起きたかだけではなく、なぜ起きていないかも見ないと、有効な対策は打てません。

日経9/20朝刊千葉経済面で、千葉県での妊婦さんの救急受け入れ実績のデータが掲載されていました。2006年の実績です。

要請回数 件数 割合
1回 723 87.4%
2-5回 90 10.9%
6-10回 9 1.1%
11回以上 5 0.6%
827

1回で済んでるケースが大半であることが分かる。この大半のケースがなぜ上手くいっているかの分析が必要。少なくとも産婦人科医が恒常的に拒否しているのではないことだけは分かる。

反面、11回以上というのも5件存在する。

飛びぬけて要請回数の多いところは、地域に拠るのか、時間帯に拠るのか、かかりつけ医がいないことに起因するのか、運悪く全ての条件がそろったからなのか。

そもそも、ランダムに分布すると1%くらいの確率でバッティングするのは当然の結果なのかも、と思ってシミュレーションしてみたけど、ランダムに分布させるロジックが出来合いの関数だとあまりにもキレイに分布しちゃって、シミュレーションとして機能せず。

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辞書を引く習慣が薄れてケータイに走らせている

日経9/8超過43面「漢字調べ、若者は携帯で」より、文化庁の「国語に関する世論調査」による発表。調査結果そのものは、文化庁でも発表されています(文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語に関する世論調査 | 平成18年度)。

調査そのものは比較的網羅的なのですが、ニュースとして取り上げられているのは、20代の8割が忘れた漢字を調べるのにケータイの変換機能を使っているということ。本の辞書は4割以下。ちなみに60才以上になると、本の辞書が70.2%でケータイは7.8%に逆転します。

この調査でおかしいのは、「辞書で調べるかケータイで調べるか」という調べる前提での設問になっているということ。「辞書で調べるか、ケータイで調べるか、調べないか、そもそも調べる機会などない」など、動きの無い選択もあるはず。

紙の辞書で調べますと言っている人は辞書は持ち歩いていないでしょう。なので、出先で漢字を調べる必要があるときにはそもそも調べる手段を奪われているはず。一方で携帯電話は接触率は辞書よりも多いので、漢字を調べる場面が満遍なく分布されているなら、より接触率の多い道具で調べるに決まっている。

だけど、辞書が敬遠されてケータイが使われる原因をこう分析している人もいます。

学校現場で辞書を日常的に使わせる習慣が薄れ、漢字の成り立ちや面白さを伝えられる教員が少なくなっている。これが若者の辞書離れを招き、携帯電話に走らせている原因の一つではないか。漢字の持つ意味を理解できていないと、同音異義語などは正しく使えない。携帯などにばかり頼っていると、複数の漢字から適切な字を選べず、でたらめな日本語が横行するのではないかと心配だ。(日本漢字教育振興協会の土屋秀宇理事長)

昔の人の人がケータイに走っていないのは「昔はケータイがなかったから」でしょう。学校現場の違いではないと思います。

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最低賃金を上げると雇用が減少する

日経9/3朝刊経済教室より、最低賃金論争について大竹文雄阪大教授の記事。

最低賃金を引き上げると、その最低賃金以下の生産性の労働者が職を失うことは容易に想像ができます。それが実際に統計上どうだったのかということが論じられています。以下ポイント。

  • 雇用が減少したかどうかではなく、教育が必要な若年層の失業に着目すべき
  • 雇用の流動性はもともと高くないので、長期的な統計をみるべき

ということです。

日本の場合はこんな研究がなされています。

  • 京都大学の有賀教授
    • 都道府県別の高卒新卒者の求人数が最低賃金の上昇で減少したことを発見
  • 一橋大学の川口教授とUCL院生の山田憲氏
    • 引き上げの影響を受けた人が仕事を失う可能性が高いことを実証的に証明
  • 神戸大学の勇上和史准教授
    • 90年代後半以降、若年失業率と最低賃金の間に正の相関を見出している

ということで、最低賃金引き上げは、貧困解消手段として選挙ではアピールしやすいですが、実際には教育コストが必要な若年層(多くが選挙権を持ってない)の失業者が増えてしまいます。

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実は逆転していた地域格差

日経8/20朝刊3面より、一橋大学院教授井伊雅子氏インタビュー。格差問題についてエライコトを指摘しています。

格差問題は実証的なデータに基づいて考えることが大切だ。例えば都道府県別の一人あたり税収は東京都が最高で島根県の2倍。ところが地方交付税や税源委譲による調整後は両都県が逆転する。どこの国も税収格差はあるが、調整後に逆転する例はない。そうした実例があまり論じられず、格差問題がことさら強調された感もある。

東京の人は怒らんとダメでしょう。格差というバズワードをネタにたかられまくってます。

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下から上での流動化

社説に歯向かってみる。

社説 均衡処遇で正規、非正規の垣根崩せ(8/22)

 賃金も含めた処遇の均衡化を推進すれば、人材の浪費におのずと歯止めがかかるだろう。正社員の処遇も成果主義の浸透により見直しが進んでいる。正規、非正規の違いでなく、職務を基準に一定の範囲で賃金が市場原理によって決まるようになれば、労働市場は一つに統合される。下から上に向けての労働力の流動化も円滑になるはずである。

労働市場が一つになるということは、下から上への流動化だけではなく、上から下への流動かもありえるということ。一方向しか認めないというのは流動化じゃなくて固定化。

流動化ということは社会全体にとっては安定を意味するけど、個人にとっては、雇用や待遇が「不安定になる」ということ。

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格差の進化

日経8/17やさしい経済学より、格差の進化について(千葉大学教授 広井良典)。

現象別には次の格差をたどってきた。

  1. 「都市所有」をめぐる格差
  2. 都市-農村の格差
  3. 現役世代-高齢世代の格差
  4. 現役世代内の格差

これらの解決策を戦後の日本の歴史に当てはめると次の通り。

  1. 終戦直後の農地改革を通じた土地の再分配
  2. 経済成長期の生産部門を通じた再分配
  3. 年金などの社会保障
  4. ・・・これから

以下私見。

1に関しては資本主義の根本とも言えます。土地に限らず投資ができる人とそうでない人との格差です。解決策として土地の再配分と言っていますが、日本の場合土地神話がバブル崩壊まで続いており、最近まで土地をもつものが勝ち組というイメージがありましたが、何も農地改革をしなくても、「土地は担保にはなるけど金儲けじゃないよね」ということが分かってから(≒バブル崩壊)は、「持つリスク」を個々に意識するようになりました。

2に関しては、所詮は経済成長があっての話なので、配分を工夫したというよりも、配分の元の分母が大きく向上している。地方に工場を造らなくちゃいけないのは、都心部だけじゃぁ土地も人も足りないから。

3の世代間格差に関してはもはや年金制度が充実しきった今では、若年層の方がよほど貧困にあえいでいる。選挙によって再分配ルールを決めると未来を食いつぶす結果になる。

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グーグルが僕たちの職場を奪う

Googleがスターオフィスの無償配布を始めました。スターオフィスはサンが約70ドルで販売している、なんちゃってOfficeです。

Googleが無償配布することで、サンはグーグルから料金を徴収しますがその金額は明らかにはされていません。(日経8/17朝刊7面)

つまり、Googleは有料の物を買ってきてそれを無料で売っているということ。これは一種のダンピングとも取れます。

ダンピングがよくないのは、シェアを取るためだけに短期的に金に物を言わせて市場を制圧してしまうという点です。その際に市場全体をつぶしてしまうので、供給者が減ってしまうというのが良くない。却って競争がなくなってしまう。

マイクロソフトオフィスはそれなりのお値段がします。MSの売上の3割を占めます。消費者からすれば、「儲けすぎで怪しからん!」と思われるかも知れませんが、逆に言えばそれより安い価格で同程度の物を販売するという参入の余地があるわけです。

それが資金力に物を言わせて無料で提供する競合が現れることで、マイクロソフトにとっても痛手になりますが、マイクロソフトの競合にとってはもっと痛手になります。

最悪のシナリオは、次のようなシナリオです。

  • Googleが無料提供
  • MSが対抗して超値下げ(プリインストール含め)
  • ジャストシステムやキングソフトのシェア減
  • ドキュメンテーション市場(売り上げベース)が縮小
  • MSのシェアが1位のまま

最悪と言っていますが、ありえそうな話です。

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自民大敗で地方も景気にマイナスだって

ちょっと意外なアンケート結果。自民が参院選で負けたことで、地方を含めたアンケートでも景気にとってマイナスという景況感が出ています。日経8/17朝刊5面より。

  • 日経新聞「第5回地域経済500調査」
  • 対象は地方銀行、電力、鉄道など地元有力企業のほか大規模工場などのトップ500人。
  • 参院選での政局が景気に及ぼす影響について
    • 「マイナス」「どちらかといえばマイナス」が合わせて45.2%
    • 「中立」が47.0%
    • 「プラス」3.5%

景気にマイナスとして考える理由は人それぞれでしょうが、民主の政策が「雇用の硬直化」「農業を中心とした産業構造の硬直化」をダイレクトに掲げているので、その点が経済にはマイナスには感じます。

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農家保護政策で25万人の雇用が失われる

日経8/2朝刊5面より、EPA交渉が難しくなっている件について。

<ポイント>

  • 参院選で与党惨敗
  • 一方で議席を伸ばした民主党は露骨な農家保護策(≠農業保護)
  • 国内農家保護を優先して通商の自由化が進まないのではないかという懸念が発生

農家の保護単体ならいいのですが、その裏で他の業界の輸出が進まなくなるのが問題。農業以外の業界が停滞する裏で、農家がどんどん雇用を増やしてくれるのならいいのだけれど、今の日本の農家は雇用を創出するほど活性化は見込めない。

豪州や東南アジア諸国とのEPAが停滞すると経済にどんな影響がでるかってところを、三菱総研が試算してくれています。

発行が一年遅れるだけで日本の逸失利益は約1兆円に達し、25万人の雇用が失われると試算する。

失業者そのものは平成19年6月時点で241万人です。なので25万人の雇用逸失はかなりのインパクトです。

格差を減らすといいながら、既得権益だけを保護をして、未来の雇用を奪いとるという政策には大反対。

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肉を食う奴が増えてまた穀物が逼迫する

バイオエタノールでやたらと穀物が急騰していますが、まだ他にも穀物の需要が高まる要因があります。7/16日経朝刊3面より。

  • 農林水産省・国連食糧農業機関(FAO)の調べ
  • 2000-2002年と1970-1972年の一人当たり消費量を比較
  • 肉類の消費量は1.4倍に増えた
  • 穀物の消費量も1.1倍に増えた
  • 肉類の消費量に関して
    • 中国で5.1倍の51Kgに増えた
    • 肉1Kgを生産するのに必要な穀物
      • 牛肉11Kg
      • 豚肉7Kg

中国人が一人あたり5倍の肉を食べるようになったのがでかい。穀物に直すと、さらに約10倍の消費量に相当する。

ということで、穀物は

  • 人が食べるため
  • 家畜が食べるため
  • 自動車が食べるため

の3方向からめちゃくちゃ需要が逼迫しています。この需給バランスだと確実に値上がりする。そうなると相対的に、原油・ガソリンが安く見える。バイオエタノールそのものには分が悪い。誰が得をするかというと、同じ生産量で高値で売れる穀物生産者です。

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パソコンの平均使用年数が増える

日経7/1朝刊7面より、携帯電話やパソコンの買い替えサイクルが伸びているという記事。

主な消費財の平均使用年数

  • 携帯電話・・・・2.7年(5年前は2.0年)
  • パソコン・・・・・4.6年(5年前は4.1年)

携帯の2.7年はいいとして(そもそも通話料が大事)、パソコンは業界にとってはそのまま売上減に繋がるのが痛い。

パソコンにアプリやコンテンツを供給する側も、パソコンのスペックを意識する上で「平均4.7年」は重要な数字。3年で買い替えるユーザーも居れば7年で買い換えるユーザもいるということ。つまりXPでさえないユーザもたくさん居る。XPのユーザはしばらくVistaには買い換えない。

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日本の賃金格差は「普通」

やたらと、感覚値で語られることの多い「格差」ですが、今回はジニ係数以外の指標を、「経年比較」「国間比較」してみます。データは、日経6/20朝刊5面に掲載されていた、OEDCが公表した2007年版雇用アウトルックより。

1995年 2005年
米国 4.59 4.85
カナダ 3.47 3.74
OECD 3.12 3.38
ドイツ 2.79 3.13
日本 3.00 3.12
スウェーデン 2.20 2.33
ノルウェー 1.89 2.21
(注)賃金の上位10%と下位10%の倍率)

はい、日本は「普通」。1995から2005年のOECD20カ国は全体的に景気が上昇していたので、トレンドとしては格差は広がるでしょう。ここで分かるのは、相場観として、大体2倍から4倍の間ということ。

日本で言えば、ちょうど3倍です。そして殆どその差は10年で増えてない。実際の平均の数字は見つからなかったのですが、下位10%の平均が年収300万で、上位10%の平均が年収1000万だとすると、約3倍。「そんなものかもな」という気がします。

OECDの下データはこちらにあります。
OECD雇用アウトルック2007

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犯罪ではなく労働とあつかっていいのではないだろうか

Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 池ポチャボールで生計15年、年収300万円…62歳逮捕より、ゴルフ場からゴルフボールを盗んだ男が逮捕。

  • 年間にわたって、ゴルフボールを売って生計を立てていた
  • 15年間で数千万円の利益→年収300万円
  • 新品同様に磨き上げて大量に売りさばいていた
  • 先月27日深夜、岐阜県山県市の「岐阜国際カントリー倶楽部(くらぶ)」の池からゴルフボール1376個(4万1000円相当)を盗んだとして逮捕、起訴された

年収300万だから大したことがない。最後の「4万1000円相当」から、単価を割り出すと、一個あたり30円。誰も拾わないボールを拾い上げ、わざわざ磨き上げて一個30円。超良心価格。エコでロハス。

経済的にはとても理にかなっていて、彼は価値を創造しているのだけど、「無断でやった」ことが犯罪となっている。

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格差社会言うなキャンペーン

格差社会ってなんとなく言われていますが、その定量分析は違った一面を表すという記事。日経5/11朝刊1面「成長を考える 第6部 格差論を超えて」より。

  • 所得格差は「ジニ係数」で表される
  • ジニ係数は1980年代以降に上昇
  • この12年間の上昇幅のうち
    • 64%は世帯主の高齢化
      • →高齢者ほど資産が多い傾向を反映している
    • 25%は世帯人員の変化
      • →子供が独立すると世帯あたりの見かけの所得は減る

ということで、貧困による格差拡大は殆ど無いということが分かります。しかしながら、切り口を変えると実は格差は存在する。

  • 世帯別ジニ係数を見ると30歳前後の上昇が目立つ
  • 対照的に団塊の世代の正社員は総じて既得権益を守り、世代間に亀裂が走った

「リストラ」という言葉が先行して、あたかも不況のあおりを団塊の世代が受けたかのようなイメージをもち勝ちですが、実際にあおりを受けたのは、新規採用を押さえ込まれた若者です。

「格差社会」というネガティブな言葉で、自由な雇用市場を固定化させてしまうと、得をするのは既得権益者だけになり、かえって若年層の挑戦の機会を奪ってしまいます。

欲しいのはチャンスであって「既得権益者のみに固定化された平等」ではない。

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なぜ日本の労働生産性は低いのか?

日本の労働生産性は低いです。その理由が、日経5/13朝刊29面エコノ探偵団にありました。

  • 内閣府がOECDなどの2005年のデータを分析
    • 日本の労働生産性は主要7カ国最下位
    • 米国の7割の水準
  • 2004年製造業で比較すると日本は3位
  • サービス業の労働生産性は米国の6割弱(2000-2004年平均)
  • 卸小売業は米国の5割弱
  • ホテル・外食産業は4割弱の水準にすぎない

労働生産性は付加価値を労働者(または労働時間)で割っているので、材料費などは含まれて居ません。純粋に労働の生産性を表します。

日本の非製造業の労働生産性が低いのはムダにプレーヤーが多いからです。

  • 日本の小売り規模は米国の3割程度
  • 事業者数は2002年で130万と米国より2割多い
  • 全体の約6割を個人事業所が占める

例を挙げると、シャッターどおりの商店街が、付加価値を提供することも無く、労働量としての分母をいたずらに大きくしているだけの状態ということです。個人的には小さな衣料品店があまりに多いのも気になります。売上に対しての「ショップ店員」の数が多すぎる。服を畳むだけの労働は市場に価値を提供していない。

90年代後半のマッキンゼーの分析も同様に小売りの生産性の低さを指摘しています。

  • 日本の家族的経営商店の生産性
    • 百貨店の4割
    • コンビニの2割
  • 日本のコンビニの労働生産性
    • 米国と比較すると9割弱
    • セブンイレブンジャパンは米国の1.5倍
    • 地方の小規模コンビニが平均を押し下げている

単に日本の小売りが無能だってわけではなさそうな例もあります。

  • ドイツの卸小売業の労働生産性
    • 米国の1.3倍
    • 日本の2.7倍
    • 夜間や日曜日に営業しないことが背景
    • 顧客は不便だが、単位時間当たりの売上が増える

ドイツと間逆なのが日本で、やたらと労働量を投入するサービスが多い割には、それが売上には結びついていない。顧客満足度は高いかも知れないけど、それに金を払うほどのカスタマーへの価値提供はできていない。

また、労働生産性のサンプル対象の期間が、日本ではバブル崩壊後の平成不況だって所も割り引く必要はあるでしょう。分母となる労働量はほぼ固定費。一方の分子となる付加価値は売上にダイレクトに直結しています。景気が悪いと労働生産性は確実に低くなる。製造業とサービス業の労働生産性の違いは、外需の景気と内需の景気の差とも言える。

私の家の近くの食品スーパー(マイハート)は、ものすごい低価格でものすごい集客です。KSFは労働生産性の高さでしょう。なぜなら「日曜はおやすみ。平日は19時閉店」というドイツ並みの営業時間。19時前にはものすごい量の顧客が大量に買って、閉店時にはモノがなくなる。すばらしい労働生産性の高さです。

ということで、労働生産性を高めるためのポイントまとめ(私見)。

  • 分子(付加価値)を大きくする
    • アメリカ型
    • 売上が大きければ付加価値も上がる
    • 規制緩和などで市場そのものを大きくする
    • 要は景気を良くする。これが一番効く
  • 分母(事業者数)を少なくする
    • アメリカ型
    • シャッターどおりの商店街をスーパーに集約
    • 従業員を多く雇うことのインセンティブを上げ、雇用や納税の義務を果たさない零細企業をマーケットから退出させる
  • 分母(労働時間)を小さくする
    • ドイツ型
    • 「売上を落さずに」することは難しい
    • 顧客満足度を下げずに労働時間を減らすことを模索すべし
  • 効率を上げる
    • これが理想。そして難しい
    • ITによる取引事務の生産性向上(アメリカ型)
    • 無駄な奴隷的サービスを避ける(日本以外の全て)
      • 接客の無い衣料品店があってもいい
    • 生産性の低い業界に労働者を送り込まない
      • 生産性が低い奴隷的サービス(かつ給与は低い)であっても、次々と若者が入っていくのが良くない。売り手市場の今でもそう。
      • 成功例としては日本の農業。「なり手が居ない」という課題は聞かれるが、生産性の低い業界に貴重な労働資源を奪われないで済んだのが日本の成長を支えてた。

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フランスの世代間格差

日経5/10朝刊7面「フランスの行方 サルコジ流の課題」より、フランスの雇用問題の話題。

経済協力開発機構(OECD)によると、仏で正社員を雇うと本人に支払う給与とは別に、給与の5割を超す社会保険料や税金支払いが生じる。OECD平均の37%を大きく上回る。

こうした企業負担は、正社員に対しては手厚い子育て支援など仏が世界に誇る先進的な「光」となる。反面大卒が正社員の職を得るには10年かかるという現状では、20%超の若年失業という「影」を生む。

日本でも、終身雇用を誇っているようで、その実は新卒採用をストップさせることで人件費の調整が行われていました。不安定な市場に対し、無理やり既得権のみを安定化させると、常に若者にしわ寄せが行きます。

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配当累計約3兆8000億円

日経5/2朝刊1面「立ち上がる家計イエノコノミー」より、個人消費が力強さを増しているという記事。

格差論者はとかく、「景気がいいのに個人消費が上がらないのは賃金が上がらないからDA!」「配当ではなく賃金WO!」とシュプレヒコールをあげていますが、個人には労働者だけではなく、年金暮らしの老人も含まれます。株主は敵ではなく、「私達」の一部です。

その「私達」の一部がどれくらい、この景気の中で潤っているかというデータ。

  • 家計に流れ込んだ配当の総額
    • 2006年度に上場株式や株式投資信託から家計流れ込んだ配当・分配金は推計で約3兆8000億円。
    • これは2005年度の預貯金の利子(約3兆円)を上回る
  • 配当を受け取った人の動き
    • 20歳以上の500人にインタビュー
    • 株の配当収入があったのは121人
    • うち10万以上の配当を手にした人は23人
    • もらった配当は53人が「食事」36人が「旅行・レジャー」に使うと答えた

ちなみに、私は配当収入はあるけど、年1万ちょっとくらい。10万の配当というと、平均の配当利回りを1%としてざっくり1000万を運用をしていることになる。

意外に「国民」は金持ちだってこと。

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格差と貧困は逆相関の場合もある

東京新聞:「格差と貧困の解消を」 全労連がメーデーで訴え:社会(TOKYO Web)

主催者発表で約4万2000人が参加した東京・代々木公園の中央メーデーであいさつに立った全労連の坂内三夫議長は「差別と貧困の格差社会をつくり出そうとする新自由主義が世界でも日本でも牙をむいている。労働者の統一闘争によって格差と貧困を解消させよう」と訴えた。

意味不明な日本語ですが、計測できる単語をピックアップすると、「格差と貧困」です。格差はジニ係数などが代表的です。貧困は失業率やホームレスの数で計測できます。

ジニ係数そのものを見る限り、日本はさほど格差があるわけではないし、過去に比べて今のジニ係数が高まっているわけではない。

ただし、失業率の世代間格差で見れば、平成不況の間には若年層の失業率が突出していました。これは、既存の労働者を解雇することができないため、新規採用を抑えることでしか人件費が調整できないという日本の労働市場特有の影響です。労働組合が雇用安定を主張すればするほど、世代間格差が広がる。不景気の中での格差是正のためには、「満遍なく解雇」「一人当たりの人件費を下げてでも雇用者数を増やす」ということが必要です。

また、ホームレスは、景気が良くなれば減ってます。これは地域ごとに明らかで、トヨタの城下町の愛知県ではホームレスの減少率がダントツです。

景気がよくなったとは言うものの、企業毎にはばらつきがあります。生産性が大きく向上した企業もあれば、そうでない企業もある。生産性は等比数列的に向上しますから、その差は広がります。

「全ての人の収入が二倍になる」は貧困の解決にはなりますが、格差は広がります。「全ての人の収入が半分になる」は格差は小さくなりますが、貧困は広がります。価値観の尺度が「妬み」である場合には、後者の愚かな選択がなされます。

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「アメリカでは人を解雇できる」(ポール・グレアム)

らいおんの隠れ家 - ポール・グレアム「ベンチャーがアメリカに集中する理由」より、アメリカにベンチャーが集中する理由をあれこれ挙げています。その中で面白いのはこれ。

5. アメリカでは人を解雇できる

ヨーロッパでベンチャーを作ることを最も大きく妨げるものの1つは、雇用に対する姿勢だ。厳しいことで有名な労働法は、すべての会社を痛めつけるが、特にベンチャーを痛めつける。ベンチャーは官僚的な議論に時間を割いていられないからだ。

解雇が難しいことはベンチャーでは大問題だ。ベンチャーには余裕がないから、みんなが有能でなくちゃいけない。

解雇の条件を厳しくするのは、企業が労働者よりも圧倒的に強い立場であるということが前提です。しかしながら、ベンチャーはさほど強くない。採用でも苦労をする上に、解雇ができないとあっては、ただでさえリスクの高いベンチャーのリスクがもっと高まる。

解雇はあんまり良くないことだけど、解雇しなくちゃ行けない状況なのに解雇できないのはもっと不幸。その不幸が障害になって、新たな企業と職場が生まれないのはもっともっと不幸。

弱者としての労働者を守るのは大事だけれど、企業は言うほど強くない。人の寿命よりも短いこともあるし、若年企業の死亡も多い。だから、企業を産んで育てる努力を怠ってはいけない。

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ホームレス、4年で3割減

日経4/7朝刊34面より、ホームレスが減っているという記事。

  • 厚生労働省の調査
  • 全国のホームレスは2007.1時点で1万8564人
  • 4年前の前回調査から3割近く減った(前回は2万5296人)
  • 地方別増減
    • 東京36.7%減
    • 大阪26.3%減
    • 神奈川4.8%増
    • 愛知52%減
  • ホームレスの平均年齢は前回から1.6歳上昇し57.5歳となった

平均年齢が上昇しているということは、ホームレスから復帰するだけではなく、新たなホームレスが補充されてないのでしょう。

そして特徴的なのは、愛知県。激減です。好調な自動車関連企業が集まるところではホームレスも少なくなる。この事例は「大企業が元気だと超最下層も元気になる」を証明する一例です。

「景気がいいと言うけど実感が無い」という人は、本当の貧困から目をそむけ、自分は安全地帯に居ながら、上だけを見て妬んでいるだけに過ぎない。

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買収ファンドの社会的意義

教科書的だけど、買収ファンドが社会に与える影響についてのメモ。日経4/3朝刊17面「一目均衡」より。

  1. 投資の成果をあげ、ファンドの出資者である年金基金に利益を返せば、市民一人ひとりにも恩恵が届く
  2. コンサルティング会社ATカーニーの調査によると「過去4年間にファンドは欧州で100万人、米国で60万人の新たな雇用を生んだ」とはじいた

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スズキはインドの方が良く売れる

日経3/31朝刊9面より、スズキのインドでの新車販売台数が、2007年度に日本国内販売を逆転する見通しであるという記事。

  • 現在の国内販売は59万4000台(前年比-2.7%)
  • インドは57万1000台(前年比22.6%増)
  • インド子会社マルチはスズキの連結経常利益の約4割を稼ぐ
  • 日本のほぼ半分の車種しかなく経営効率が高い

てことでこのまま行くと、スズキの連結利益の半分をインドが占めることになります。売上だけでなく、利益も出ているところがすごいところ。決して安値で叩き売っているわけではない。

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雇用は海外で生み出される

日経3/31朝刊5面より、日本企業が海外で雇用している従業員の統計。

  • 経済産業省の発表
  • 日本企業がアジアで雇用している従業員数が2006.3時点で300万人を突破
  • 全世界での雇用者数は435万6000人(5.2%増)

アジアに集中しているというものの、でかいということです。

大半は製造業と推測されます。製造業であれば日本で完成品を作ってそれを輸出する方法もあるはずですが、それが出来ないということは、なんらかの「課題」が日本にはあるということです。

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パーソン・オブ・ザ・イヤーは奥田碩氏

日経3/15朝刊5面より、2006年パーソン・オブ・ザ・イヤーに奥田碩氏が選ばれたというニュース。

  • 在日米国商工会議所が表彰
  • 社長、会長時代に、工場建設などで米国の雇用機会創出に貢献したことなどが選考理由

アメリカから見れば、トヨタは外資です。さらにトヨタの輸入車が米国産の車のシェアを奪っています。敵視されてもおかしくありませんが、消費財市場と労働市場の双方を潤しているという点では、アメリカに貢献しています。自動車メーカーであると同時に、JOBメーカーでもあります。

当たり前のことですが、外資排斥という安直なナショナリズムに走らないところがアメリカの強いところです。

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なぜM&Aは成功しないか?

成功してるケースもあるのだけれど、ダイムラークライスラー、日本航空システムのような例を見ると、M&Aしたからといって何か解決するわけではなさそうです。

日経3/16朝刊1面より。

国際会計事務所KPMGが米企業のM&Aを調べたところ、合併・買収後の株式時価総額が、それ以前の合計額より下がったケースが全体の7割に上った。

ここからは推測。

M&Aには、より強いタッグを組むためのM&Aと、弱者が生き残りをかけて連合を組むM&Aがある。企業は業績がいいときには、他社に頼る必要は必ずしも無い。それに対して、ジリ貧の時には市場から退出するか、どこかにくっつくしか選択肢が無い。なので、M&Aの中の比率は、下降線をたどる企業同士の合併の方が多くなる。

弱者連合のM&Aが大成功を収めていないとはいえ、じゃぁそれらの企業が合併をしなければ、二社とも好業績になっているかというとそれは分からない。

M&Aは人間に例えれば、移植手術のようなもの。手術の後に死亡する人は多いかも知れないけど、手術そのものが不必要かと言えばそうではない。

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「日本に投資が落ちないのは当たり前」(坂本幸雄氏)

日経3/13朝刊5面より、エルピーダメモリ社長坂本幸雄氏インタビュー。

新工場の建設地に台湾を選んだことに関するコメント。

台湾は半導体工場を新規立地する場合、法人税を5年間免除する。さらに最先端技術に対して5年間の税制優遇がある。電力料金も安い。台湾に決めたのはアジア勢と同じ土俵で競争したいからだ。

ドイツでも半導体工場の建設に800億円、米国では州が1000億円の補助を出したケースがある。日本は人件費もインフラコストも高い上に投資を呼び込む努力をしていない。日本に投資が落ちないのは当たり前だ。

日本で法人税優遇でもしようものなら「企業優遇だ!」と反発が起きてしまいます。企業というのは従業員の集合であり、対立するものではないという簡単な仕組みに目が行かず、対立するものとして位置づけられがちですが、それは間違い。

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アダム・スミスの嫉妬論

約230年前にアダム・スミスが「国富論」より。

相手国の繁栄を嫉妬の目をもって見て、彼らが利得すれば自分達が損をするとみなすよう、国民は仕向けられている。

もちろん、アダム・スミスはそれは誤解であって、自由な交易が大事であるということをアピールしています。

交易は単なる交換です。交換は双方が、「今持っているものより価値がある」と認めた場合に成り立ちます。交換して相手が喜んでいるからと言って、相手の交換する権利を狭めるのは、自分の交換の権利も縮小してしまいます。

と簡単なことなのですが、外資が動くたびに、外資脅威論が持ち上がります。取引をオープンにしても、売ったり買ったりする「もう一方」は日本人なのです。取引の価値が無いなら個別に判断すればいいことです。

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日本の労働者は搾取されているか?

日経2/20朝刊より労働分配率ネタ。

労働分配率には二つ定義があります。

  1. SNA(国民経済計算)ベース
    • 国民所得を分母とし雇用者報酬を分子にする
  2. 法人企業統計ベース
    • 企業の付加価値(経常利益+減価償却費+支払い利息+人件費)を分母とし、人件費を分子とする

数値はちょっとずれますが、労働者への「分け前率」をみるという点では同じ意味あいです。

そしてSNAベースでの国際比較はこのとおり(2003年のSNAベース)。

イタリア 57.8%
韓国 60.1%
カナダ 69.4%
米国 69.8%
豪州 71.5%
英国 71.6%
ドイツ 72.2%
日本 72.7%
フランス 73.3%
スウェーデン 79.4%

はい。日本は高い方です。

2003年というと、日経平均が1万円割れをしていたころです。企業の業績が悪いので、分母が小さくなる。会社が赤字だからと言って、賃金もゼロになるかというと、それはならずに法律やら労働組合やらの力によって下限が決まる。なので、労働分配率は不景気に入ったときには上がる。いずれは倒産や退職により人件費はなくなるので、いずれ安定する。

反対に今は企業の業績がいいので、分母が大きくなっている。赤字スレスレから利益が出るようになると、「利益が100倍」なんてことが起こるけど、賃金は100倍にはならないので、労働分配率は好景気に入ったときには下がる。いずれは人を増やすので、しばらくすると分配率も上がる。

実はただそれけの数字なのにも関わらず、好景気に入った瞬間の労働分配率の低下だけを見て「労働者が搾取されている」と見るのは間違い。

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シンガポール法人税大幅減税

シンガポールが企業誘致にアグレッシブです。日経2/16朝刊7面より。

  • シンガポールが法人税率を2%引き下げ18%にする(2008年度より)
  • 一方で消費税は今年7月か2%引き上げ7%にする

以下、シンガポールシャンムガラトナム第二財務相のコメント。

「世界の平均法人税率は過去5年間で31%から27%に下がった」と強調。20%から18%への法人税引き下げが「投資を呼び込み、優れた雇用機会を生み出す」と説明した。税の減免措置もあり、8割の企業の実効税率が10%以下になることも明らかにした。

一方で日本の法人税の実効税率は39%。日本は賃金も高いし税金も高い。日本で生産するのは相当不利です。「私の国に職場を作ってください」という国もあるなか、日本の制度は「職場を作るな」というメッセージにしかなっていません。

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インドの自動車市場成長中

スズキをポートフォリオに組み込んだのは、インド市場で圧倒的なシェアをとっていたからなのですが、市場も成長し、各社参入してきたようです。以下日経2/12朝刊1,3面より。

  • インドの自動車市場について
    • 2006年度は140万台(前年度比2割増)
    • 既に韓国を追い越している
    • 2010年には約200万台に達する見通し
    • これは日本の1/3程度の規模
  • スズキ
    • 現在5割近いシェア
    • 2010年までに生産拠点として2000億円投資
    • 年産能力を6割増の100万台とする
  • トヨタ
    • シェアは4%
    • 2010年をメドに年10万台の新生産拠点
  • ホンダ
    • 2009年に第二工場を新設
  • 日産
    • 小型車工場建設にむけ調整中
  • BMW、ルノー
    • 主力車のインド生産を決定

「生産拠点」としてのデータと「市場」としてのデータが混じっているのですが、市場として見る場合にでも、現地生産は有利でしょう。統計では、インドでの乗用車は生産量と販売量がほぼ同じです。

ポイントはやっぱりスズキの出足がいいということ。今もシェアを5割持っていますが、2010年時点で、市場規模が200億円に対して、生産能力が100億円になっている。

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人をだますための六つの原理

日経2/10プラス1、最終面「妙なお話」より、だまされる心理についての記述。

ロバート・B・チャルディーニ教授がだます人たちの各種組織に入り込んで、だますための「六つの原理」を導き出しています。

  1. 返報性
    • 新興宗教の信者が通行人にまずは一輪の花をプレゼントし、その後に寄付を要求すると、心理的な借りを作ってしまった人は借りを帳消しにしようと寄付をしてしまう
  2. 一貫性
    • 格安の値段で購入を決めた後に、価格が間違いだということが分かっても結局買ってしまう。
    • ローボールテクニックと言われている
  3. 社会的証明
    • 行列が並んでいるとつい並んでしまう
  4. 好意
    • 知人とのホームパーティー形式だと買わざるを得ない
  5. 権威
    • 権威がある人を信じてしまう
  6. 希少性
    • 残りわずかと言われると買ってしまう

健康食品の通販なんかは、

  • 「効かなかったら返品可」(返報性)
  • とりあえず高い値段出したら効いた気になる(一貫性)
  • 売上ナンバー1(社会的証明)
  • 白衣の教授にしゃべらせる(権威)
  • 残りわずか(希少性)

と、一通りのテクニックを使っています。好意をうまく使うのはマルチ商法でよく使いますね。

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景気回復でパート減る

パートの数、5年ぶり低水準・06年1205万人-ニュース:スマートウーマンほか、日経2/8朝刊1面より。

  • パート労働者数が二年ぶりに減少
  • 景気回復を受けて企業が正社員を積極採用していることが背景

ということで、「企業が景気が良くなったのに労働者には回ってこない」という批判は的はずれ。企業業績と雇用は完全連動ではなく、タイムラグがあります。好景気になってもすぐに雇用が増えないのと同様に、不景気になったからと言ってすぐに解雇することもない。

ということで雇用問題の解決には、企業業績を上げるための仕組み(法人税対策など)をとるというのが一番まともな解ということでファイナルアンサー。

ただ、気になるのはパート労働者の定義が「週35時間未満の雇用者」ということ。本当に主婦があいた時間でパートをしていることは、別に悪いことでもなんでもないので、パートの増減だけでよしあしを判断するのは間違い。パートが減ったという事実からは、パートだけが解雇されたという見方もできちゃう。

じゃぁ正社員はどうなのかというと、増える見込み。同日日経朝刊1面の日経新聞調べによると、28%の企業が2008年度の新卒採用を増やすと回答しています。

初任給も上がっています。

  • トヨタは2006年春に6年ぶりに引き上げ
  • イオンが12年ぶりに引き上げ

ということで、ちゃんと賃金引上げの順番が回ってきている。

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法人税率下げブーム到来

日経2/3朝刊1面「法人税率下げ、主要国で加速、実効税率20%台主流」より、世界各国で法人税率を下げる計画が進んでいるとのこと。いずれも雇用創出が目的と見られます。

以下各国の法人税実効税率について(数値はOECDの資料から日経が作成)

  • ドイツ(連立政権が合意)
    • 38.9%→29.8%(2008年)
  • フランス(シラク大統領が表明)
    • 34.4%→20%台(向こう5年で)
    • 現在はEU平均よりも8%高いため「企業の競争力維持にマイナス」(シラク大統領)
  • オランダ
    • 29.6%→25.5%
  • スペイン
    • 35%→32.5%(2007年)→30%(2008年)
  • ブルガリア
    • EU加盟時点で10%
  • シンガボール
    • 20%→18%
  • マレーシア
    • 28%→26%(2008年)
  • 台湾
    • 25%

と世界中で直接投資合戦が行われています。法人税の数パーセントはパッと見は大した影響がないように見えますが、その数パーセントはそのまま投資利回りに影響します。利回りが2%の投資が4%に増えるのなら、投資マネーのシフトは大きくなります。

日本は実効税率が39.54%とダントツの税率です。そりゃ生産拠点は逃げていきます。実は米国も同様に39.3%と高いのですが、投資も雇用も順調です。アメリカの場合には解雇が可能という点が、起業にとって有利な面がありますが、日本ではそのメリットさえもありません。

日本でも当然法人税率を下げる話題は出てきてもおかしくないのですが、無知なマスコミが「企業優遇!国民の生活ないがしろ」とミスリードするのは目に見えています。企業にやたら厳しく当たる人たちは、企業というものが、労働者の集合であるという単純な事実を見ることが出来ていないのでしょう。いくら税率を高くしても、企業が逃げてしまっては法人税も雇用もゼロになるという単純な事実が見えていないと、それこそ天につばを吐くだけの行為になります。

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携帯電話9億7800万台

日経1/28朝刊5面「世界携帯販売、昨年23%増」より、フィンランドのノキアが調べた携帯電話の世界出荷台数。

  • 2006年の携帯出荷台数は9億7800万
  • 前年比23%増
  • 上位の販売台数
    • 1位ノキア3億4700万
    • 2位モトローラ2億1740万
    • 3位サムスン1億1800万
    • 4位ソニーエリクソン7480万
    • 5位LG電子6400万

ざっくり10億台です。PC市場が年間2億台ほどですから、その規模の大きさが分かります。「販売個数」を見れば、WindowsPCよりもノキアケータイの方が売れている計算になります。ノキアはケータイの価格を1個当たり1円高く売ることが出来れば、3億利益が出るという企業なのです。一個当たり1円のコストダウンでも3億の利益が出る。

世界の人口が60億ですから、10億個のケータイを売ることの飽和感は予想せずにはおれません。ゆえにシェアの大半をとる上位企業に純日本企業が入っていないのは残念極まりない。もう勝負があった感じ。フィンランドのノキアやスウェーデンのエリクソンといった北欧の存在感があるのも、携帯市場の特徴です。

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ビュッフェが増える理由

日経1/28朝刊エコノ探偵団「ビュッフェなぜ増える?」より。

  • ビュッフェ形式のレストランが増えている
  • 人件費
    • 普通のレストランは売上の3割
    • ビュッフェ形式は売上の2割
  • 食材費
    • 普通のレストランは売上の3割
    • ビュッフェ形式は売上の4割

と、ビュッフェ形式は人件費が少ないのが特徴。その分食材費がかさむというデメリットもありますが、コックさんは注文が来る前に調理をすることが出来るので、超人的なスピードが要求されないという点で、研修期間が短くて済むというメリットがあります。

以下ビュッフェレストランを増やす主な外食企業。

  • 柿安本店
    • 「三尺三寸箸」を15店
  • クリエイト・レストランツ
    • 「はーべすと」を25店
  • ニラックス
    • 「フェスタガーデン」など100店
  • ピーエフ・コミュニケーションズ
    • 和食ビュッフェ「ひな野」を25店に拡大

今は人手不足のモードですので、仮に収支がトントンだとしても、少ない人手で出店を拡大できるのであれば、そちらの選択をとるのでしょう。外食産業は、拡大と縮小を機動的にやる必要があります。雇用の流動性の少ない制度の下で人を雇うのは事業のスピードを遅らせることになります。

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タンザニア大統領、グローバル経済を語る

日経1/29朝刊5面「領空侵犯」より、タンザニア大統領、J・M・キクウェテ氏インタビュー。

一貫して市場経済の活性化を唱えています。

極言すれば、私たちは無償ODAは要りません。欲しいのは企業の元気な活動です。政府支出ではなく、民間投資こそが経済の活力を生むのです。

実際に規制緩和と国営企業の民営化を進めて、昨年は7%近い成長率になりました。

経済のグローバル化に同対応すべきかという点での日本への助言は次のように述べています。

得意分野を伸ばす努力が必要です。松下電器産業が以前、タンザニアで小型ラジオを作っていました。大変な人気商品で、私は製品の型番まで覚えていまよ。大音量で音楽を流しながら楽しく農作業をしたものです。いま日本企業は市場開拓のフロンティア精神が衰えていませんか

その一方で、先進国での農業への補助金は世界の農産物市場をひずませています。保護主義をやめ、補助金を減らし、フラットな世界経済を築くべきです。これが私から日本と欧米へのお願いです。

アフリカから、「いいからグローバル経済になれ」と教えてもらうというのもだらしのない話です。

日本にはテクノロジーが期待されているし、テクノロジーを供給するのが世界貢献です。その代わり農作物の優等生は認めてあげて欲しい。「地産地消」などの耳障りのいいバズワードで、海外の「農作物の優等生」を排除するのはアンフェアな話です。

「グローバル経済は強者が弱者を喰らうだけ」というような的外れな批判もありますが、代わりに「弱者の得意分野さえ殺してしまう」というようなアンフェアな保護ルールよりもずっとましです。

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日銀の利上げ見送りは急激な円高を防ぐため?

「日銀が利上げを見送ったのは、政府に屈したからだ」など、どうでもいい低レベルな記事とは違って、英フィナンシャルタイムスではもうちょっと凝った分析をしているようです(日経1/27朝刊17面)。

  • ヘッジファンドでは借金をうまく使って元での50倍に運用するケースもある
  • その借金の手段として、「円キャリートレード」がある
    • 円を安い金利で借りて
    • 外貨建てで運用する
    • 円の金利と外貨の金利の差が利ざやになる
  • 利上げ見送り後に、円が大きく安くなったのは、円キャリートレードが大きく加速したからだという見方がある

この円安を見ると、「じゃぁ逆に利上げを見送ったなら逆が起こったはずでは?」ということが推測できます。わずか0.25%の利上げといえど、円の「超低金利」を使って運用しているファンドはかなりの借金です。出じまいをはじめて、今度は急激な円高になります。

ここしばらくの好景気は、円安に助けら得ている部分は大きいでしょうから、急激な円高はあまり歓迎できません。

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香西氏は法人税減税路線

日経1/26朝刊5面に、新しく政府税調会長になった香西氏のインタビュー。

法人税の軽減案がある度に「企業優遇だ!」とマスコミがミスリードしていますが、人件費と高税率の懲罰的高コストで生産拠点が日本で作れなくなってしまったという大罪を忘れてはなりません。

日本の法人課税の実効税率は約40%と主要国では最高水準。国際競争力を高める上での足かせになっているとの指摘は強い。ドイツは生産拠点の海外移転を防ぐために税率下げを検討中で、日本も追従すべきだとの声が経済界にある。

移転を防ぐというか、すっかり移転しつくしてしまったのですが、職場をとり戻すという意味で、生産拠点を作りやすくする環境づくりは大事です。企業優遇と思考停止をすることなく、「職場を創造するにはどうしたらいいか」を、労働者が真剣に考えるべきです。

職場が無ければ、賃金も、所得税も、法人税もゼロです。税率ではなく税額を増やす意味でも、法人税率を下げることで職場を創造すべきでしょう。

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中小企業の景気が良くならないのは、パッとしない業種だから

またまた格差の話題。

Photo今週の指標 No.782より。大企業と中小企業の格差があるとは言うものの、実はちゃんと中小企業も景気は上向いている。ただし差は広がっている。しかし「格差はなくすための共倒れ」というオプションはないでしょう

じゃぁなぜ中小企業の景気が上向かないのか?菊田さんの分析が面白い。

  • 今回景気がいいのは製造業
  • 例えば建設業は今のところ景気が良くない
  • 建設業は中小企業が多い
  • したがって、中小企業が景気についていけてないように見える

規模の差を原因にする前に、業種の差を指摘しているのが面白い。今の日本の好景気は、外需主導でなおかつ円安というダブルのラッキーパンチが重なっていて、内需はさほどでもない。

特に建設業に関しては、バブルがはじけてからもなかなか企業数は減ることなく、その上需要もないときている。公共事業もあてにならない。そりゃ辛いのは目に見えている。だからと言って、無理に公共事業を増やすのは本末転倒。増えすぎたプレーヤーを「適正な需給バランス」に落ち着かせるのが筋でしょう。

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格差でしか幸せを測れない人は心が貧しい

格差社会という言葉が踊っています。ただその問題の内訳はあまり説明されていません。

とりあえずWikipediaの解説はこちら(格差社会 - Wikipedia)。

結論から言えば、あまり定義されていない。これだけ言葉が先走るのは、それが観測結果ではなく、人々のメンタリティーの訴えかける言葉だからでしょう。ジニ係数とかって数値もあるけど、格差に警鐘を鳴らす文化人はそんなの気にしちゃ居ない。

世界的に見ても、同一言語での識字率がほぼ100%の国民が1億人を超えているという教育水準の高さを見るだけでも、世界の奇跡と言っていい。そこそこのお金でセンター試験を受けることもできる。田舎でパッとしない高校生だった僕には、「誰もが全国大会に出れるというこの仕組みはなんとすばらしいことだろう」と感謝した。

そもそも格差がなぜ問題なのか?

  • 月収20万の人が3人の社会
  • 月収30万の人二人と月収100万の人が1人

後者の方が個々の人間が受け取る報酬は多い。国家の政策としては後者を選ばねばならない。ところが、「格差社会」を問題視すると、後者は「不公平な社会」と映る。

実際にこの好景気で失業者は減っている。派遣社員の報酬もどんどん高くなってきている。底上げは確実にされている。だけど、「それ以上に」儲ける人が居ると「不公平」と映る。

幸福を何で測るかは人それぞれかも知れない。サンプルとして二人挙げる。

  • うまいものを食べてうまいと幸福を感じる人・・・絶対評価
  • 誰かより高いものを食べて幸福を感じる人・・・相対評価

絶対評価を求めるのであれば、全員が幸福になることは可能ですが、相対評価はゼロサムゲームです。自分をどこかの順位につけて、下を見ることで安心し、上を見ることで妬むだけの人生です。ゼロサムゲームは、社会全体を幸せにすることはできません。

「このご飯はおいしい。だけど僕よりもっとうまいものを食ってるやつが居る以上は僕は幸せではない」

「僕はキミと結婚できてまずは幸せだ。だけどハリウッド女優と結婚するやつが居る以上は僕は幸せではない」

こんなことを言う奴は、まず幸せにはなれない。他人を幸せにすることもできない。そして、この人と一緒に居ても、「見下されるか」「妬まれるか」のどちらかでしかない。一緒にいたくな人です。

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日本は高コスト体質(御手洗富士夫)

NIKKEI NET:社説・春秋 ニュースより。

経団連はグローバル競争への対応を重視して臨んでいる。御手洗冨士夫会長は11日の講演で「依然、わが国は世界的にトップクラスの賃金水準、高コスト体質という構造的課題を抱えている」との認識を示し、「賃金水準を一律に引き上げる余地はない」と言明した。さらに「企業労使共通の課題は労働分配率の分母である付加価値の増大だ」と、労働分配率の引き上げには否定的だ。

対物価の比率で言えば、日本は世界トップクラスの賃金であることは事実でしょう。分け前の比率の議論は、ゼロサムゲームでしかありませんが、分母の拡大はWIN-WINの結果を生みます。

しかしながら、労働組合には「付加価値」「GDP」という分母の話は出てきません。

連合が発表した07年版「連合白書」は、「株主主権主義」が分配構造を変えたとみる。そのうえで「マクロの分配のゆがみを労働と生活への分配へと反転させることが必要」と訴える。

じゃぁ、日本の企業が本当に株主偏重かというとそうではない。PBRが1を割った企業(株主から見て元本割れ)はごろごろしているし、英米から見て、配当利回りも低いし、株主資本利益率も低い。まだまだ日本は株主軽視の従業員重視です。

社説では、「新しい分配方式の確立が待たれている」と特に何の提案もありませんが、ここは御手洗さんの言ってることが正論でしょう。

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神戸市がダブルA取得

神戸市格付け「AA」 信用力1ランク改善より。

神戸市は十日、国内最大の格付け会社・格付投資情報センター(R&I)に依頼し、市債発行時の信用力を表す「発行体格付け」を取得したと発表した。格付けは「AA(ダブルエー)」で、これまで同市の決算情報から同社が独自に判断していた「AAマイナス」から評価がワンランク向上した。

 地方債を発行する自治体が自ら格付けを取得するのは、米国の大手格付け機関から依頼格付けを受けた横浜市に続き、全国で二例目。

神戸市は震災という不運による借金が膨大です。しかしながら、アカウンタビリティーは高いほうで、わりとオープンです。オープンにすることでの信用獲得の延長線上に「格付け」があるのでしょう。そして、これで「二例目」というのがひどい点です。債券を発行するのだから、格付けくらいはちゃんととりましょうよと。それ以前に、バランスシートを公開している自治体が少なすぎる。

個人的には、地方に対する格付けはまだ「甘い」と思います。神戸市は公開情報からは確実に借金だらけですが、神戸市よりもずっとアカウンタビリティーの低い自治体もあります。「隠している」という事実を元に格付けを下げてもいいと思います。

一方で地方債協会は地方債の安全性に関してこんなことを言ってます。

1 地方債の元利償還に要する財源の確保

  • 自らの課税権に基づいて地方税収入を確保
  • 地方財政計画の歳出に公債費(地方債の元利償還金)を計上
  • 公債費を含めた歳出総額と歳入総額が均衡するよう地方交付税の総額を確保
  • 地方交付税の算定において、標準的な財政需要額(基準財政需要額)に地方債の元利償還金の一部を算入

  →地方債の元利償還に必要な財源を国が保障

「借金を返せなくなりそうだったら、地方税を増やすから安心。」「最後は国が助けてくれるから安心」とまるで自力で返す意思なし。増税するから安心という自治体に企業や住民がやってくるとは思えない。国が助けるのなら、最初から全部国債で調達してばら撒けばいい。投資家に対してあまりに失礼。

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グローバル化は富を生む

日経1/11朝刊1面「成長を考える~グローバル化は富を生む」より、インドのある村の例。

地元の穀物会社EIDパリーが一台の中古パソコンを無料で提供した。小さなパソコンに映る小さな窓。検索ソフトウェアが貧しい村と世界をつないだ。

サトウキビと米を栽培する農家のアリバッチ(41)がぎこちなくマウスを操作する。覗き込む画面は、米シカゴ商品先物取引所にまでリンクする農業総合情報サイトだ。ネットで栽培技術を学び正確な気象予測情報を手にいれ、村の生産性は大幅に向上した。

作物の国債相場を知ったことも豊かさをもたらした。かつては仲買人に情報を独占され、価格操作や搾取が横行。農家は買い手の言い値で作物を引き渡し、高い金利や高額の保険料の支払いも強いられてきた。農民たちはネットの窓から自分達の農作物が不当な低価格だったことを知った。アリバッチの年収は3割以上増え、およそ7万ルピー(約18万円)になった。

グローバル化は貧富の格差を増やすと声高に叫んでいる人も居ますが、そこには根拠はありません。グローバル化で損をするのは、情報格差を利用してただけの既得権益です。実力差がそのまま出るので結果は平等にはなりませんが、チャンスは平等です。

グローバル化は「実力に対して中立」。実際に経済でも技術でも優位だった日本が90年代から低成長なのを横目に、中国やインドがものすごい勢いで生産性を上げてきている。確実に差が縮まってきてる。

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貧困と支出の関係はあまり論じられないなぁ

年末にフジテレビで、生活保護を受けている家庭のドキュメンタリーがありました。非常に苦しい様を描いていて、ピックアップするとこんなところです。

  • 家賃補助を抜いて13万円の生活保護
  • お金がなくてテーブルもないので床で子供達は食事を取る
  • 「明日は食べるものがない」と子供達に怒鳴る母

ビジュアル的には酷いなぁとは思ったものの、いざ自分を振り返ると、妻に渡している生活費は月14万円。ここから妻は小学生になる長女の給食代や次女の幼稚園代やら水道代を出している。

テレビでは13万の使い方については掘り下げていない。ただテーブルも買えないというのはおかしい。12万を30日で分割しても一日4千円です。世界的に見てこれは貧困にはカウントされない。

いざ具体的に貧困を見ると、年収の少なさよりも支出の多さが目立つのです。だけど、本人はその理由を分かっていないことが多い。

例えば、ブティックで12万円相当の品が3万円で売られている「福袋」があったとする。そのときダメな消費者は「これを買うと9万円得をする」と思ってしまう。実際には3万円の支出が増えただけのことです。

あたりまえすぎて、文章にするのもおこがましいですが、私が気をつけている「貧乏にならないための支出抑制ポイント」を書きます。この程度を守らずして、貧困を嘆くなと。

●車にお金使わない

まずは、車を持つのはかなりの贅沢です。車の初期費用と維持費を感がセルと、その大半をタクシーに使ってもお釣りが来る。家族で旅行をするたびにレンタカーを借りる知り合いもいます。毎回新しい車が選べるのでむしろ贅沢感が得られるそうです。それでも数百万のレンタカー代には絶対にならない。

さらに車好きはオプションにかなりの投資をしてしまいます。手間ひま書ければかけるほど車は高くつきます。車エンゲル係数(支出のうち車関係が占める割合)が高すぎる人ってあなたの周りにもいるんじゃないでしょうか。

●ギャンブルしない

私は絶対にギャンブルはしません。期待値がマイナスだからです。マイナスの時には「これはレジャーだ」という言い訳もあるかも知れませんが、もっと安くで満足度の高いレジャーもあるはずです。

ギャンブルではありませんが、ゲームセンターももったいない。基本的に「射幸心」をあおって儲けるタイプのビジネスにお金をつぎ込むのは、単なる「カモ」でしかないのです。

そして「カモ」が一人でもいると、家族中が貧困になります。

●割引を鵜呑みにしない

お店で「○割引」というワードを見かけますが、あれでお得感を持つのは間違い。それにより、家計の総支出が減るのならいいのですが、余計なものまで買うのは間違いです。安い場所を求めて買い物をするのも視野が狭い話です。「買わない」という選択肢もある。

●外食・中食しない

手軽なので、外食だとかコンビニだとかで済ませ勝ちです。これも支出が増えるポイント。自炊のいいところは、よほど手間ひまかけないとおいしいものが作れないという点。おいしいものを食べるために「お金さえあればなんとかなる」という外食とは違うので、支出がセーブできます。

●お金を借りない

消費者金融に限りません。金利が問題というわけでもない。会社は借りた金を事業に投資することができますが、個人の場合はほぼ消費にしか回りません。つまり増えない。どんな金利であれ、返せるわけがないのです。

返せるわけがないのに、手元に金があることで、「収入以上の支出」の行動パターンができてしまいます。

●雑誌・本を買わない

図書館で十分。これだけで月数千円は浮く。暇つぶしにお金を使わない。暇があれば働く。

●コレクションしない

服・食玩・キャラクターグッズなど、どうして貧乏なのにコレクション欲が強いのだろうと。もちろん、グッズを売る側は「コンプリートさせたい欲」を刺激しているので、そういう人間が出てくるのも分かる気はしますが、これも単にカモになっているだけです。

●酒を飲まない(つきあいを含めて)

私の場合飲まないのではなく飲めないのですが、酒による支出はありません。酒の場合は以下の点で支出の天井をなくします。

  • 途中から判断能力が落ちる
  • 飲む量の上限がない
  • 種類によっては単価の上限がない
  • 場所によっては単価の上限がない

高い酒を無限に飲む可能性があるということです。これは飲食店側からすれば、「おいしい部分」です。飲食店の利益を決めるのは、食事ではなくお酒なのです。

●節約を運用と思え

目の前の1000円を我慢するということは、金持ちが10万円を1%で一年間運用していると変わらないのです。10万なくても一瞬で同じ運用ができたぞ!どうだ参ったか!金持ち!

●まとめ

職業訓練はあるのに、消費訓練というのはない。家計は経済の最小単位であるはずなのに、そのベーシックな教育がない。貧困を救うというのであれば、その貧困な家庭の家計簿を見るところからスタートすべき。

生活保護は大事だけれど、お金を与えるだけでは解決にならない。どうやって消費をすれば、同じお金で幸福感を味わえるのかということのコンサルティングをやるべきでしょう。

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サラリーマンだけどホワイトカラーエグゼンプション賛成

ホワイトカラーの労働時間規制除外、労基法改正案へ

私はすでに裁量労働制のサラリーマンです。んで、ホワイトカラーエグエンプションは賛成。成果を出しても出さなくても、働いた時間で給料が決まるというのが、つじつまに合わないという理屈はアホでもわかる。

だいたい、個人事業主や中小企業に勤めている人は、「何をいまさら」といったところでしょう。企業の業績が上がらなければ、自分たちの職場もなくなってしまう。

主体性のない従業員は当然反対するでしょう。

残業代ゼロ制度導入へ(赤旗)

労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)労働条件分科会は二十七日、労働者委員が強く反対するなか、残業代なしで何時間も働かせる「ホワイトカラーエグゼンプション」(労働時間規制の除外)の導入など労働法制の大改悪を盛り込んだ労働時間と労働契約にかんする報告をまとめ、柳沢伯夫厚労相に答申しました。これを受けて厚労省は、来年の通常国会に労働法制改悪法案の提出をねらっています。

ホワイトカラーエグゼンプションにしても裁量労働制にしても、原則は今の残業代に相当する額は給料に織り込まれます。目いっぱい残業が多い状態なら、同じ成果を残業なしでやると、単位時間当たりの給料=時給が上がるというシステムです。このあたりのルールを隠したまま、意図的にホワイトカラーエグゼンプションをつぶしにかかろうという報道が、特にテレビで多いため、ジャーナリストとしての資質を疑います。テレビで報道される「サラリーマンが反対する」という枕言葉も、すべてのサラリーマンを無能扱いしていて不愉快。

また、ホワイトカラーエグゼンプションが導入されても、すべての会社がそうなるわけではない。ビジネスマンは職場を選ぶ権利もあるのです。自分の社会的価値を、労働時間だと思う人はそういう労働条件の会社を選べばいいし、成果だと思う人はホワイトカラーエグゼンプションの会社を選べばいい。

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格差誰のせい?

日経12/12長官1面「成長を考える」より。格差の話。

まずは感情論から。

「改革が弱者切捨てを招いた」。日本消費者連盟の富山洋子(73)はこう考える。01年に発足した小泉純一郎前政権は、規制緩和などによる競争を重視した。富山のような意見に賛同する人の多くは反改革、規制で政府が資源を再配分することが必要と説く。

再配分を要求するのはいいのだけれど、配分の分母をどうやって増やすかという議論にはまったく責任をもたないところが、この手の「ぶら下がり」サイドのヤなところです。

そして、経済成長サイドの話。

主因は本当に改革なのか。名目国内総生産(GDP)成長率がはじめてマイナスに転じた98年。大手銀行までが破綻し、北村の生活も苦しくなり始めたこの年、サラリーマンの給与は現象に転じ、失業率は初めて4%台に乗せた。社会の不安を反映し、自殺者も前年比で3割増えた。

大阪大教授の大竹文雄(45)は「痛みの押し付け合いの原因は改革ではなく経済成長が止まったこと」という。正社員の既得権を守ると新入社員の採用は絞られる。限られたパイの取り合いでは弱い立場が不利になる。真犯人は改革や規制緩和ではなく、「ゼロ成長」だったと大竹は見る。

GDPから労働分配率で賃金が振り分けられますと。労働分配率が一定ならばGDPが減ると賃金も減る。一人当たりの賃金を減らすもんかと既存労働者が一致団結すると、当然ながら新規雇用がとまってしまう。

分配だけをひたすら要求する人は、子供たちの未来の雇用を奪い取っているということに気づいていない。

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ドコモ初の純減&MNP署名した奴出て来い

日経12/8朝刊11面より、2006.11月の携帯電話3社の契約数。

純増数 MNP制度での
転出入
契約数
DoCoMo -1.75万 -16.3万 5,212万
KDDI 32.49万 22.53万 2,692万
SoftBank 6.87万 -5.39万 1,539万

  • DoCoMoが初の純減
  • KDDIの一人勝ち。特にMNPで強い
  • とはいえ、KDDIの契約数を1%を押し上げるレベル

ここまでの大イベントがありながら、利用者は数十万人にとどまるというのが残念なところ。

しかしながら、MNPは大量の署名があったはず。
1012万人の署名で実現した携帯電話「番号継続制」 創造の輪

1012万人の署名がありながら、利用者は数十万人。このギャップはなんでしょう。可能性として考えられるのはこんなところ。

  • 僕はキャリアを変えないだろうけど、他のみんなはキャリアを変えたいだろうというおせっかい
  • 署名をするコストはゼロなので、価値判断をしてない
  • 署名の内容を判断することなく、支持母体に属しているかどうかで署名

署名数と利用者数のこのギャップは、今後の署名の信頼性を大きく損なうことになるでしょう。

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法人税率を下げなくちゃいけない理由

日本の法人課税の実効税率は高いです。以下日経11/29朝刊1面より。

  • 日本は約40%
  • 韓国は20%台後半
  • 英仏は30%台前半

日本だけは、なぜか企業であること自体に「罰金」があるかのようです。これではジョブメーカーは育たない。

税率の引き下げ競争が起きている欧州では、15カ国の平均が6%も下がった。なかでも税率が12.5%と最も低いアイルランドには海外から企業が進出。最近の実質成長率は5%に達し、経済の活性化に成功した。

ところが、この手の議論は経済活性化に対して主体性のない人の抵抗を招きます。

「税率下げはきちんと議論していない。賛同できない。」「(個人の)配分の問題もある税収増を(企業だけに)戻すのは軽々にすべきでない」(高木剛連合会長)

国全体が負け組みになろうとしているなか、企業をいじめて公平性を保とうというその発想が、未来を食いつぶしています。企業と個人をWIN-WINの関係に持っていこうとするのではなく、LOSE-LOSEで公平性を保とうとしている。

経済以前の問題で「議論してない」が理由の反対は生産的ではないですね。要は正当性を持って反論できない時の負けの証でしかないのですが、言ってる本人は正義感を持って言っているのでたちが悪い。「議論してない」と言ってる本人が一番議論を避けているのです。

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減価償却見直しに総務省抵抗

企業が保有する設備などの減価償却を全額損金対象とするという案が挙がっています。

裏紙: 減価償却全面見直し

設備や建物の今の価値はどんどん減って言って最終的にはゼロになると、今の価値に対してかけている固定資産税も変わってきます。今までは企業は、ボロボロの設備であっても「お前金持ち」という扱いで、税金がかけられていたのですが、あまりに古い設備はもはや価値はゼロになり税金もゼロになります。

そこで、固定資産税を当てにしているところが抵抗しています。日経11/26朝刊1面より。

ただ、固定資産税は市町村の税収の4割以上を占める最大の税目。総務省は「自治体の財源がなくなる」と抵抗し、政府内の調整はついていない。

この総務省の判断はおかしい。設備に対する税金の率は下がるけど、その分設備音投資が盛んになるのであれば、トータルの税額はあがる。そもそも今回の施策は、外国に比べて投資に二の足を踏んでいる日本企業の障壁を取り除くことにある。

「新規投資による税金は要らない。ボロの設備から税金を取ればいいのだ」と言っているのなら、それは縮小均衡の未来食いつぶしモデル。年寄りには受けるかも知れないけど、僕たちの未来を食いつぶすのは勘弁してほしい。

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景気回復を実感できない人は自分のことしか考えてない

前々から気になっていた論調。

Yahoo!ニュース - 京都新聞 - 「実感ない」市民ため息 景気回復 京滋の声

「実感がない」「信じられない」―。政府が月例経済報告で景気拡大が戦後最長になったと発表した22日、京滋の市民の間には疑問や不満の声が広がった。

最長は事実。それに疑問も不満も意味はない。観測結果に対して文句を言っても仕方がない。

大企業ばかりが潤って雇用や賃金には薄日も差さず、「格差社会」が現実のものになる中で、見かけ倒しの「最長景気」の実態が浮き彫りになった形だ。

大企業が潤ったのではない。潤った企業が大企業。不景気の間には、中小企業も大企業も問わず、倒産や合併があった。大企業の場合体裁は合併を装っているけど、実際には一方が消滅しているだけ。また、「格差」を嘆くのは、何と比較してなのか?全員が失業したほうが良かったとでも言いたいのか?

京都市東山区の古川町商店街で総菜店を経営する脇勝敏さん(63)は「昨年から売り上げが2-3割減っている」と、景気拡大の実感のなさにため息をついた。40年間続く店の3代目。スーパーやコンビニが台頭し、商業環境も厳しくなるばかりだ。

この人は不景気だろうと好景気だろうと、個人として商売が成功していないというだけ。個人消費は3割も減ってない。お財布の中身がさらに魅力的なお店に流れただけのこと。より良いものにより多くのお金が流れて、消費と生産が拡大することを「経済成長」という。それは「商業環境が厳しい」とはいわない。

山科区の主婦小松世梨子さん(52)は「日々の生活で景気が良くなっている実感はなく、ピンとこない」と言う。

そりゃ不景気の間に、就職活動もしてなければリストラもされてなかったんだから、実感はないのは当然。不景気の間にぬくぬくとしていた人は、そもそも景気を実感することはないのでしょう。

景気拡大と言っても、どん底のさらにマイナスからやっと人並みに戻った程度。絶対評価ではちょうどゼロでしょう。それでもどん底よりはいい。単なるひがみの思想で、規制強化とばら撒き財政を復活させては、本当に日本の価値はなくなってしまう。確かに格差はなくなるが、そんなの勘弁してほしい。

ということで、景気拡大の実感がない人のタイプピックアップ。

  • 景気とは無関係に商売に失敗している人
  • 不景気に失業や倒産を味わってない人
  • 年金が株式で運用されている事実を知らない人

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ヤフオクの大きな売上と大きな補償額

日経11/10朝刊9面より、ヤフオクの売上と補償額の話。そもそもヤフオクは、オークションの詐欺にあった場合に、50万円を限度に落札額の80%をヤフーが支払うという制度です。エラク保護をしてくれています。

以下、今年1-9月のデータ。

  • オークション取扱高は5104億円(前年同期比8%増)
  • 補償金は4億4400万円(前年同期比半減)

補償金が4億ですから、仮に上限の50万円を全て払ったとしても(つまり件数を少なく見積っても)、900件近い詐欺の判定とその補償をしているということです。普通の企業ではここまで処理は裁けないでしょう。

ニュースでは、補償金が激減した背景の、不正検知システムの出来のよさが主なテーマですが、裏を返せばこんなこともいえます。

  • オークションビジネスやりたきゃ取扱高の0.2%くらいは補償金として覚悟しておけ
  • 手数料を落札額の5%とすると、手数料(≒実売上)の4%は補償金として出て行くと思え
  • オークションビジネスやりたきゃ大量の詐欺の防止と、クロ判定を出来る体制を用意しておけ

つまり、いつの間にやら「めちゃくちゃ参入障壁の高いビジネス」になってしまいました。消費者保護という観点から行けば、間違いではないのですが、ちょっとした「政府」が出来てしまったということです。

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設備投資、償却期間短縮へ

日経10/24朝刊1面より。まずはこちらの表をご覧ください。

減価償却期間の国際比較

設備投資の償却期間
(法定耐用年数)
設備投資のうち損金に計上できる割合
半導体関連 液晶関連 主な機械装置の平均
日本 8年 10年 10年 95%
米国 5年 5年 7年 100%
英国 8年 8年 8年 100%
韓国 5年 4~6年 8年 100%

日本は外国に比べて、減価償却の期間が長いです。さらに最後まで損金に計上できない部分もあります。

設備に投資をすると、それは今年だけではなく、来年も再来年も売り上げに貢献するだろうということで、100万円の設備を使っても、その一部しかコストとして認められません。そうしないと、一年目は大赤字で二年目以降は大黒字になてしまい、「儲かっているのかどうか」が分からなくなるからです。

現金は出て行っているけど、コストとして認められないので、減価償却が長引くほど、企業にとっては、「変に利益が出ている」状態になります。お金はないのに。企業視点から言えば、「余計に税金が取られる」もととなります。企業の現場で資産になるようなお買い物を嫌うのは、「お金は減ってるのに税金が余分に取られる」からです。

減価償却期間は、耐用年数ともよばれ、税法上で決められています。企業によって使用期間は違うのですが、税の公平性は保たれなくちゃいけないので、一律です。しかし、その一律も時代が変われば、万人にとって現実離れします。液晶関連の設備の10年もかなり現実とは乖離しているようです。

そして、政府は設備投資の償却期間を短縮し、さらに全額を損金に計上できるように検討するというのがニュースになっています。

政府としては、今まで取れていた税金が取れなくなる可能性はあるのですが、企業の設備投資の障害を取り除くことになるので、結果的には経済が活性化し、景気も税収も上向く可能性は十分にあります。そしてこれはすごくいいことです。もっと褒めてやってもいいです。

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日銀、株売却へ

日経10/8朝刊1面より。

  • 金融危機の時期に銀行から公的機関が株を買い取った
  • それを年内から10年ほどかけて市場売却をする
  • 買い取った株式の内訳(簿価)
    • 銀行等保有株式取得機構・・・1兆6000億円
    • 日本銀行・・・・・・・・・・・・・・・・・2兆円
    • 預金保険機構・・・・・・・・・・・・・1兆8000億円

預金保険銀行に関しては、日本長期信用銀クや日本債権信用銀行の株を引き受けて、それを新生銀行やあおぞら銀行に買い戻してもらっています。その上であと1兆8000億円残っています。

株式の内訳は簿価ということですが、買い取ったタイミングは日経平均が1万円を割り込んでいる時期に買っているので、かなりの含み益があります。

日銀が株を引き受けるという報道があったときには、銀行から日銀にリスクが移動しただけで、日本のリスクの解消には役に立っていないように見えたかも知れません。こんな形での反対もありました。
日銀の銀行保有株式買い取り 不良債権処理で国民の苦難増す

国際的にも、中央銀行が民間企業の株式を保有する例はない。本質上、通貨発行権を持つ中央銀行がリスクのある株式を保有することは、中央銀行の機能にとって自殺行為である。また、購入した株価が下落すれば、日銀による国庫納付金(注2)の減少を招き、結局、国民負担を増やすことにつながる。

ということでこの頃の「もっと株価が下がるかも知れないのに」という不安は、大きな含み益ということで勝負あったということになりそうです。ほとんど誰も評価していないですけど。

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持たざるものも学校経営可

日経10/5朝刊1面より、政府が株式会社による学校経営を全国に解禁することを検討してるという記事。

  • 構造改革特区でのみ認められていたが、目立った弊害はない
  • 学校に土地・建物の所有を義務付けている学校設置規制の撤廃も論議

二つ目が特に重要。今までは土地・建物の所有を義務付けている。柔軟な資金調達が禁止されている状態で、なおかつ土地と建物は自分の物でないとダメというルールでは、よほどの資産家でないと学校は経営できません。

そういったおかしな規制がなくなるということなので、大変喜ばしいのですが、企業から見ればまだまだ生ぬるい。「持つべきではない」ところまで行ってみるのはどうか。企業の場合は土地や建物を持っているだけでは、特に顧客を喜ばすことにはつながらないので、今持っている自社ビルを証券化して、広く薄く所有権を渡して、会社はそのまま賃貸として借りるというケースもあります。もちろん、最初から賃貸という企業も多い。意味もなくでかい自社ビルを所有してたりすると、株価よりも自社ビルを含めたの資産価値のほうが高くなったりするので、株主にそっぽを向かれて株を売られてしまったりする。

なので、学校もどんどん証券化や賃貸を推し進めてみることで、バランスシートを圧縮し、より少ない資本で本業の教育にキャッシュを投入することができる。

でも、感覚的に、小学校の建物や校庭が賃貸というのはイメージしにくい。「モリビル65」とかって校舎に書いてあるの。あ、ちょっと通いたいかも。

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中小から見た景気

日経10/2朝刊3面、月曜経済観測より、大阪商工会議所副会頭、小池俊二氏インタビュー。

中小企業の中で好不況が分かれている原因について。

中国特需による恩恵の有無が大きな原因だ。繊維産業などは中国からの安価な輸入品との競争にさらされている一方、中国向けに特殊金属や一般機械などを輸出している中小企業は伸びている。

単に安いだけの繊維が競争力が無いのは、もはや景気とは無関係でしょう。高付加価値でもない限り、コモディティとしての繊維産業はどちらかというと新興国が手をつける産業であって、日本はとうに卒業していてもいいはず。

繊維や家電メーカーはかつて全国各地に工場を設けたが、国際競争の中で海外に移転せざるを得なくなり、地方を支える産業が喪失した。

これも実感します。日本の中であっても、地方に行くにしたがって、物価や地価はずっと安くなっていいはずで、低コストでモノを作ることができてもいいはず。ところが、いまいち誘致できていない。この辺の理由は企業それぞれの判断でしょうけど、「それほど安くない」のかも知れません。

実際に地方が本当に低コストかというと疑わしい印象があります。家賃は圧倒的に安いはずなのに、なぜか人件費はさほど下がらない。下手すりゃ「僻地手当て」を出さなくちゃいけない可能性だってある。外食もさほど安くはない。

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国会議員は国の議員

日経9/8朝刊2面(総合・政治)より、日本経済新聞社が自民党の各都道府県連に調査した結果の記事。

総裁選に優先的に取り組んで欲しい政策課題について

  • 地方の景気対策を含めた地域格差の是正・・・65%
  • 財政再建・・・14%
  • 教育・・・・・・・14%
  • 外交・・・・・・・5%

と、結局、国単位のことは考えんでいいという要求です。

参院選の候補者選定などを党本部主導で進めていることに「地方主導で決めるべきだ」(山梨)、「地方に根ざした候補を選ぶべきだ」(千葉)と否定的な声が相次いだ。

国会議員の候補者は、内閣の候補者でもあります。それが党本部主導で決めることはなんらおかしくない。国会議員は国の代表であり、県の代表ではない。国会議員は、国をどう成長させるかを考える人であり、国の中で補助金を奪いあう人ではない。

とはいえ、根拠は無くても「格差是正」というワードは一般には聞こえはいい。これは、統計的な満足度の向上ではなく、公平性というものが価値としてクローズアップされるからです。

A.金持ちは100倍金持ちになる、貧乏人は10倍金持ちになる
B.金持ちも貧乏人も10倍金持ちになる

AとBを比較した場合、感覚的にはBの方がよい国に見えてしまうのです。でも、そんなのは実際には難しいし、統計的にはAの方がよい国です。税収もAの方がだんぜん上。だけどAは「格差社会」と批判を浴びる。

とまぁ、今の地方と国の関係では、地方はどうしても局所的に考えてしまい、統計的な発想はできないでしょうから、さっさと道州制を導入して、「分配か成長か」を道州の単位で悩みぬくのはいいでしょう。

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インターネットただ乗り論争

ネットの中立性というキーワードがあります。この辺のニュースが詳しいです。日本にも波紋広げるネットの中立性問題・「義務化」は時期尚早 インターネット-小池良次の米国事情:IT-PLUS

日経8/26朝刊5面(経済)にずばりネットの中立性に関する話題がありました。

NTT「GyaOはわれわれが構築したインフラにただ乗りしている。許される行為ではない」

UESN「光回線などの急速な普及を促したのは映像配信だ。通信会社こそコンテンツ会社の恩恵にただ乗りしている」

コンテンツ会社からの反論が新鮮です。確かに、ユーザは動画配信サイトを見るために「一段高いプランを選んで」ブロードバンドの契約をしているはずです。ちゃんと値段がついている。GyaOが高い値段で買ってきた番組を見るために、ユーザはNTTのフレッツを契約していたりする。そしてUSENにはお金を払わずに。

通信量とインフラコストが見合っていないというのは、単に勢い余って安くで回線を提供してしまったという「価格設定ミス」です。「100M常時接続!」と言ったときにはまさかみんなが同時に常時通信するとは思っていなかったのでしょう。だけどこの二年間で通信量は二倍に増えた。

普通に通信量に応じて「ユーザに」課金するのが真っ当だと思います。水道や電気と同じように。

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オレオレ詐欺現金化できず

日経8/25朝刊7面(金融)より。オレオレ詐欺(振り込み詐欺)での入金されがお金が、口座凍結により引き出しもできず、かといって被害者に返還もできないという記事。

記事では、返還ルールがなくて、明確に口座の所有者が犯人であるということが分からない限り、被害者に公平に返還するのは難しいよねぇという話です。

とはいえこのニュースの着目すべきところは、凍結された預金が「68億円」というところ。被害額の大きさから、「ならオレも」と思う詐欺師は多いでしょうが、結局のところ肝心の現金化のところでつまづくということです。

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外資排斥のためにはNTTを保護すべきか?

日経8/20朝刊「回転いす」より、沖電気社長篠塚勝正氏インタビュー。NTT完全分割論が高まっていることについてのコメント。

  • 世界的な通信事業者再編の波に日本も飲み込まれてしまう
  • 欧米の大手通信会社が参入してくればNTTしか戦えない。外資の傘下に通信会社が入ってしまうと、日本の通信技術の進化が止まる

最初読んだときには意味が分からなかったのですが、沖電気は旧電電ファミリーの一員なので、要はNTTの弱体化はイヤだということのようです。

別に日本の通信技術を世界に売り歩いてもいいわけで、ここはフェアに国境を越えて競争をすればいい。仮に世界で戦えないような陳腐な技術なのであれば、市場から退場してもらって優れたものを海外から取り入れたほうが消費者のため。

もしNTTを守りたいのなら、「優れた技術があるのに過度の分割で投資に対応したビジネスが出来ないことで世界の消費者のためにならない」というべきでしょう。

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住民と労働者は誰に税を納めるべきか?

谷垣禎一財務相、「ふるさと共同税」提唱より、谷垣氏の主張。

  • 地方自治体間の税収格差を是正するため、「ふるさと共同税」の創設を提唱
  • 都会で働く人が出身地に納税するなど、納税者が再配分先を選択できる制度も提唱
  • 大都市に偏在しがちな法人住民税と法人事業税も、地方に再配分する仕組みを導入すべき

税というのは、富の再分配の機能があるのはもちろんですが、自治体のサービスの対価でもあります。再分配だけなら、地方税や住民税なんてゼロでいい。

自治体サービスというのは「その地方に住むから」「その地方で働くから」こそ発生するのであって、全く別の地方のゴミ処理をなんで俺の収めた税金でやらないかんのだと。

都会で働く人は、出身地でまともな働き口がないからしかたがなく、都会に出てきているのであって、その解決策としては、「まともな働き口を誘致する」でしょう。やれ工場はつくるな、遊戯施設は作るなで働き口を追い出して、「税金はよこせ」ではむしがよすぎます。

逆に税収増に成功している地方もあって、ちゃんとそこは企業誘致ができています(三位一体改革、地方の備えは - 日経NEEDSで読み解く)。

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韓流ブームに陰り?

日経8/16夕刊3面より(ほか「韓流」もう飽きた? 映画輸出額半減 今年1―6月期 “上客”日本の落ち込み響く (西日本新聞) - goo ニュース)、韓国の映画輸出について。

  • 2006.1-6期の韓国映画の海外輸出額は1742万ドル
  • 前年同期比58.3%減

日本向けがどーんと減ったのが原因のようです。私自身も「冬のソナタ」「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」で終わりです。

私が気になったのは、半期で20億円ほどなんだなぁってところ。減ったとは言え一時の熱狂振りからすればこれでも上出来と考えると、「産業」として捉えるには市場が小さいなぁというのが感想。

アニメと違ってキャラクタービジネスへののりしろが少ないのも商売として難しいところ。

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談合は悪

日経8/17朝刊23面、やさしい経済学より、談合について。

談合を擁護する台詞のひとつに「品質を確保するには応分の利益が必要」というものがあります。完全な競争だと、「安くても粗悪なものを納品するかもね」という脅迫にも聞こえます。

それに対する反論が二つ。

1.談合が成立していても品質の比較はできない

談合していても、設けようとするやつは悪い品質のものをつくるし、談合の中では落札予定者意外は、価格の面でも品質の面でももはややる気がないので、品質のコンペさえできない。

2.談合が成立していれば「連続受注」がないから入札停止が怖くない

仮に品質上の瑕疵があった場合には、しばらく入札停止になります。談合の場合には、持ち回りで連続受注などはじめから相手にしていないので、入札停止はさほど痛くありません。これが競争入札になれば、連続受注がありえるので、本気で受注を計画している企業にとっては、入札停止は大きな損失となります。

ということで、談合は価格・品質の両面においてやる気がないので、ええことなしということです。こんな理屈を言わずともダメなものはダメなのですけどね。

以下持論。

競争というとイメージが悪い人も居るかもしれませんが、一番注目すべき点は「消費者の選択の自由を奪っている」ということなのです。

選択の自由は守られなくちゃいけません。「限りある美人女性をを男同士で分け合おう」と談合して、日替わりの結婚を強制するのはいくら友情が強くても、そこには愛情がありません。

「つながり」を大事にすべきは業界同士の友情ではなく、生産者と消費者の相思相愛の愛情なのです。

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3セク累損「100億超」21社

日経7/30朝刊1面より、第三セクターの経営が厳しくなっているという話。

  • 日経調べ、2006.3期末データ
  • 累積欠損金が100億円を超えた3セクは21社
  • 総額は7139億円
  • 法的整理が進んだため前年同期から3社減ったが、累損額は1.6倍に増えた

ということでひどいことになっています。第三セクターは、自治体と民間の両方が出資している法人のことで、株式会社であるケースも多いです。したがって、一見すると自治体とはリスクが切り離されているようにも見えますが、自治体が大株主である限りは連結視点では、自治体のリスクは必ずしも減っていません。

例えば、千葉県などが出資する東葉高速鉄道はこんな状態です。

  • 有利子負債は3200億円
  • 支払い利息は年約53億円
  • 県などの資金援助も過去10年で300億円に上る

株主である以上は、企業の倒産のリスクを負わねばならないですが、そのうえ資金援助もだらだらと続けている。

東葉高速鉄道の財務諸表があったのでみてみましょう。

http://www.toyokosoku.co.jp/toyo/rapid/corporation/Enterprise-report_Business-plan17-18.pdf

ポイントは資本の部です。(単位千円)

資本金      30,460,000
利益剰余金 △ 82,663,743

利益剰余金というのは、それまでの黒字の積み重なりですが、赤字が続いているので、剰余金がマイナスになっています。これが累積損失です。累損800億円です。普通の企業ならこの時点で廃業ですが第三セクターはなぜか生き残ります。

普通の株主であれば、出資した会社からどんどん資本金が取り崩されている様は、「自分の資産が目減りしている」ということですから、赤字には厳しいです。ところが、自治体が株主になってしまうと、自治体が株式を「資産」とは見ていない。本当は税金が形を変えているだけなのだけれど、形を変えたか結果「大きくなったのか/小さくなったのか」が分からなくなっている。

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日本人を奪い合う

日経7/31朝刊29面「団塊移住」より、各自治体が誘致合戦を広げているという記事。

以下、自治体の主な移住促進事業。

北海道 北の大地への移住促進事業
青森県 あおもりツーリズム団塊ダッシュ戦略事業
岩手県 いわてへの移住促進事業
福島県 ふくしま定住・ニ地域居住拡大プロジェクト
福井県 「新ふくい人」誘致促進事業
和歌山県 田舎暮らし支援事業
島根県 島根暮らしUIターン支援事業
岡山県 ふるさと回帰促進事業
山口県 団塊の世代UJIターン総合促進事業
高知県 南国土佐への移住促進事業
長崎県 長崎田舎暮らし総合プロモーション事業
大分県 「住んでよし」おおいた暮らし支援事業
宮崎県 宮崎に来んね、住まんね、お誘い事業

ちなみに、北海道の試算は次のようになっています。

  • 2007年から60歳の無職3000世帯が移住してきた場合
  • 最初の3年間
    • 経済波及効果は800億円
    • 一方社会保障費などの公的負担は国・道・市町村合計で55億円
  • 生涯では
    • 経済波及効果は5700億円
    • 公的負担は1200億円と収支は大幅な黒字

税収とは言わずに経済波及効果と呼んでいるものと、支出とを比較して黒字と呼んでいるのが気になりますが、とりあえず人が居ないことには自治体は維持できないので、連れてこなくちゃならないということだけは分かります。

事業名をみただけでも、まだまだプロモーションの工夫の余地は残されていそうです。ちなみに青森の誘致事業のサイトはこちら。
あおもりツーリズム団塊ダッシュ戦略事業

問い合わせ先さえなくて、どうしたらいいのか分かりません。最初は「ダッシュ」は「奪取」のことかと思って、「自治体目線のキャンペーン名なんて変だなぁ」と思っていたのですが、「ダッシュ村」のようなものを作れるというふれこみのようです。

13:16追記
日経BPにも似たようなテーマで記事がありました。自治体による団塊争奪戦(1)〜移住促進事業が花盛り - 団塊消費動向研究所 - nikkeibp.jp

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シカゴはウォルマート排除

日経7/28朝刊7面(国際)より、シカゴ市議会がウォルマートを標的にした条例を可決したという記事。

  • 対象は大型小売店の従業員の賃金
  • 来年からは9ドル25セント以上の時給を義務付け
  • 2010年には10ドル以上とする
  • 賃金のほかに保険などの手当ても時給換算で3ドル支払い
  • 年商が10億ドル以下の中堅以下の小売業は対象外
  • 一方連邦法が定める最低賃金は1時間5ドル15セント

一方で市長のコメント

ウォルマートは製造業の空洞化で生じた失業者の受け皿になってきている面もある。デイリー市長は「雇用と売上税収入が失われる」と条例に反発してきた。

日本円で言うと、時給の最低は600円のところを1000円にあげろといっているようなもんですね。

国全体で企業を問わずに最低賃金が上がるのならわかりますが、地域と企業が限定された最低賃金法だと、地域から企業と従業員が流出するだけの話になります。当然ウォルマートは訴訟を起こすでしょうし、勝つ可能性もあるのですが、仮に条例が合法判決になったとしても、シカゴに労働者がハッピーになれるとは思えないのです。

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夕張市起債不可

日経7/26朝刊5面(経済)より、夕張市が起債を計画していたのに対し、総務省が起債を不可とする方針とのこと。

  • 起債不可の対象
    • 目的は道路建設
    • 3億3200万円
  • 起債可の債券
    • 減税補填債
    • 臨時財政債

破綻したり、負債があまりに多いと国の許可が必要というルールですが、こんなもん自由でもいいのにとも思います。国が保障をしなければ、実際に債券を買ってもらえるかどうかは市場が判断するだけのことです。自治体の健全性を総務省の担当者が判断するか、市場が判断するかの違いです。

夕張市に関しては、破たん前から財務状況はサイト上でも開示されていませんでしたから、総務省が判断するまでも無く、債券発行に足るだけのIRはできていません。

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グーグル独り勝ち

日経7/22朝刊7面(国際2)より、グーグルが米ネット4社の4-6月の収益でダントツになりつつあるという話。

米ネット4社の業績
(4-6月期、単位億ドル、カッコ内は前年同期比増減率)

企業名 売上高 利益
グーグル 24.56(77) 7.21(110)
ヤフー 15.76(26) 1.64(-78)
イーベイ 14.11(30) 2.50(-14)
MSN 5.80(-3) -1.90(-)
(注)MSNはマイクロソフトのネットサービス部門。利益はMSNのみ営業利益、他は純利益

二年前まではグーグルとヤフーとイーベイは10億ドルほどでほとんど代わりが無かったのに、グーグルの伸びが激しい。グーグルは(というかIT産業は)ほとんど変動費がかかりませんから、売上の伸びがそのまま利益に貢献できます。

他のネットサービスが割りと手間隙かけて運営しているのに対して、グーグルは「検索」という軸一本で広告による対価の回収を行っているという点も興味深いです。検索技術が高ければ高いほど「ユーザは何を欲しているか」ということが分かります。下手なアンケートを打つよりもグーグルの検索キーワードの方が「欲望」を明確にあらわします。

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「当社はビッグスリーより多くの雇用を生んでいます」

日経7/22朝刊1面「会社とは何か」より、ステークホルダーに対する気配りに関する記事。

「当社はビッグスリーより大きな雇用を生んでいます」。トヨタは現地でこんなCMを流し、摩擦回避へ予防線を張る。

これで摩擦が回避できるのかどうかは分かりませんが、雇用を創出するということは大変難しいことであり、尊いことです。逆に日本ではこのようなキャンペーンを行っている企業を見たことがありません。もっとアピールすべきです。雇用と納税に関して企業はもっと胸をはっていい。

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デジカメプリントサービス巻き返し

日経7/21朝刊31面(消費)より、デジカメのプリントサービスが伸びてきているという記事。

  • デジカメプリントサービスの伸び(枚数ベース)
    • 前年比37%(コイデカメラ)
    • 前年比15%(プラザクリエイト)
    • 前年比20-30%(セブンイレブン)

その分、フィルム写真のプリントは減ってきているようで、2007年にも逆転する見通しです。フィルム市場は年率二割で減ってきているので、ちょうどデジカメプリントサービスの伸びと裏返しの状態ではあります。

家庭用プリンターもLサイズ一枚あたりのランニングコストを20円とうたった機種もありますが、インクや紙の補充などの手間を考えれば、店舗でのプリントの方が楽できれいです。

私自身もプリンターは持たない派です。

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人気とは逆に住みにくい国立市

日経7/20朝刊33面(首都圏経済)より。

国立市と言えば、景観を守るためマンションを削れという裁判があります。
http://www.asahi.com/housing/column/TKY200412100146.html

景観を守るという姿勢は立派なのですが、こんな問題も生じています。

だが、不動産業者に「都内屈指の要警戒地域」と言わしめる強力な既存住民の姿勢は、一方で新しい住民を住みづらくする面ももたらす。

手ごろな価格、賃料の新物件が供給されにくい市内は、地価や物価が周辺地域より割高。「働き盛りの納税者が市外に流出しやすい」(市関係者)といい、娯楽系店舗を排除する文教地区指定などとともに税収低迷の一因をなしている。

と、「既存の住民」という一握りのステークホルダーにフォーカスしていると、「未来の住人」や、働く場所を奪い取ります。

結果、税収は乏しくなり、国立市は財政難に陥り、国立駅舎の保存計画も頓挫しているとのこと。

地域経済が停滞する中、六月には地元商工会の音頭で「観光まちづくり協会」が発足。昨夏から一橋大学のOB会が地元の商店街組織などと協力し、大学内でクラシック音楽コンサートの定期開催に乗り出すなど、地域振興、街のイメージ向上に動き始めている。

結局来て欲しいのか来て欲しくないのか分からない。「住めない」「働けない」という条件を放置して、クラシックを流してもあまり効果はないのではないでしょうか。

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高価な水がめ

7/2の滋賀県知事選ではダム建設凍結を訴えた新人が当選しました。ところが、全国を見渡すと、「作ること自体が目的」にしか見えない小型ダムの建設が目白押しであるという記事が、日経7/17朝刊23面(地域総合2)にありました。

小型と言っても、事業費は100億円前後のものがずらりと並んでいます。「生活貯水池」とうたっているようですが、その費用と効果のバランスは取れていないようです。

  • 中野方ダム(岐阜県)の場合
    • 建設には120億円
    • このダムの水道水を使える人は2200人
    • →一人当たり500万円
  • 以布利川ダム(高知県)
    • 建設には41億円
    • 水道水は一日400トン
    • 効率が悪いため水道用水としての利用を見送り

水は「あったほうがいいか」と聞かれればあったほうがいいに決まっています。しかしながら、「自分がお金を出すと考えて欲しいか」を考えれば疑問でしょう。一人当たり500万円の投資をするのなら、「一人当たり毎年100万円の税金を5年間納めてでも欲しいか」ということです。

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クレイグ・マンディインタビュー

日経7/8朝刊9面(国際2)より、マイクロソフト、クレイグ・マンディ氏インタビュー。

オープンソースの動きが加速していることについてのコメント。

無料ソフトは有料ソフトの物まねだ。ソフト開発を長期間続けるには(ソフトの設計図など)知的財産を保護し、開発者に経済的なインセンティブ(動機付け)を与える仕組みが大切だ。優秀な人材を抱え有料ソフトを開発することの価値は不変だ。

確かにオープンソースでも「そん色ない」ものはたくさんありますが、オープンソースから新たなソフトのジャンルが出てきているイメージはない。ユーザに対して(デベロッパーではなく)「無料」を超えるだけの価値提供がそろそろあってもいいはず。

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夕張市のその先

日経7/5朝刊3面「自治体の財務悪化指標 最悪は福岡市・長野県」より。

総務省が自治体の財務健全度を公表しました。「実質公債比率」というもので、地方税と交付税などの収入を分母に、借金の元利返済額を分子として算出します。分子の借金には各自治体の公営企業の借金も加えます。

実質公債比率が18%を超えると、「財務状況が悪い」として自治体の起債は制限されて国の許可が必要となります。

そして、18%を越えている県ランキング

  1. 長野県(20.1%)
  2. 岡山県(19.3%)
  3. 島根県(18.7%)
  4. 北海道(18.6%)

次に18%を越えている政令指定都市ランキング

  1. 福岡市(22.8%)
  2. 神戸市(22.0%)
  3. 広島市(20.8%)
  4. 横浜市(19.2%)
  5. 千葉市(19.0%)
  6. 名古屋市(18.9%)

とこんな感じです。県と政令指定都市しかないので、夕張市のような市が明らかになっているわけではありません。また、借金は「溜まる」ものなので、資産と比較をしたほうがより規模が分かるはずです。

これとは別に、大阪、兵庫、北海道で計500億円地方債が減額されているというニュースも同面にあります。夕張ショックのおかげで、地方債全体の割引率が上がっているようです。割引率が上がるというのは、お金を借りる側からすれば利息が上がっているということで、貸す側からは「返済できないかも知れない」と思われているということです。

夕張市には気の毒ですが、こういう「破たん」の例が出ることで、他の自治体は投資家に対してより健全度をアピールする必要が出てくるので、結果的には良い傾向になります。自治体は株式会社ではありませんが、地方債という金融商品を発行する以上は、「普通にIR」をする必要があります。

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格差誰のせい?

日経7/4朝刊「大機小機」より。日本経済復活と格差議論について。

そもそも、小泉改革以前から政策転換はされていたという話。

  • 94年のウルグアイラウンドから、モノだけではなくサービスの自由貿易が進み、輸入しやすく・輸出しやすくなっていった
  • 銀行からしか借りれなかったのが、株式による直接金融が盛んになった
  • 景気停滞中は製造業の設備投資こそ少なかったが、研究開発は続けられており、液晶や発光ダイオードをはじめとする基礎技術は、いま花を咲かせている

ということです。

自民党の新しい総裁選びでは経済格差論争なども巻き起こり、「小泉改革」との距離感が焦点になってきている。だが、日本経済復活へ向けた潮流変化は10年以上に及ぶ官民両面での変革の積み重ねの結果であり、その「光と影」も小泉改革の功罪といった次元の問題ではない。

「小泉改革の影」を指摘しているのは野党なんでしょうけど、野党はもちろん与党を含めて、政治が影響を与えることができるのはほんの一部であるという謙虚な姿勢で時代の波を直視したほうがいいでしょう。小泉さん一人の力では格差は広がりも狭まりもしないです。

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社会を知らない日刊ゲンダイ

livedoor ニュース - 福井総裁 VIPファンド発覚

●やはりVIP待遇だった

 秘密の「VIPコース」だったということか。福井日銀総裁が出資した村上ファンドで、資金の受け皿として福井氏専用の投資事業組合がつくられ、共同出資するオリックスが代表者として業務全般を担っていたと、けさ(29日)の朝日新聞が1面トップで報じた。

VIP待遇でも何でもありません。普通の待遇です。個人ようの投資事業組合を作って、それをまた束ねるということは、よくあることです。トップで報じる朝日新聞もその犯罪性の無さに対して扱いがおかしいし、それを「VIP待遇」と表現する日刊ゲンダイも社会の仕組みを知らなさ過ぎる。

日銀総裁が村上ファンドに出資しているのが発覚したのは、総裁が自らしゃべったからであって、普通は誰もがどこにどんな資産を持っているかは開示されることはありません。私達がいくら定期預金しているかは、知られることが無いのと同じで、資産運用をするだけの投資家は、匿名性をもって「守られなければ」いけないのです。それはVIP待遇でも何でもありません。

投資活動をするというだけで、全ての資産を開示しなければならないのなら、日本からの投資はどんどん逃げてしまうでしょう。単なるねたみから投資家いじめが加速すると一番困るのは、「最大の投資」である年金をうけとる私達なのです。

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増税してくれというまで削れ

asahi.com:「増税してくれというまで削れ」首相、諮問会議で発言 - 政治より。

小泉首相が22日の経済財政諮問会議で「歳出をどんどん切り詰めていけば『やめてほしい』という声が出てくる。増税してもいいから必要な施策をやってくれ、という状況になるまで、歳出を徹底的にカットしないといけない」と発言していたことがわかった。

夕張市が破綻してしまった例をみて分かるように、自分の財布が傷まない限り、官僚も住民もなんのためらいも無く歳出増に傾きます。小泉さんの発言は「金払ってでも欲しいものか?」という極めてベーシックな問いかけです。

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日本経済新聞の購読はこちら

日本経済新聞を定期購読したい方はこちらのバナーから申しこんでください。
日経新聞の読み方:e-日経購読ガイド

ということで、日経のアフィリを始めました。なんだかんだ言っても、このブログの元ネタは日経新聞なので、このブログでオススメできるものと言えば日経新聞くらいだったりします。

ちなみに、私はネットのヘビーユーザーではありますが、残念ながら日経のネットで得られる情報は、紙の新聞に比べるとわずかでしかなく、一番欲しい「素データ」が紙のほうにあるので、仕方なく紙の新聞に一通り目を通しているという次第です。

ちなみに、日本経済はまだまだ捨てたものではなく、かなりエキサイティングで面白いので、「世界で一番早く母国語で日経が読める」ということはかなりのアドバンテージです。この機会に感謝して日経新聞を読みましょう。

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夕張市破たんの背景

「もし世界が100人の村だったら」というストーリーがありました。全体のスケールを小さくすると、問題点が明らかになるという点で面白いストーリーでした。

北海道の夕張市が財政破たんしました。
夕張市、負債600億円 一時借入金 12金融機関から

日経6/26朝刊地域総合2面では、象徴的なシーンが掲載されていました。夕張市役所からほどちかいホテルシュパーロの買収の経緯についてです。

1996年、ホテル経営者だった松下興産は撤退を表明。「観光の街を象徴するホテルがなくなる」と地元に危機感が広がる。商工会議所はしによる買取を求めデモ行進をするなど存続を要請。市は約20億円の支払いを第三セクターに肩代わりさせる方法で建物を買い取った。

他にも、身の丈にあわない観光分野への投資は100億円を越えるようです。

成功していればまだいい。成功していなくても戦略的であればまだいい。残念なのは、当事者が成功の見込みがないと分かっていながらも、「地元の声」に押されて買っちゃったということ。

資本主義は「金を持っている奴の権力が大きい」と批判されるかも知れませんが、「金を出さない奴の声が大きい」とこんなひどいことになるという例です。金を出さない奴の意見は「無邪気に無責任」です。

そして重要なのは、これくらいの自治体の単位で、「ちゃんと」破たんが起こるということは、問題の早期発見という点ではいい傾向です。国から地方へという責任委譲の傾向があります。会計面では市の単位で「やばさ」が分かるといい傾向です。

あと、気になるのはこのくだり。

「赤字はどうしても避けたかった」(後藤健二市長)市に残された手段が一時借入金だった。

企業会計においては、いくら借金をしても売上は増えたことにはなりませんから、PLの赤字は赤字のままです。これは地方自治体が複式簿記ではなく単式簿記を使っているからこんな「まやかし」が通用してしまうのでしょう。問題を明らかにするという点でも、地方自治体は複式簿記にすべきです。

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お前らは日銀をどうしたいか?

日銀の福井総裁が村上ファンドに出資していたのでえらく怒られています。
収まらぬ批判 政府困惑の色

ポイントを整理すると。

  • 総裁は民間時代に、村上ファンドに投資、他個別株式を持っていた
  • 総裁になってからは売買はしていない
  • 米国では中央銀行総裁に相当する人の資産を公開するルールはあるが日本ではない

と、大したこととは思えません。

主に批判が「村上ファンド」の方に向いていますが、叱られるとすれば、ファンドよりも個別銘柄の方の株式を保有していることだと思うのですが、メディア的には村上ファンドの名前を出しておいたほうが「悪い」イメージを作り出すことが出来るのかもしれません。

もちろん、今後は資産を公開するというルールを作ることには大賛成です。でも現段階では、総裁は全く何にも悪いことはしていない。

中央銀行総裁が「運用をするなんてもってのほか」というおろかな考えもあるかも知れません。しかし株式やファンドで運用しない場合には、土地で持てとでも言うのでしょうか。それも立派な運用です。土地バブルを起こすことは中央銀行総裁なら影響力を及ぼせそうです。じゃぁ現金ならいいのか?いやデフレにすれば現金の相対的価値が上がります。

つまり「運用するな」ということ自体が無理な要求です。だったら、日本の総裁なら、責任もて、日本のETFで全資産を運用させてもいいくらい。日本の景気と一心同体。

それでも、運用に対する無知が「ひがみ」を生んでいるのも事実でしょう。例えば週刊文春ではこんな見出しです。

総力特集 政財界へ飛び火したヒルズ疑惑
国民には「ゼロ金利」福井総裁「年利30%」丸儲け

どうも、総裁がゼロ金利にしているのに、自分だけ30%もの運用益を上げているのは「ずるい」というトーンのようです。だけど、ゼロ金利は誰にとってもゼロ金利で、運用益30%はここ数年の日本では、「普通にやってら出る利益」です。万人にとってフェアな状況です。

文春は、バカだから「普通の運用益」を知らないのか、バカな読者をひきつけるために知らないふりをしているのか。

いずれにしても、「ちゃんと勉強して」「普通に運用する」だけで、「丸儲け」と叱られてしまうようなレベルの低い国になって欲しくはないなぁって思います。

さらに注文を出すと、ここで日銀総裁を辞めさせるという判断も狂ってる。誰か代わりが用意できているの?そんな準備もなく「辞めさせよう」としている時点で、外国人には「やばい国」「やばい通貨」に見えてしまいます。

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公共事業で格差解消?

公共工事は悪ではない…格差解消に活用を、と麻生外相 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)より。

麻生外相は17日、松山市内で開かれた自身の後援会の会合で講演し、「地域の格差は断固その差を詰めないといけない。公共工事は悪だという話があるが、とんでもない話だ」と述べ、地方と大都市の格差解消に、公共事業を活用すべきだとの考えを示した。

ここからは、「地方には仕事が無いから公共事業で仕事をばら撒くべきだ」というようにしか読み取れません。しかし、ばら撒き公共事業のおかげで「不必要で」「非効率的な」企業ばかりが増えてしまいます。

ということで、「必要とされ」「世界の中でも競争力を持つ」企業に資源が流れなくなるので、地方の景気対策のための公共事業は「悪」です。指し当たって今の雇用は維持されるかも知れませんが、未来の雇用を奪います。

また、地方だからといって仕事がないわけではない、トヨタの城下町は中部地方を裾野の長い城下町にしています。これは政府がばら撒いたおかげではない。三重県はシャープの城下町ですが、これは政府のばら撒きのおかげではない。北九州も企業の誘致に成功しているほうでしょう。政府がばら撒くことで、この手の自力活性の道が閉ざされることが悪なのです。

外相は、校舎の耐震化、開かずの踏切の解消、電柱の地下埋設などを必要な事業に挙げ、「使い捨てではなく、資産として残るものを行うべきだ」と強調した。

これらは、日本全国全てにとって必要なことで、地域格差解消には役に立たない。また、「資産として残るもの」という基準もおかしい。「使用価値の高いもの」というのが資産価値そのものを決めます。使用価値に触れないあたりも、「誰も使わないものを作っておしまい」にしたい気持ちが透けて見えます。

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逆特区ついに廃止

asahi.com:酒類販売、9月から完全自由化 「逆特区」は廃止へ - ビジネスより。

酒類販売は構造改革により原則自由化されていたのですが、抵抗勢力がごねて既存販売店の売り上げが伸び悩んでいるところには出店できないという「逆特区」なるものが存在していました。

その「逆特区」もついに廃止となり、このたびめでたく酒類販売がやっと9月から自由化になります。

日経6/17朝刊によると、9/1に申請する大手コンビニ5社の合計で、3000店程度になる見通しで、9/1以降も含めると、約5000店になる見通しです。

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既得権益利する格差論議

日経6/1朝刊大機小機より、格差議論の裏のいやらしい部分をあらわにしている記事。

格差論をふりかざすことは、既得権を守ろうとする政治運動や役所の権限強化に便乗されかれないという指摘。

たとえば政界の一部で公然と語られ始めた談合容認論だ。談合は業者間の仕事の配分で結果平等を目指す行為だから、格差論議に便乗しやすい。いわく「地方や中小企業など弱者切り捨てを許すな」。

国土交通省はタクシー事業の規制緩和が運転手の生活を脅かしているという指摘を受けて規制の再強化に動いているという。

ネット上で「タクシー 規制緩和」で検索すると、こんなのがあります。

タクシー規制緩和の失敗を追及

規制が緩和されれば、効率のよい業務を行っているところは生き残り、そうでないところは確かに苦労するでしょう。従業員に賃金を払えないほどの非効率な企業は廃業したほうが世のためです。これはどんな企業でもそうです。

日本の経済システムにはあちこちに既得権が残る。格差を問題視するのであれば、既得権を持つものと持たないものの不平等に目を向けたほうがいい。

この言葉に集約されるでしょう。まずめざすべきは機会の平等です。機会を平等にした後の結果は、本人次第です。結果の平等を他人に求めることは単なる「ねたみ」でしかありません。

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検索連動広告の市場規模

日経5/28朝刊「NEWSな数字」より、検索連動広告の市場規模について。ソースは電通の「日本の広告費」。

  • 日本国内の検索連動広告の市場規模は590億円
  • インターネット広告費全体(2808億円)の2割以上を占める
  • テレビや新聞などの広告費全体(5兆9625億円)から比べると、1%
  • 検索連動広告は2009年には1292億円に達する予測もある

個人的には、もっと広がってもおかしくないと思っています。広告費全体が伸びなくても、ネットシフトや検索連動シフトする可能性は大きいです。検索連動広告は入札で決まるのですが、個人が買えるくらい安いのです。消費者金融など「どこにでも出す業種」のキーワードは高騰していますが、まだまだ安値のキーワードがあることを見るとこ、出向者も単価も両方上昇する可能性があると思っています。

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格差社会は成長の証

格差社会という言葉が先走っています。景気が良くなったことで格差が広がったというデータはなく、むしろ景気が悪かったときに若者の雇用が狙い打ちで奪われていたというくらいしかデータはありません。

仮に、格差が規制緩和によって広がったとしても、こんなコメントもあります。日経5/24朝刊19面大機小機より。

成長が加速すると、常にその波に乗れた人とそうでないひとの格差は拡大し、その後の時間を経て成長の恩恵が全経済に及ぶ。格差の解決は、成長に貢献する意欲と能力を持った人材をいかに組織的に育成するかにかかっている。

要は、成功者を見て、自分にもチャンスがあると考えるか、自分にはまねができないとあきらめるか、どちらの人が多いかである。

「どちらが多いか」といえば、目の前のチャンスを無にして、「格差社会」とひがみ節を叫ぶ人の方が多いでしょう。チャンスを前にして行動することよりも、行動しないことの方が楽だからです。でもこんなところで多数決をとっても意味がなく、格差をなくすために全ての人からチャンスを奪い取るのは同義的に許されないことです。

ねたみの心はあまりにも多くの人が持ち合わせているため、一見すると正論に見えてしまいますが、社会に対しては害悪でしかありません。

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音楽、実は儲かっている

音楽著作権料の徴収額が過去最高を記録しました。

  • 2005年度の徴収額は約1135億9000万円
  • 音楽CDが約260億(微減)
  • 放送関連が約259億(増加)
  • 着うたが約18億円(二倍に増加)
  • PC向け音楽配信が約12億円(二倍に増加)

ということで、マクロで見るとちゃんと音楽の対価は回収できているように見えます。

参考:日経5/18朝刊17面(企業2)より。

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石油は高くない

日経4/30朝刊5面より、新日本石油会長渡文明氏インタビュー。

原油価格の高騰について

在庫は増えており需給バランスからは価格上昇は説明できない。主因は心理的不安だ。

日米欧の金利上昇で債券価格が下落し投機資金が原油にシフトするなど、昨夏とは異なる構造的な要因もある。ただ原油がなくなっているわけではなく、価格がこのまま上昇するとは思わない。

1970年代の石油危機との違い

第二次石油危機の際、原油は1バレル34ドル弱で、今はその2倍強。ただ為替レートは当時の1ドル262円に対し今は115円で、円換算では逆に二割安い。石油製品では顕著だ。足元のガソリン小売り価格は1リットル131円。当時は177円だったが、消費税や物価指数を加味すると今の生活実感では224円に相当する。消費者は当時より6割安いガソリンを使っている計算だ。

この間、国内総生産に占めるガソリン消費額は2.4%から1.5%に低下した。円高や省エネ努力で日本経済の足腰は強くなっており、石油関連製品のパニック買いが再発する危険は少ない。

と数字で見ると、実は今の石油やその関連商品は決して高くはない。

特に投機資金の流入はあまり理屈には合っていない。例えば昨年のハリケーンでは、製油所が破壊されて、処理すべき原油はだぶついたはずなのに、ガソリン高騰の連想買いで原油も高騰した。

それでも、CO2は出さないに越したことはないので、理屈に合わなくてもこれくらいの高値で推移してくれるのが環境にはいいかも知れません。

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